【映画】「グリーンマイル」

トム・ハンクス主演の「グリーンマイル(The Green Mile)」(1999年・米)。

3時間超えの長い映画だなぁと思ったら、原作はスティーブン・キングの小説だった。

監督は、「ショーシャンクの空に」のフランク・ダラボン。同じ刑務所ものじゃんか。

1930年代のアメリカの刑務所・死刑囚監房における死刑囚と看守の交流を描いたヒューマンドラマだろうと思ったら、交流には違いないけど、スティーブン・キングらしい、不思議な超能力を持つデカい黒人の死刑囚が活躍する面白いドラマだった。

スピルバーグは「途中で堪えきれずに、4回号泣してしまった」とコメントしたそうで、長いけど盛り上がりがいっぱいあって退屈しなかった。

主人公のポール(トム・ハンクス)が、入ってる老人ホームで、友人に、60年以上も前に看守だった頃の体験を話すという形で進む。

1930年代(大恐慌時代)は、アメリカの刑務所では死刑に電気椅子が使われ、しかも、関係者含め目の前で執行を見物できた時代。

もう1人の主人公、少女2人を暴行し殺害した罪で入って来た死刑囚、めっちゃ目立つ2メートルもある筋肉隆々の黒人(ボブ・サップみたい)で、現場にいて怪しければ、即犯人とされた時代だから、当然、彼も冤罪。

でも、彼ジョン・コーフィは、触っただけで看守主任のポールの尿路感染症を治し、長生きする力を与え、所長の妻の難病も治し、同じ死刑囚が可愛がってたネズミを生き返らせ、悪いサイコパスの看守を懲らしめ真犯人を撃たせて…超能力で次々と奇跡を起こす。

無実を訴えることなく、「世界中で、今も愛を騙って人が殺されている。毎日のように、世界中の苦しみを感じたり聞いたりすることに疲れた。醜い行いをする人間にも疲れた」と死刑を受け入れ、ポールの手で処刑される。ポールと看守仲間が脱獄させようとしても。

ホラーのように超能力という奇跡の力を出してきた(描写がエグい)けど、人間性溢れるヒューマンドラマとしての完成度は高いと思う。

ジョン・コーフィは、他人の罪を背負って死に赴くなんて、やはりキリスト教圏の映画で、ポールはコーフィを処刑して、神の力(超能力)を殺してしまったと過去を悔やみながら、108歳になってもまだ健康的に生きているという、ある種、贖罪の現れでもあろう。

ちなみに、電気ショックによる死刑はけっこう残酷だね。死に至るまで時間がかかるようだし。今だったら死刑囚の人権は…なんて言われそうだ。そういう話をすると、必ず被害者のことを思えば、苦しんで当たり前だ、なんて定番のように批判されるけど、お前がなぜ被害者のことがわかるのだ?ってことだ。
近代刑法は報復ではなく、教育刑であることと、死刑の存続と凶悪犯罪発生率に関係はないこと、今の死刑は秘密裏に行われ、制度そのものが被害者のためになってない、の3つの理由で、俺は死刑には反対の立場である。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。