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『マックイーン:モードの反逆児』

天才と言われ、ジバンシイやグッチのデザイナーを務めつつ、自身のブランドをハイブランドに立ち上げ、2010年に40歳の若さで命を絶ったアレキサンダー・マックイーン。
反逆児と称された劇的な人生を描いたドキュメンタリー。観てよかった。

正式なデザイナー教育を受けず、一介の職人見習いから業界に入った彼が、どこようなひとたちと出会い、次々と場所を変えながらステップアップしていったか、
そして天才と呼ばれながら、深めていった孤独を、豊富なプライベート映像や伝説のショウの見どころを贅沢にみせてくれる。

スカルと羽に代表される彼のモードやファッションは、「英国ファッション界のバットボーイ」と呼ばれながら、美と破壊を繰り返し、センセーショナルなコレクションのショーで話題を呼んだ。

ショーの最後に、当時スキャンダルにまみれていたケイト・モスを幻想的なドレスを纏ってホログラムで登場させた2006年A/Wコレクション“カロデンの未亡人”、
マックイーンが唯一「ショーで自分が泣いてしまった」という1999 S/Sの”#13”。
ショーの最後に真っ白いドレスを着たモデルが、音楽と共に中央の回転するステージでゆっくり踊り始める。すると、それまでずっと動かなかった左右のロボットが、モデルとダンスするように動きはじ、黒とイエローのインクで真っ白いドレスを染めていく。
この世とも思えない、美しく、残酷で、それていて上品な舞踏。鳥肌が立つ。

貧しかったが狂乱と自由で仲間たちとバカ騒ぎを重ねていた90年代を経て、成功を重ね経済的にも豊かになるにつれ、孤独を強め、ドラッグに溺れ、自分を追いつめていくのが痛々しく。
やがて、彼を見出したスタイリストのイザベラ・ブロウの死、そして、もっとも愛していた母親の死をもって、自分の命を絶つこときなる、まさに革命児の生涯。
実にインスパイアされた。
興味のある人はぜひ。

#マックイーン #アレキサンダーマックイーン #mcqueen #ALEXANDER McQUEEN

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