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ふりがなプログラミングと言語としてのプログラミング 『ふりがなプログラミングシリーズ』

「ふりがな」は、学習にどんな効果をもたらすのだろうか。

「スラスラ読める」JavaScript ふりがなプログラミングを読んでみるとそんなことを考えてしまいます。

ふりがなプログラミングシリーズは2019年4月16日時点で、JavaScript、Python、Excel VBA、Unity C#、Ruby(on Rails)と、5種類のプログラミング言語に対して出版されています。

ふりがなは学びにどんな影響があるのだろう。そんなことで、3つの観点からふりがなを考えてみました。

1.ふりがなつきの文章

小学校ではだいたい小学1年生の後半くらいから漢字を学ぶ。幼稚園の時点で既に偏った教育をさせられ、漢字を覚えている子もいれば、日常的に触れている漢字で読み方を知っているという子どもがいるくらいです。

小学校中学年ぐらいまでは、ふりがなのついている本を読んだり、教科書やその他学習のための資料にもふりがなはつきものです。

ふりがなが漢字につくことによってその漢字自体を「読む」ことを簡単にします。読めるということは、読むことができる文章・物語の幅は大きく広がっていきます。

漢字にふりがなをするということは、漢字自体の学習というよりも、漢字によるバリアをなくして、読める文章のバリエーションを広げ、世界を広げるために役立つでしょう。

2.漢字のふりがなと漢字の学習

漢字にふりがなをすることは漢字自体の学習にどのような影響を与えるでしょうか。これは、音読みと訓読みの場合に違った効果を発揮しそうです。

*訓読みの場合

訓読みは日本でつけられた読み方である場合が多いです。訓読みのふりがながついている場合には、「意味」と「ふりがな」が直結しているため、知るための役に立ちます。

*音読みの場合

逆に、音読みは漢字のルーツ、中国から来た読み方である場合が多いです。特に「熟語」になっている場合には音読みである場合がほとんどで、音読みから「意味」を推測することは困難です。

上記のように考えれば、例えば「知恵」というものにただ音読みで(ちえ)というふりがなが降ってあるだけではその意味を「推測」するために全く役に立ちませんが、知る(しる)、恵(めぐみ)というそれぞれの漢字の訓読みがわかれば熟語の意味が立ち現れてきます。

ということで、それぞれの効果は違いそうなので、意味との結びつきがどの程度あるか、注意する必要性がありそうです。

3.ふりがなプログラミングは「意味」か「読み」か

ここで、ふりがなプログラミングの内容を見ていくと下記のようになっています。例えば変数宣言では、

let kakaku = 150;

というコードは下記のように変換されています。

let(新規作成) kakaku(変数kakaku)=(入れろ)150(数値150);

ふりがなプログラミングでは基本的に「読み」というよりも「意味」を打ち出しています。

この内容を加味すると、学習をする対象者は「ある程度日本語に流暢なプログラミングを学ぶ意欲のある大人」が対象とされているように思えます。

例えば、子どもの目になって考えてみると

「新規作成」
「変数」
「数値」

この3つの数値の意味を理解することが難しいです。

すらすら大人には読めるものの、きっと子どもにはもっとわかりやすいもの、例えば「kakakuに150の値を保存する。」という日本語の語順になるようなプログラミング言語でなければ、「読む」ことと「意味を知る」ことの二つの機能を要求する言語の学習には足りないのかもしれません。

過去にはたくさんの日本語プログラミング言語がありましたが、大体がもう殆ど使われていません。(かくいう私も学生時代「ことだま」という言語を使いました)

機械語のことを考えると実はスタックを多く使う必要なく処理を行うことができるので、計算は激速のはずなんですが、やはり日本語ということでユーザーが少ないこともありブレイクしないところもあります。

プログラミング言語を学ぶときのハードルはやはり「意味」「読み」「語順」の3つだということを改めて感じました。

ただ続けることを目的に、毎日更新しております。日々の実践、研究をわかりやすくお伝えできるよう努力します。