カメラマンが"めんどくさい"と思ったら、すべて終わりだ。
さいきん、"めんどくさい"と思うことが数年前と比べて増えた。
駅で階段を使うのがめんどくさい。体調管理するのがめんどくさい。写真の編集がめんどくさい。etcetc...
30歳が目前に迫ったいま、エネルギーがどんどん低下しているのか。それとも、新たな環境に行くストレスをなるべく減らそうとする自然なメカニズムなのかわからない。
ただ、「これはいかんな…」と気づかせてくれる出来事が数日前に起きた。
その日、友人の1人が「彼氏と別れてしまった」と、僕や他の友人を前にして、ボロボロ泣いていた。
僕はもともと人付き合いが良いタイプではない。
例えば、誰と誰が付き合ったとか、別れたって話は、ほんとに興味がない。言い方がひどいけど。
そんなわけで、最初は「めんどくさい」と思いつつ別れ話を聞いていたんだけど、だんだん一年前に彼女と同棲を解消したときの感覚が蘇ってきて、人ごとではなくなった。
「そういや彼女の前で、臆面もなく号泣したなぁ…」なんて考えてたら、僕まで悲しくなってくる。そうだよな、辛いよな。大好きな彼氏と別れたらそりゃ泣くよな。
そこでふと気がついた。
きっと、カメラマンがいい写真を撮ろうと思うなら、この「共感」をバカにしてはいけないのだ。
身の回りの人びとがなぜ笑い、泣き、何に悩んで日々を過ごしているのか、理解しないといけないのだ。
「めんどくさい」と思うのは、「共感する力」が減っているからだ。
カメラマンは日々、他人に流れる感情を知っていなければならない。さらに、相手の感情を受け止め、理解するための教養や経験も。
悲しい表情のモデルさんを撮ろうとしたときに、「悲しい」という感情を理解していないカメラマンにいい写真はきっと撮れない。
感情が伴っていない写真はきっと表面的で、カメラマンは日々貪欲に、感情と経験を吸収していかないといけない。
カメラマンが”めんどくさい”と思ったら、すべて終わりだ。
そんな、とても大切なことに気づかせてくれた友人にとても感謝しています。ありがとう。
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