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日本一のそばの町、幌加内町の小さな農業高校から

日本一であることが全てではないですが、
何かの一番であることは、誇りである上に、もっと色んな日本一が世の中に知られても良いんじゃないかと思ったりします。

北海道幌加内町

そばの作付面積、生産量共に日本一の
「そばの町」。

人口は1200人。
人口密度は、日本で3番目に低い。
公式ではありせんが、最低記録が-41.2度と極寒な町。

思わず息をのむ美しい冬の日
真っ白なそば畑

北海道の中でも「陸の孤島」と思わず読んでしまう、
コンビニまで車で1時間もかかるような、静かな、小さな町に

幌加内高等学校

という、全校生徒が40人そこそこの農業科の高校があります。

私は7年前、幌加内高校を卒業しました。

日本一のそばの町ならでは、
「そば」の授業が必修科目で、「素人そば打ち段位」の初段を取得しなければ、卒業できません。

地元のテレビ番組の取材。

生徒全員が「そば」を打てるようになり卒業します。
卒業後は、進学の他、そば屋に就職する人もちらほら。

私も幌加内高校でそば打ちができるようになったひとりです

当時は、「そばが打てないと卒業できない」のですから、「そばを打つことが当たり前」。生徒も特別なことに感じていません。

幌加内高校は、町外出身の生徒が8割を超えます。
3年間寮生活を送り、卒業後はほとんどが町を出てしまいます。

中3の頃、塾の先生に
「農業高校行きたいの?親が泣くよ」と言われたことを数年ぶりに唐突に思い出しました。

結果私は一度普通高校に進学することになるのですが、
周りにいる大人の些細な一言によって簡単に可能性が消え去ります。

これは決して塾の先生を憎んでいるわけでなく。

塾の先生は、偏差値でしか人を判断できなかった人。
私が進学した幌加内高校で出会った先生、町の方々は、人として見てくれた人。

もちろん学力の指導もしていただいたので、大学進学が叶いました。
ただ、周りの大人がどういった態度を取るかで今後の人生って変わるんだと身をもって経験しました。

いつも切実に思うことは、
周りの方々が可能性を信じてくれるかで、向く方向があまりにも変わること。

人口1200人の町に、農業高校がある、
日本で唯一の科目「そば」があるって、結構奇跡的です。

ずっと、母校があり続けて欲しい。
できることなら、母校と仕事がしたい。

今年度、早速第一歩がスタートしました。

“そばから新しい特産品をつくる”

外部連携し取り組み、将来的に地域が潤うような仕組みづくりをしたい。
そのためには、商品が必要です。
ただ、外の企業が勝手につくるのではなく、
“町の中にある高校と、町の事業者さんと共に課題向き合い形をつくる”。

物が溢れかえる今の世界で、限りある資源に大切に向き合うために、
つくる過程までをも大切にすることに大きな意味を感じています。

高校卒業生の私が、現役高校生と共に、
町内事業者+町外企業を繋ぎ合わせ
同じ「そば」に向き合う。

「こんなことが実現できたら良いな〜」と思っていたことをきっかけとし、町の方々が20名弱集まり、アイデア出しをしました。

これらのアイデアを実現させるため、高校生を中心とするプロジェクトチームを発足させ、形とコトづくりをしていきます。

乞うご期待です。

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