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#14 山中柚乃選手の5日間(2023年織田記念、GGN5000m雑感)

こんにちは。
久々にnoteを書きたくなったので、書きます。

先日、2023年4月29日(祝・土)に広島市にあるエディオンスタジアムで開催された日本グランプリシリーズ 広島大会第57回織田幹雄記念国際陸上競技大会(織田記念)を現地で観戦してきました。

お目当ての選手は、女子5000mに出場した愛媛銀行の山中柚乃(愛称やまゆの)選手。

今年の山中選手は、専門種目の3000m障害は出場せずに、1500m、5000m、10000mと幅広いジャンルのトラックレースに参戦して、スピードとスタミナを強化していく方向です。

そして、トラックレースで力をつけたスピードとスタミナを武器に、来年のパリオリンピックの3000m障害での活躍を目指す過程で、日本記録(9分33秒)の更新や参加標準記録(9分23秒)の突破を目指す予定、とのことです。

織田記念、山中選手は大雨で今シーズン初の5000mということもあり、総合30位 16分12秒80でした。

力走するゼッケン30番 山中柚乃選手

実は、山中選手は、3月の日本陸連が発表しているメッセージで、「今回の日本選手権は1500mと5000mに出場予定です」とはっきりと伝えています。

実は、日本選手権5000mに出場するためには、特定の期間に15分40秒を切るタイムで走らなければいけません。

山中選手の5000mの自己ベストは、15分46秒。

つまり、山中選手は、まだ、日本選手権の参加資格がない5000mにも「必ず出場資格を取る!」と強い気持ちをもって、この日本陸連のメッセージを伝えているわけです。

山中選手の5000m出場予定レースで、日本選手権の参加資格を取得できるレースは公式発表をみる限り、①織田記念(4月29日)②ゴールデンゲームズinのべおか(5月4日)③関西実業団陸上(5月14日)の3つになります。

織田記念が5000mのレースとしては、2021年12月の西京極でのレース以来、約1年半弱ぶりのレースになります。さすがに、織田記念にピークをもってくることは考えづらいと思いました。

そうなると、②ゴールデンゲームズinのべおか(5月4日)③関西実業団陸上(5月14日)のどちらかで、15分40秒切りを狙ってくると予想していました。

織田記念でも始めの3キロくらいまでは、1キロ3分8~9秒くらいで走ることができていました。それ以降は、まだ、本調子でなかったのか、久々の5000mのレースで微妙な歯車が狂ったのかわかりませんが、徐々に失速していきました。

上記の山中選手の織田記念での反省材料として
➀「レースで力が発揮できない勝負弱さ」 
②「レースを迎えるまでのプロセス」

のことをあげていました。

そんな中、中4日で迎えたゴールデンゲームズinのべおか(GGN)女子5000mBのレース

山中選手は終始強気の走りで、途中から完全に後続を突き放した単独走トップで、15分33秒42と無事に日本選手権標準記録を突破しました。これで5000mも日本選手権への出場資格を得ることはできました。

5日前の織田記念の時から約40秒、自己ベストも約13秒更新しました。
素晴らしいレースでした。

私は、ゴールデンゲームズinのべおかはYoutubeで生観戦をしていました。半周約37~38秒、1週約75秒のペースをきちんと刻んでいく山中選手の走りをみて、思わずノートに200mごとの予想タイムを書き込みながら山中選手を応援していました。

15分1秒の部分は14分57秒くらいで突破しています。

予想設定タイムと同じタイム、そして、最後の2週くらいは、設定タイムよりも速いペース山中選手が通過するたびに「よっしゃー」「クリア」「オッケー」と、気づいたらYotubeに向かって叫びながら観戦していました。

ゴールデンゲームズinのべおかのレース前、もちろん山中選手が15分40秒を切ってくれることを心から願っていましたし、【必ずやってくれる】と信じていました。(ファンが信じなくてどうする、という話です)

ただ、その一方で「織田記念から中4日のレース。織田記念からいきなり30秒以上もタイムを縮めることって、いくらオリンピアンの山中選手でも可能なものなのか? 途中で失速しないか?」という心配をしていなかったかといえば嘘になります。大いに心配していました。

しかし、ゴールデンゲームズinのべおかのレースでは最後まで全く疲れた表情を見せず、フォームもくずれず、大きなストライドのまま走り切った山中選手は、私が現地観戦した5日前の山中選手とは完全に別人のようでした。山中選手の走りにとても頼もしさを感じました。

最近、年なのか、スポーツをみて感情を爆発する機会がほとんどなくなりました。しかし、今回の山中選手のレース中やレース終了後には、久々に感情を爆発させてしまいました(笑)。

だから、あえて言いたいわけですよ。

4月30日~5月4日までの、5日間(中4日)、一体山中選手に何がおこったのか?

と。
三苫の1ミリ、源田の1ミリ、古い話ですと、江夏の21球、森福の11球とあわせて、私は言いたい、「山中の5日間」と。

不思議です。この5日間で、山中選手に一体何があったのか?

プロ野球の先発ピッチャーであれば、打ち込まれた後、中4日で次の登板時に素晴らしいピッチングをすることはよくある話です。

山中選手が織田記念終了後、「レースを迎えるまでのプロセス」を丁寧に見直したのだと思います。
その結果、ゴールデンゲームズinのべおかではピークをあわせられたのでしょう。

それでも、不思議なんですよね、今でも。
だから、noteにどうしても書き残したくて書きました。

今回、短期間で修正できたことで、山中選手は調整能力が極めて高いことを証明しました。

そんな山中柚乃選手の今後のレースもますます楽しみになってきました。

いつか、山中選手ご本人の口から、この5日間の調整について明かしてくれることがあったら、面白いな、と思います。

ちなみに、山中選手のレース直後のインスタのストーリーは、レース結果よりも先に、レース後の夕食時に食べただろう宮崎名物のタルタルソースがたっぷりかかったチキン南蛮がアップされていました。

会心のレース後に食べたチキン南蛮、さぞかしおいしかったのだと思います(笑)。



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