SaaSビジネスの雄!SmartHR(スマートHR)のマーケティング解説

本日からマーケティング7.0のマガジンを開始します!

マーケティング7.0という言葉には、未来のマーケティング思想・方法論を先取りするためのヒントとなる情報を発信していきたい!という想いを込めています。

株式会社才流(サイル)の代表取締役である栗原さん(@kotakurihara )との共同運営マガジンです。

記念すべき第一回目の投稿は、SaaSビジネスの超注目企業を”本気で”マーケティングトレースしました。

マーケティングトレースの一連の流れを解説するとともに、SaaSビジネスのマーケティングを考える上でヒントとなる情報をまとめています。

はじめに:マーケティングトレースとは?

マーケティングトレースとは、「マーケターの筋トレ」をコンセプトに、マーケティング思考力を鍛えるためのトレーニングとして考案した造語です。

優良企業のマーケティング戦略を要約、言語化、図解することで、成果に繋がるマーケティング戦略・戦術の引き出しを増やすことを狙いとしています。
※MBAのケーススタディをマーケティングに特化して、より日常的かつ実践的な形に落としております。

詳細は黒澤のnoteをご確認ください。

今回の分析企業

今回、分析した企業はSmartHRです。

SmartHRのマーケティングトレースからSaaSビジネスにおけるマーケティング戦略のポイントを解き明かしていきます。

※トレースは、インターネット情報をもとに仮説に基づいて記載しているため、事実と異なる点がある可能性がございます。その点はご了承ください。

なぜSmartHRなのか?

これからSaaS業界が日本でも盛り上がっていくことが予測できます。
そのモデルケースとなる企業のマーケティングトレースをしたい!!とずっと考えていました。

SaaSビジネスのモデルとなる企業=SmartHR!
という話になり、分析を開始しました。

SmartHRは、積極的に自社のマーケティング・営業戦略を公開しているため、トレースする中での学びは大きかったです!
※参考になる記事は文章の一番最後にまとめています。

SmartHR(スマートHR)のマーケティング解説 目次

①SmartHRのマーケティングトレース

ⅰSmartHRの事業・サービス概要
ⅱPEST分析,3C分析で全体像を整理
ⅲsmartHRのマーケティングファネル整理
ⅳ今後の戦略仮説

②SaaSビジネスのマーケティングにおけるポイント

- SaaSビジネスのマーケティング戦略ポイント

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それでは、早速マーケティングトレースを開始していきます!

ⅰSmartHRの事業・サービス概要

マーケティングトレースの方法①
概要をつかむために、会社概要、サービス概要を書き出して整理する。

まずは、SmartHRの事業概要を整理していきます。

サービスカテゴリー:クラウド労務管理ソフト

ビジョン:「テクノロジーと創意工夫で社会構造をハックする」

機能価値:メンドウな労務手続きや、情報管理をラクラク行える

サービスコンセプト:人事・労務を、ラクラクに。

コンバージョンポイント:無料お試し

従業員数:100名弱

ステージ:スタートアップのレイターステージ期

クラウド労務管理の市場という、今までにない市場創造にチャレンジしているのがSmartHRです。

この後に、どのようにマーケティングを行い、新しい価値観を社会・市場に浸透させているのかを分析していきます。

ⅱPEST分析,3C分析で全体像を整理

マーケティングトレースの方法②
テーマ企業のマーケティング戦略を想像するために、基本的なフレームワーク分析を行い仮説をつくります。

今回は、PEST分析、3C分析の2つのフレームワークを活用して分析していきます。

PEST分析

まずは、どんな外部環境がSmartHRのビジネスに影響を与えているかを分析していきます。


市場のマクロ環境を分析するためにPESTから入ります。

政治視点
・政府が生産性向上特別措置法が設置
・働き方改革は政府主導で勧められているが、中小企業には浸透していない現状

経済視点
・日本産業の99%を締める中小企業は日本特有のマーケットとして存在
・医療現場のような生産性を高める必要性が高い企業にとっては、クラウド化、自動化は急務
・労務ソフトのクラウド化比率は国内で1%未満
・生産性改善には資金が流入(VCが積極投資)

参考:freeeが65億円の追加増資、LINE・三菱UFJ銀行と連携強化 | TechCrunch Japan

社会視点
・生産年齢人口が減少していることにより、生産性向上は全ての企業の課題

技術視点
・クラウドサービスの普及
・RPAテクノロジーの普及
参考:【RPAホールディングス】生産性を圧倒的に高めるロボットで日本社会に革命を Vol.2 | Signifiant Style

