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旅と写真と文章と。

絶対に壊れない宝箱の中に、大切にたいせつにラッピングして閉じこめてしまいたいと思った。


今もまだくらくらしていて、まどろみながら入るお風呂みたいなあたたかい気持ちが、胸いっぱいにふわりふわり。

夢のようにキラキラした1日だったから、わたしの良くできた妄想だったんじゃないかなぁ、と思ってしまうほど、はかなくて。
そのたびに、カメラロールの中にある写真を見返しては、ああ、ほんとうだったんだね。あの時わたしはそこにいて、あの日もたしかに存在したんだね。と、何度もなんども、画面いっぱいにひろがる愛おしくてたまらない笑顔を確認している。

1/28日は、灯台もと暮らしの創刊編集長であり、エッセイスト・フォトグラファーである伊佐知美さん主宰のオンラインサロン、#旅と写真と文章と の初めてのオフ会だった。名前の通り、旅と写真と文章を愛する人たちが集まるサロンだ。


あの日はとってもとっても寒くって、雪だって残っていたから、しゃべるたびに白い息が上がって、カメラを持つ手はマヒしていた。


それなのに。

この時間がずっと続けばいいと思った。


「うれしい」や「しあわせ」だけじゃ足りなくて、なんだろう。
この気持ちをぴったり表す言葉って。
もっともっとひらがなみたいに丸っこくて、優しくて。
そんな言葉をずっとずぅっと考えてる。


5年前。
10年以上好きだったアーティストに会えて、おしゃべりすることができた。ありきたりな言葉だけど、彼らの音楽は、つらい時、くるしい時、もちろん嬉しい時だって、いつもわたしを支えてくれた。
手は震えて、胸がギュって詰まって、たぶん半泣きだった。

なんとかなんとか「ありがとう」を伝えて、いきおいに任せて「だいすき」も伝えれた。

(10-FEETのTAKUMAさんと!)



1年前。
ずっと読んでいた世界一周ブログのランキングでいつも上位の旅丸shoさんとお花見できた。おもしろい人がぶっ飛んだこと書いてる…と、ちいさなオフィスから、おおきな世界のあれこれが綴られているファンキーなブログをお昼休みに読むのが楽しみだった。

なんとかなんとか「ブログ楽しいから元気もらえる」って乾杯をしながら伝えれた。


そして1週間前...


女性としても人間としても尊敬してて、だいすきな伊佐さんにお会いできた。


大袈裟でなく、人生を救ってくれたと思っている。
旅と生きていけると、教えてくれたのが伊佐さんだった。
何歳になっても旅を求めていいんだと、肯定してもらえた気がした。


パワフルに世界を股にかけ、画面ごしにでもキラキラ眩しくて、こんな理想の生きかたをしている女性がほんとうに存在するのかと、簡単には信じられなかった。


そんな方にお会い出来るなんて...!


人見知りしない性格で、「はじめまして」の方でも抵抗はないわたしが、お会いできる当日の朝にはおなかが痛くなったし、緊張とうれしさとで胸がいっぱいで2日前からなんにも食べられなかった。


集合は午後からだったから、午前中はbook lab tokyoさんで動画を作ったり、本を読んだり、お友達とお喋りしたり、していた。

けれど。
内心は、このまま心臓は壊れてしまうのではないかと思うほど暴れまわっていたし、自分がどんな表情をしているかもわからないくらい顔の筋肉は強張っていたと思う。

だって、だって。

あの辛かった時に救ってくれた。
パソコンの画面の向こうから届けてくれる、世界の鮮やかな写真と、優しくて包み込んでくれる文章に、勇気をもらっていた。
そんなわたしのスーパーヒーローと数時間後には、お会いできるのだ。


場所は、新宿御苑。
渋谷から電車に乗って。
大きな木の下に集まっているよ、という書き込みとGoogleマップを頼りに。


早く会いたい。でもちょっとだけこわい。ううん、やっぱりありがとうって、大好きって、本当に憧れで尊敬しているって、伝えたい。

自己満足だということはちゃんと分かっている。一方的に伝えられてもきっと、迷惑だろう。

それでも、気持ちと歩幅は次第に早くなり、白い息が舞うのも気にせずに。少し雪の残る小道をザクザクと。目指すは大きな木の下へ。


どうやって入っていこう。誰も知らないけれど、わたし行っていいんだよね?自己紹介は、どうしよう。

「はじめまして。本日はこのような会に参加させて頂き感謝しております」...会社の挨拶か。
「やっほー!ともちだよ!」...どう考えても違うな。

ぐるぐるぐるぐる、色々な感情が頭の中を巡る。


そうこうして少しだけ迷子になったあと、大きな木の下にみんなを見つけた。

「こん...にちは。」と恐るおそる輪の中に入るわたしに


「あ!きっとともちさんだよねっ?」


と太陽のように笑ってくれたあの瞬間を、わたしは一生忘れないと思う。


沢山の言葉を用意していた。
「ありがとう」「だいすき」「あのnoteに救われた」「あそこの景色が素敵だった」「このサロンに入れて本当に幸せ」


色々な気持ちを伝えようとしたけれど、出てきた言葉は

「伊佐さぁぁん(泣)」という、なんとも情けない言葉だけだった。



ねえ、わたし。良かったね。

数年前にあこがれた女性に、数年後お会いできて名前を呼んでもらえて。


さらに、誕生日までお祝いしてもらえるなんて。

いったい誰が想像できただろう。


しかも、「旅と写真と文章を」 を合言葉に伊佐さんのもとにあつまった、素敵なすてきな仲間(クルー)にも出会えるという超ビックな特典付きで。

「仲間」ずっと欲しかったもんね。



ねえ、わたし。良かったね。

ムダだと言われても、現実を見ないと取り残されるよとおどされても。
世界がすきだという気持ちをすてないで良かったね。


ハワイでモデルをしたり、ライターに応募しまくったり、アクセサリーを作ってシンガポールの雑貨屋さんに営業かけたりと。
失敗ばかりだったし、まだまだ目標には程遠いけれど、理想の自分を追い続けていて良かったね。

(伊佐さんに撮ってもらえて泣きながら笑ってる)


「小さいころは神さまがいて、ふしぎに夢をかなえてくれた」と有名な歌手はうたっていた。

大人になったわたしたちに’ふしぎ’はおこらないけれど、あの日はまちがいなく神さまがくれたプレゼントだったんだ。

まだ何者でもないわたしから、近いみらいに何者かになったわたしへ。
ね、負けずに頑張ってよかったでしょ?
と言えるように、今日も、今日とて、上を向いて歩こうね。


読んで頂いてありがとうございます。サポートして頂いた費用は、次の旅への資金にさせていただきます。広い世界の泣けるほど美しい景色や、あふれ出ることばを伝えたい。