見出し画像

「マッドライダー」

B級どころかZ級くらいのクオリティーである、「マッドマックス2」の思いっきりパクリムービー、「マッドライダー(MAD RIDER/EXTERMINATORS OF THE YEAR 3000/GLI STERMINATORI DELL'ANNO 3000)」(83年、ジュリアーノ・カルニメーノ監督)を楽しんで観た。やっぱりパクリ大好きイタリア(撮影はスペイン)の作品、マカロニ・バイオレンス・アクションで、一部でカルト的人気を誇ってるという。

核戦争後の西暦3000年の未来の地球、オゾン層が破壊されたことで地上の水が干上がっていく世界で、水を求めて、エイリアンと呼ばれる一匹狼の男と少年トミー、極悪暴走集団クレイジー・ブル、女戦士トラッシュらが死闘を繰り広げるデストピア的近未来アクション大作だ!

…といえばカッチョいいが、要するに「マッドマックス2」の設定を石油から水に変えただけなのである。登場人物も、マックスのようなエイリアンから、2に出てくるヒューマンガス、ウェズなど、そっくりのキャラクターが出てきて、「マッドマックス2」をよく知ってれば、「ああ、もしや、ここでこうなるんじゃないか」と予想したら、その通りの展開になり笑っちゃう。こんなに潔くパクってると画面から目が離せなくなる。

ストーリーも、水だけ欲してガソリンはどうなの?最初に出てきた警官はなに?少年の義手の秘密は?巨大施設の顔の爛れた謎の集団はなに?最後に恵みの雨が降るがコミューンの連中は?と粗を探せばキリがない。パチモノ感、チープ感、突っ込みどころ満載だ。

例えば、革ジャンの鋲、スタッズ。鋭いトンがったモノがカッコいいし、イメージに合うと思うのだが、丸っこいリベットみたいなモノで、どう見ても80年代のヘビメタみたいな、クールじゃない、ダサい感じでズッコケるのだ。

もちろん高名な監督の完成度の高い名作も素晴らしいが、こういうB級以下の映画も大好きだ。低予算だったり、パクリだったり、安易な発想だったり、技術が足りなかったり、単なる金儲けのためだったりするが、時に全編から滲み出てしまう監督の純粋な映画への「偏愛」を感じることができるからだ。エド・ウッドみたいに。大作と違って観る方も安心して鑑賞できる。でも、クズ作品はどう観てもやっぱりクズであるから、芸術的価値が高いとは思わないけどね。

画像1

画像2

画像3

画像4


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。