PEST分析を一言でまとめると、
クラウド労務管理ソフトのニーズは各方面から高くあるということです。
日本のマーケットを考えた時に、SmartHRのサービスはグロースする可能性が非常に高いことが理解できます。

フレームワークで整理するとこのような形です。

3C分析

もう少し具体的な、市場環境分析を3C分析をもとに行います。
3C=顧客、競合、自社の3視点から、競争環境を読み解いていくフレームワークです。

顧客視点(Customer)
・顧客層は生産性向上のニーズがある日本企業全般。
・顧客の規模(従業員数)によって価格設定やマーケティング戦略を変える形。

自社視点(Company)
・独自資源:労務管理クラウドに特化したサービス(UI/UXによる差別化)
・資金調達金額は、全て労務管理クラウドサービスの進化と認知拡大に投資している故の模倣困難性を確立。

競合視点(Competitor)
・クラウド会計ソフトのfreeeが労務分野にも機能を拡張してきており、脅威にあたる可能性があります。※freeeは資金の追加調達も進めており勢いがあります。
 ・OBCは労務管理ソフトの老舗企業。奉行Edge 労務管理クラウドというサービスも行っています。
・中小企業向けのシステム、クラウド開発を行っている「ラクス」が労務管理を効率化するクラウドサービスの開発に着手してきています。
・海外ツール
海外にクラウド型の労務管理サービスを展開している企業はあります。

3C分析を一言でまとめると、
競合が労務に特化していないため、顧客の労務に対する潜在ニーズに応えきれてない状況

そこに対してSmartHRは20億以上の調達金額を一気に投資することでプロダクトの優位性を確立

クラウド労務ソフトの市場シェアを獲得してきた構造
だということがわかります。

海外ツールが脅威になるのではないか?という見方もあると思いますが、労務領域は、「日本独自」の法律、雇用環境、業務オペレーションが強いので、国産ツールが市場をとりやすい構造があると考えることができます。

フレームワークで整理するとこのような形です。

SmartHRのマーケティングファネル整理

マーケティングトレースの方法③
市場環境をマクロに分析して戦略の仮説をつくった後は、具体的なマーケティング施策、コミュニケーション戦略の分析を行っていきます。

マーケティングファネルの一連のプロセスは下記と定義します。

ファネル=認知→比較検討→コンバージョン→営業→成約・ファン化

一つずつファネルごとの戦術を整理していきましょう。

認知
テレビCM、SmartHR Next 2018 - HRの最先端が集結する日、展示会への出展。

比較検討
TOPページの訴求とコンテンツマーケティング

TOPページの上部で「シェアNo.1」「登録企業数No.1」「毎月1,000社以上導入」でNo1であることを伝えるメッセージを打ち出しています。
これは転換率(CV率)を高めるための重要な要素です。

※オウンドメディアのUUが月次平均+23%で成長
※Similarwebで調べると、オウンドメディアのアクセス数は400,000近く
※E-BOOKにてリード獲得が基本スタイルとなっている

コンバージョン
『1分でわかる! SmartHR』無料ダウンロード

営業
SaaS独自の営業スタイル=開発へのフィードバック+LTV重視
※営業マンが訪問すると、ざっくり半数は導入決定という素晴らしさです。

現在は、インサイドセールス部門も立ち上げ中のようです。インサイドセールスチームを立ち上げるタイミングはSaaSビジネスをスケールさせるためには重要な要素なので要チェックです!

今後インサイドセールス部隊を強化するにあたり、営業とマーケティング部隊を繋ぐ人の存在はますます重要になってきそうです。


成約・ファン化:ユーザーミートアップを開催
Churn Rate(解約率)が0.8%という脅威的な数字です。

ユーザーミートアップの記事はこちらを参照。

ファネル分析からの考察
SNSはTwitterを重点的に活用。認知拡大とカスタマーサポートの範囲をカバーしていると推測。
この後のステージでは、テレビCM+大規模オフラインイベント+有料広告にて認知をダイナミックに広げていくフェーズに入ると考えています。

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黒澤 友貴/ブランディングテクノロジー

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黒澤 友貴/ブランディングテクノロジー

ブランディングテクノロジー(株)執行役員/マーケターの筋トレコミュニティ #マーケティングトレース を運営/会社⇆NPO⇆コミュニティと越境して働く #パラレルキャリア を実験中/趣味はマーケティングメソッド開発。※発信はすべて個人見解であり組織の見解とは異なります。

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