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今日もどこかで、きっと

その日わたしは、確かにそこに導かれて、確かにそこにいた。ハワイで買ったお気に入りのサンダルを大切にしまって、その代わりにカーデガンをしぶしぶ取り出す9月。
まだ少しでも、だいすきなあの季節を追いかけていたくて、わたしは必死に抵抗していた。サンダルはまだ、しまわない。カーディガンも、取り出さない。
いっそのこと、どこまでも熱気が広がる街に溶け込んでしまえばと、思ったのを覚えている。

向かう先は、やっぱり大きな海の向こう。「面積が東京23区と同じくらい小さく、赤道に近い東南アジアの国はどこでしょう」なんて小学校のテストで何度も見た、あの国。訪れるのは初めてだった。

世界一綺麗な空港とも言われるチャンギ空港に無事降り立つと、どうしようもないワクワク感が広がっていく。「はじめて」はいつだって楽しい。

新たな冒険が始まるようだから。

どうしてか、何度海を越えたってパッキングが得意ではなくて。頭に思い浮かんだものが勝手に荷造りされればいいのに、と秘密道具を扱う、あの国民的アニメのキャラクターに頼りたくなるのは毎度のこと。
だから必然と荷物はとても少ない。(旅人レベルが上がれば、少しはパッキングも得意になるのだろうけど。)
結局のところ、パスポートとスマホ、カード類だけ揃えて、あとはまあ適当でいいか、となってしまう。
荷物が軽ければ、こころまで軽く感じるのは、きっと気のせいではない。日本だけで生きていくには、わたし達はあまりにも多くを抱えすぎているのだと思う。

いつだったかのnoteには、導かれていない旅の話を綴った気がするけれど、今回は本当にシンガポールに「呼ばれた」。 そんな時は必ず何か起こるのだ。さあ、この旅はどんなものになるだろう。

それじゃあちょっと、旅しに行ってくる。

読んで頂いてありがとうございます。サポートして頂いた費用は、次の旅への資金にさせていただきます。広い世界の泣けるほど美しい景色や、あふれ出ることばを伝えたい。