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フィレンツェ②[2023.2.17]

ミケランジェロ広場からフィレンツェの町並みを眺め、再びアルノ川を渡ってフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅まで向かった。

もう少し見て回っても良いのだが、観光地はどこも人でいっぱいなので、ホテルにチェックインしよう。駅に預けておいたスーツケースを受け取り、Googleマップで地図を確認し、だいたいの感覚で歩き始めた。

フィレンツェの中心部を離れるや否や、歩いていると少し暗い気持ちになった。道がさびれているとか、汚いとか、そういう訳ではないが、どこか寂しさを感じてしまう。逆にフィレンツェの中心部は観光客のために化粧をしているのだと思った。

ゴツゴツした石畳の上を、スーツケースをガタガタと鳴らしながら歩いた。建物と建物の間がかなり狭い。おまけに建物はそびえ立つように高いので、余計に道が狭苦しく感じる。中世の都市とはこんなに息の詰まるものなのだろうか。何が「都市の空気はは自由にする」だ。

このあたりにホテルがあるはずだが、見当たらない。地図が示す限りはホテルの前に来ているのだが、目の前の建物はちっともホテルではない。通りに並ぶ家と同じ作りをしている。

ネットで部屋を予約できたのに、ホテルが見つからないことほど不気味なことはない。途方に暮れて、ホテルがあるはずの一角をもう一周した。やはりホテルは見つからない。

バウチャーを見て住所を確認したが、ここで間違いはない。と、家をよく見るとインターホンではないが、中の人を呼ぶボタンがいくつも付いている。その中には、ホテルの名前のラベルが付いているものもある。

なるほど、ここは複数の施設が入った一つの家なのだ。安心してボタンを押した。反応がない。もう一回押してみた。やはり反応しない。困ったと思って立ちすくんでいると、男の人が出てきた。チェックインしたいのですが、と言うと、フロントの人がいないのだという。自分は昨日から泊まっているが、このホテルはフロントがいたりいなかったりすると言った。男の人は、申し訳ないが何もしてあげられないと言って、建物の中に戻っていった。

困り果てて外で2,30分ほど待っていた。フロントの人は戻ってこない。このままずっと待たされるのだろうか。

すると、さっきの男の人が再び出てきた。担当者に電話をしてくれたみたいだ。安心してお礼を言った。フランス語なまりの英語を話すので、フランスから来たのかと聞くと、コロンビアから来たと答えた。コロンビアではスペイン語が話されている。それでフランス語っぽく聞こえたわけだ。

まもなくフロントの人が帰ってきた。以外にもフロントの担当者は女性だった。こいつが罪人だよ(She is a mn of guilty)!と男の人は女性を指さした。彼女が「結構待った?」と聞くので、「30分ぐらいです」と答えると、じゃあそんなにやね、みたいな返事だったのでずっこけそうになった。時間間隔というのは国によって大きく異なるものである。

部屋に案内された。ドアを開けると、とても素敵な部屋だとすぐに分かった。男の人が「部屋は良いしホテルの評価も高いが、唯一の問題はフロントがいないことだ」と言っていた意味がわかった。

イタリアに来てからずっとピザばかり食べていたので、パスタが食べたい気分だ。Googleマップで調べると、近くにお店があることがわかったので部屋を出た。

そのお店にはそれほど客が入っていなかった。3人の女性がテーブルを囲んで話し込んでいる。水を飲みますか?と聞かれたので、お願いしますと言うと、ガス入り?と言うのでガスなしにしてもらった。イタリアでは炭酸入りの水もよく飲まれているらしい。

先に出されたフォカッチャを食べていると、頼んだボロネーゼが来た。弾力性があってとてもおいしい。イタリアに来てから、食事で失敗したことがない。どれもおいしい。

夕方以降は色々あったが、宿の雰囲気は悪くないし、おいしいボロネーゼも食べられたし、良しとしよう。

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