【古典映画】「誰が為に鐘は鳴る」

100円DVD。1943年のアメリカ古典映画「誰が為に鐘は鳴る(For Whom the Bell Tolls)」(サム・ウッド監督)。

原作は、アーネスト・ヘミングウェイの、単身スペインに渡り、フランコ政権に対する抵抗運動に身を投じた体験を元にした小説。

スペイン動乱の中での、イングリッド・バーグマン演じる、ファシストに両親を殺された美少女マリアと、ゲイリー・クーパー演じる、アメリカ人の義勇兵・ロベルトの激しい恋の悲劇だな。

中央政府の軍事輸送を阻止するために、鉄橋の爆破を計画する作戦に参加するロベルトは、村のジプシー達ゲリラに協力を求めるが、そこで彼は19歳の美しい娘マリアと出会う。2人はお互いに激しく惹かれ合い、愛し合うことになるが、鉄橋爆破作戦の後に悲劇が待ち受けていた…。

会った瞬間から、言葉を交わす前にジロジロと見つめ合い、お互いを意識する2人。確かに、むさい連中の中に、ゲリラには似つかわしくない都会風の美しい娘がいれば、目で追っちゃうものだけど、意外とマリアが積極的。

イングリッド・バーグマンって、ホントにキレイだね。少年のような短髪でも魅力は変わらず。

ファシストに髪を剃られて暴行を受けたマリアだが、自分の意思でキスをするのは初めてで、「キスの時、鼻が当たらないようにするにはどうすればいいの?」とロベルトに問い、彼は「こうするのさ」と、マリアを抱いて顔を横に向けて激しくキスをする。

それから、常にロベルトのことを考えて、どこにいても彼を追い、甲斐甲斐しく世話を焼く。

ヘミングウェイに、断髪して、この役をどうしてもやりたいと直訴したというバーグマンにピッタリの役柄かもしれない。

しかし、こういう激しい恋は絶対に長くは続かないもので、作戦は成功したものの、最後、逃げる途中、脚に怪我を負って動けなくなったロベルトは、マリアに「いつも君の心の中に一緒にいるから大丈夫」と告げて、マリアを他の仲間に託すと、独り残って政府軍に機関銃を向ける。馬に乗せられた、泣き叫ぶマリアは離れて行く。ウルウル来る悲しいラストだねぇ。

ジプシーの山賊のボス、パブロは、ロベルトに協力しなかったり、日頃から酔って絡んだり、逃げ出したり、裏切ろうとしたり、仲間を殺したりするが、結局、最後までロベルトと行動を共にし、生き残る。やっぱり悪は強いものだな。

そのカミさん、ピラーはパブロからリーダーの座を奪う、気っ風の良い、まさに女傑だ。

戦争スペクタクルと恋のロマンス、古き良きハリウッド映画ってところか。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。