【古典邦画】「すべてが狂ってる」

鈴木清順監督の、1960年製作の作品「すべてが狂ってる」。Amazonプライムにて。

高校生不良グループの少年の、無軌道で破滅的な青春を描く。チョイ役で、当時15歳のカワイイ吉永小百合さんが出てる。

戦争で夫を亡くした母親と、母親を助ける男との関係が許せなくて、自暴自棄な行動に走ってしまうという、不良にありがちな環境のマザコン少年。
恐喝や盗み、車泥棒をやって、カフェに集まり、それを自慢する不良たち。
そこに大人たちが絡んで来るけど、大人を一切信用しない少年は、ガールフレンドの忠告も聞かずに、盗んだ車をぶっ飛ばして、トラックに突っ込む…。

母親の恋仲の男への憎しみと肉体関係を持った女への歪んだ思い、大人に成りきれない童貞(ぢゃないけど)少年が破滅に走るパターンってのは昔っから似たようなものなんだね。犠牲になったガールフレンドが可哀想だな。

穢れを知らぬ純な存在として小百合さんが使われているのか。

若輩者の純粋な気持ちとカッコを付けるとんがった無軌道ぶり、大人への幼い反抗、そして、結果、目の前に現れる死、定番かもしれないが、鈴木清順監督の不良の美学が垣間見れるかも。

坂本九がjazzをやってるんだね。60年代の若者を魅了した文化を見ることができる。

「現代では、人間の間に善意の通じる場所がない。すべてが狂っているんだ」。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。