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インド仏教復興運動に従事されている亀井龍亀上人が宇治市の平等院と京都光明地蔵院を訪問されました

 9月3日と4日は、インド仏教復興運動最高指導者である元インド共和国少数者委員会仏教徒代表・佐々井秀嶺上人の弟子にして側近である亀井龍亀上人に、宇治市で久しぶりにお会いさせていただきました。
 亀井上人は天台宗系単立寺院である朝日山平等院と臨済宗系単立寺院である京都光明地蔵院を訪問されました。
 亀井上人の師である佐々井秀嶺上人は日本の真言宗僧侶でしたが、インドに帰化して仏教復興運動に取り組まれている方です。
 インドでは多数派の宗教であるヒンドゥー教の教義の影響により、カースト制度やカースト外階層であるダリット(旧不可触民)への差別が色濃く残っており、ダリット出身の政治家であったインド共和国初代法務大臣の聖父アンベードカル菩薩がミャンマーの僧侶を導師として集団改宗したことに始まるインド仏教復興運動が起きています。
 一部にはインド仏教復興運動を「インド新仏教」と言われる方がいますが、ミャンマーの伝統仏教の僧侶を導師として改宗したことでも判るように、アンベードカル菩薩の仏教はあくまでもインドにおける仏教の「復興」であって、新しい新興宗教を作られた訳では無いですから、「新仏教」と言ういい方は不適切です。
 そもそも導師がいなくとも五戒を受ければ(五戒と菩薩戒は自誓授戒が可能です)仏教徒として認められるのですが、政治家でもあるアンベードカル菩薩はそれだと仏教徒が当時殆ど存在していなかったインドでは仏教の「復興」とは認識されない、と思ったのでしょう。西暦12世紀に仏教が事実上亡ぼされて以来、仏教が何かも知らない人々も多かったでしょうから、ミャンマーから僧侶を呼んで仏教復興を行おうとされたのだと思います。
 インドでは憲法でカーストによる差別は禁止されましたが、ヒンドゥー教が今でも最大の宗教で、しかも一部の州では改宗禁止法までもが制定されているため、仏教復興が大きく阻害されている状況です。
 さらに、お釈迦様が悟りを啓いだ場所である大菩提寺(ブッダガヤ)の管理委員会は仏教徒とヒンドゥー教徒からそれぞれ4人ずつの委員と委員長であるガヤー県(ブッダガヤのある件)の行政長官との合計9人で構成されており、一見仏教徒とヒンドゥー教徒とを平等に扱っているように見えますが、実はその法律にはもしも行政長官がヒンドゥー教徒でなければ州政府が別のヒンドゥー教徒を委員長にすると言う重大な但し書きが記されているため、仮に民主的にヒンドゥー教徒以外の人物(仏教徒等)がガヤー県の長官に選ばれても管理委員会の委員長には別のヒンドゥー教徒が就任するという信教の自由を保障する近代国家においてはあり得ないような規定があるのです。
 佐々井秀嶺上人はカースト制度の廃止や大菩提寺の返還運動に取り組んでおり、今、この法律の無効確認を求めて裁判を起こしていますが、インドの最高裁は審理すらしない状況です。
 佐々井上人の側近である亀井上人は今回、インド仏教復興運動の現状を伝え支援を呼びかけるために来日されました。
 9月3日は朝日山平等院の神居文彰住職と会談されました。

亀井龍亀上人に平等院鳳凰堂を案内する神居文彰住職

 神居住職もブッダガヤに行かれたことがあると言います。
 平等院についての話も色々と興味深かったのですが、詳細はまたの機会に触れさせていただきます。
 4日の午前中は京都光明地蔵院主管の大熊良樹先生と宇治市内の地蔵を巡り供養されました。

大熊良樹先生から地蔵についての説明を受ける亀井龍亀上人
地蔵にお経を読誦する大熊良樹先生と亀井龍亀上人

 大熊良樹先は臨済宗妙心寺派第31代管長の西片擔雪老師の弟子で、先日逝去された稲盛和夫先生の兄弟子に当たる方です。

 大熊良樹先生については、いのちを守る親の会での活動をnoteや公式サイト、ブログ等でこれまで度々紹介させていただきました。

 大熊良樹先生と亀井龍亀上人は「生命尊重」ということでとても共感されていました。
 4日午後は京都光明地蔵院で亀井上人が講演され、これにはNPO法人日本インド交流協会理事長の岡本幸治大阪国際大学名誉教も参加されました。

大熊良樹先生と亀井龍亀上人、岡本幸治教授

 岡本幸治教授も佐々井秀嶺上人とお会いされたことがあると言います。
 実は私は三人ともとそれぞれ別々にお会いしており、不思議な縁を感じました。

岡本幸治教授と私の2ショット

 講演で亀井上人はインド仏教復興運動の現状と佐々井秀嶺上人の生い立ち、「佐々井秀嶺上人の3つの使命」の内容とその一つである大菩提寺返還運動がどうなっているのか、について触れられました。
 また、インドが経済発展しインターネットを使って仏教徒同士の連携も進んでいる一方、共同体は弱くなりつつあるとの認識を示され、亀井上人自身は「すべては一つである」という考えから人と接するように努めている旨、話されました。
 私も今後もインド仏教復興運動に微力ながら協力させていただきたいと考えております。

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