【映画】「秘密の儀式」

1968年の映画「秘密の儀式(SECRET CEREMONY)」(米、ジョセフ・ロージー監督)。

エリザベス・テイラーが母役で、ミア・ファローが娘、ロバート・ミッチャムが義理の父の、サイコ・ミステリーとくれば観ないわけにはいかないね。

同じ時期に「ローズマリーの赤ちゃん」にも出てたミア・ファローの不気味な演技がめっちゃ冴える。

自分の不注意で娘を死なせてしまった中年の娼婦であるレオノーラ(エリザベス・テイラー)。
彼女はバスに乗ってる時、不思議な少女チェンチ(ミア・ファロー)と出会う。
チェンチはレオノーラを“マミー”と呼び、自分の豪華な屋敷へと案内する。
そこでレオノーラはチェンチの亡き母にソックリなのを知る。
チェンチはちょっと精神的におかしくて、レオノーラをママと思い込んで、過剰につきまとい甘える。
最初は不気味に思ってたレオノーラだが、いつしかチェンチに、死なせてしまった娘に対するように愛情を感じるようになってしまう…。

ミア・ファローのチェンチが、黙ってレオノーラをジッと見つめる演技や甘える表情などは強烈で素晴らしく狂ってて嬉しくなる。

義理の父親アルバートが、幼いチェンチをオトナの女として扱って、寝たことで激しく精神的に不安定になったようだ。

服の下に人形を入れて妊娠したように振る舞ったり、手間をかけて自分が再度、暴行されたように見せかけたり、それでもアルバートと寝て快楽を貪ったり、未成年の女の子の、心の移り変わり、理解不能な行動ばかりを取る不可解さ、そして、激しい狂気は当時のミア・ファローにピッタリ。

また、アルバートのロバート・ミッチェルが、自分が、幼いチェンチに対して如何に純粋な肉欲を持ってるかを冷たく滔々と説明するところなんて、さすがは「狩人の夜」で狂気の伝道師を演じた彼だけはある。素晴らし過ぎる。

最後は、チェンチは多量の睡眠薬を飲んで自殺、レオノーラはチェンチの葬儀の日、「私からチェンチを奪ったのはアルバート」として、彼をナイフで刺殺するという悲劇で終わる。

結局、娼婦と少女、少女の死んだ母親の情夫の三角関係の話だけど、一流の心理的なサスペンス・ドラマに仕立て上げられている。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。