【古典映画】「淑女は何を忘れたか」

まだ観てない映画があった!小津安二郎監督作品。YouTubeで見つけた。1937年(昭和12年)の「淑女は何を忘れたか」。

東京・山の手の高級住宅地を舞台にした、軽快なコメディ・タッチのドラマ喜劇だった。脚本の「ゼームス槇」ってのは小津安のことだね。

大学教授の小宮の家に、大阪から姪の節子が遊びに来る。
週末に、小宮の妻の時子は、友人と芝居見物に行きたいために、夫を無理矢理、ゴルフに行かせる。
小宮はゴルフに行きたくないので、ゴルフ道具を助手に預けて、行くフリをして銀座へ行き、節子と芸者遊びに行く。
小宮は楽しんで帰ったが、時子にゴルフに行ったとウソをついていたことがバレてしまい、時子は憤慨する。
節子は時子に弱い小宮を非難する。
ウソをついたことにいつまでも怒ってる時子を、小宮は感情的になって平手打ちをしてしまう。
ビックリした時子だったが、小宮は謝り、節子も自分の行動を謝罪したため、自分の勝手だったことを反省する…。

小宮が思わず放った一発が、意外と功を奏したということだが、それを機に、夫婦の会話が増えて円満と至ったわけだ。

小宮に打たれたその日の夜、時子は小宮の側を離れず、コーヒーを淹れて、夫に触れて、優しく可愛く甘えるような声でシナを作って夫に話しかける。「ねぇ、あなた…」。小宮はオドオドするばかりだが、コレは…誘ってるのだろうね。

普段は不甲斐ない夫の、男らしい一面を見て、女がくすぐられたのだろうか。見てて爆笑しちゃったよ。

戦争前の古い作品だけど、山の手のブルジョア階級は、まだまだ贅沢に豊かに暮らしていたんだねぇ。時子をはじめ、マダム連中の会話がウィットに富んでて面白い。小津安らしさは言うまでもない。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。