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メモの魔力/前田裕二

はじめに

  • 本書は著者の前田裕二氏が人生のなかで身に着けてきたメモの方法の話から、メモをすることがいかに重要であり、メモをすることにより、自分を知り人生がより良い方向に変わるということを書かれている本です。

  • 各章ごとに自分が気になった個所を中心に書かせていただきます。

第1章 メモで日常をアイディアに変える

  • 記録ではなく知的生産のためにメモを使う

一般的には、メモはその情報自体を記録するために行われているが、著者は、知的生産のため、新しいアイディアや付加価値を自ら生み出すための手段として使ってほしいと述べている。理由としては、ただ情報を記録することはコンピューターで代替可能なため、人間にしかできない、「知的生産」の部分に集中してほしいから。

  • メモによって鍛えられる5つのスキル

メモによって、
①アイディアを生み出せるようになる
②情報を素通りしなくなる
③相手のより深い話を引きだせる
④話の骨組みがわかるようになる
⑤曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる
の5つのスキルが鍛えらると著者は述べています。

  • 「ファクト」→「抽象化」→「転用」

著者はメモの取り方について、自分が見聞きした「ファクト」の情報をそのファクトでの気づきなどを抽象化し、自分に取り入れることが可能なアクションに転用する というメモの取りかたが大切だと述べている。

第2章 メモで思考を深める

  • 抽象化は人間に与えられた最強の武器である

抽象化と聞くと難しく聞こえるが、みな誰しもがやっていること。
例:空から降ってくる無数の水⇒「雨」と呼ぶこと
 :好きな子と出かけること⇒友達と出かけてくると言い換えること
 :複数の現象から規則性を見つけ、名前を付けること
この抽象化により、無数の発明が生まれてきている。

  • 抽象化の3類型

抽象化には①what型②how型③why型の3つがある。
①空から降る無数の水⇒雨と名付けること
②ポケモンではタイプごとに仕掛ける技を変えることで効果的な場面がある
 →これを抽象化すると、「相手によって攻撃を変える」
 →これを転用すると、「就活の面接でも相手の性格によって方法を変える
  べき」
③問として「なぜこの映画が売れたのか」について、その「ファクト」から特徴や理由などを抽象化し、転用する。
この中でも③why型が重要である。

  • 抽象化とは本質を考えること

抽象化とは、具体的な事象の本質を考えることであると著者は述べています。本質がわかることにより、その後の自分のアクションへの「転用」ができるというわけです。
★本質をとらえる⇒汎用性が生まれる⇒自分のアクションに転用できる

  • 言語化のうまい人に共通する2大条件

what型の抽象化はいわば「言語化」である。
その言語化能力が高い人は
①抽象化能力が高いこと
②中小的な概念に名前を付ける能力が高いこと
の特徴がある。

第3章 メモで自分を知る

  • 個の時代においては「オタク」が最強 

これからの時代は、「個」の力が重要である。何かに熱狂している「オタク」のような好きで好きでたまらないことがあることが大切だと著者は述べています。ですが、単純にその物事を詳しく知っているだけではなく、その過程で身に着けた独特の視点やセンスもまた重要になってくると述べています。ただ、自分は何が好きかわからない、熱中できるものがわからないというという人が多数だと思います。そのため著者は「自己分析」が大切と述べています。

  • 実際に自己分析ノートを書いてみる

この自己分析に関しても、質問に対し、ファクト⇒抽象化⇒転用 の方法が大切である。

  • 自分のコアにたどりつくまでやりきる

やりたいことが見つからない原因は、コアにたどりつくまで自己分析をしていないから。少なくとも、この本に記載の100問だけでも真剣にやれば、ヒントのようなものが見つかる可能性がある。

第4章 メモで夢をかなえる

  • 言語化で夢は現実になる

マインドシェア、言霊の観点から説明できると著者は述べている。
マインドシェアとは、そのものが人の心のうちどの程度占めているかということです。紙に自分の夢を描くことにより、自分の夢が潜在意識に刷り込まれ、マインドシェアが高くなり、より夢を実現しやすくなります。
また、言霊の観点では、自分がポジティブな言葉や夢を語ることで、周りから良い反応があったという筆者の体験から説明がありました。

  • 考え得るすべての夢を書き出してみる

夢を言葉やノートに書くことで、夢の実現性が高くなることから、生涯でやりたいことをすべてリストアップすることをやろうと筆者は述べており、その際の注意点として、「終わり」を意識することが大切です。(例えば、人生の終わりまでにこれだけはやっておきたいなど)

  • 夢に優先度をつける

上記ですべてリストアップしたら、夢に優先順位をつけましょう。自分の中でSランク(何が何でもやりたい)を付けられる夢をあぶりだすことが大切だと著者は述べています。

  • 取るべき行動の細分化

Sランクを付けた夢を実現するために取る行動の細分化を行い、自分が今日何をするのかを具体的に決め、スケジュールに落としこんでいくことが大切。ただ、もし自分には具体的に成し遂げたい夢がない場合については、それ自体を知ることができただけでも収穫であり、そこからいろいろな人にあったり、様々な経験をすることで対処できると著者は述べています。

第5章 メモは生き方である

  • メモの本質はノウハウではなく、姿勢

ここまで、メモのノウハウを述べてきたが、メモを取るうえで大切なのは、「とにかく書くこと」だと述べてます。まずはメモのできる環境、を整えひたすら書くことが大切です。

  • メモを習慣化するためのコツ

「努力」→「習慣」にするためには、持っているだけでテンションが上がるようなノートやメモ帳を準備することです。自分の心が上がる文具を買うことが費用対効果の高い投資だと述べていました。

おわりに

  • 感想

本書は、メモやノートの取り方についてだけでなく、自分の夢をかなえるための方法や自己分析についても書かれており、幅広い方にとって非常に参考になる本だと思います。メモやノートの取り方について学べたことはもちろんですが、特に自分の心に残ったのは、「抽象化が人間に与えられた最強の武器」という言葉です。これからの時代、AIの台頭により、単純作業による仕事は少しずつ代替されていくことが言われています。そんな中、人間が人間であるために、自分が自分であるためには、AIにとって代われないことを行っていく必要があると感じました。メモが習慣になるよう、毎日頑張っていきたいと思います。


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