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ストーリー性に溢れる伝説のノート・モレスキン #マーケティングトレース1000本ノック 005

マーケティングトレース1000本ノックの5日目

今回は、クリエイティビティを発揮したい全ての人たちの味方、モレスキンのマーケティングトレースです。

メモという行為のデジタル化が進む中で、ストーリー性を武器にブランドを築き生き残っている好事例です。

モレスキンのトレースから、ブランドストーリーを伝えるためのマーケティングとは何かを考えていきます。

4P分析でマーケティングの全体像をつかむ

売り方Promotion
インフルエンサー活用(クリエイターを活用)
コラボレーション

売り物Product
差別化要素は、紙とカバーなどの品質+ストーリー性。ノートで築いたブランドイメージをバッグ、アクセサリー、トラベルツールなどにも展開。

売り場Place
オンライン=オンラインショップ+アマゾンなどのプラットフォーム
オフライン=文房具屋、PRブース、自社独自ショップ(モレスキンなど)

売り値Price
2,000円〜3,000円

4P分析からの考察

ノートは100円均一でも購入できるわけなので、品質+機能性+ストーリー性でどこまで付加価値をつくるかが鍵になるわけです。

今回は、ストーリー性に着目してトレースしていきます。ストーリー性があるからコミュニティ内の口コミ⇄認知が形成される循環が生まれる。

モレスキンの場合は、売り物・売り方・売り場の工夫が目立ちます。

コラボレーションからブランドストーリーをつくる

モレスキンは、コラボレーションを盛んに行っています。

これでもか!というくらい。

調べると圧倒的です!

スターウォーズ、不思議の国のアリス、ポケモン・・・と名だたるブランドとのコラボレーションが、モレスキンの認知度を押し上げています。

Evernoteとのコラボレーション・連動させて、アナログ⇄デジタルの世界を繋ぐ取り組みも行っている。

地道な営業の積み重ねと、コラボレーションストーリーをSNSを中心に発信し続けているのが、ブランドを築いているポイント。

歴史からブランドストーリーを語る

モレスキンのキャッチコピーは、伝説のノートブック

芸術家、文豪、革命家たちが使ってきた歴史をブランドストーリーとして打ち出しています。

Moleskine®は2世紀の間、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、パブロ・ピカソ、アーネスト・ヘミングウェイ及びブルース・チャトウィンなどの芸術家や思想家に愛されてきた伝説的ノートブックの相続人であり継承者です。丸い角を持つ黒のシンプルな長方形、ノートを束ねるゴムバンド、そして内側のマチ付きポケット: 無名だけれどもそれだけで完成された品は、小さなフランスの製本業者によって一世紀以上もの間作られ、世界中の革命的芸術家や作家が訪れて購入した、パリの文房具店に納品されていました。旅のお供にぴったりな大きさの頼れる存在。このノートブックは、有名な絵画や人気小説が世に出る前の貴重なスケッチ、走り書き、ストーリーやアイデアを記録してきたのです。

伝説をつくるというのは、ブランドストーリーを強化するためには大切な手法。

どこまで本当かはわかりませんが、ヘミングウェイやピカソが使っていたノートが、クリエイターの心を揺さぶっているのは間違いないです。

ストーリーをつくりたければ、時間軸を長くして、歴史と結びつけることがポイント。

ストーリーを伝えるためのSNS活用

自社でmy moleskinというコミュニティサイトを運営しています。

ユーザーを作家と表現して、自分たちのアートワークを共有できるプラットフォームとなっています。

モレスキンはアーティストがカスタマイズした商品を売れるマーケットプレイスも提供している。

Pinterest

Pinterestもフル活用しています。見ているだけでクリエイティビティを刺激してくれます。

オンラインショップへの売上貢献度がどれくらいあるかは気になります。

ボードは複数作られていて、もう少しカテゴライズはうまくできそう。

Youtube

モレスキンのYoutubeでは、ノートの活用方法や新しいシリーズのストーリーが語られています。

ブランドを築くための、一つひとつの工夫が垣間見れます

モレスキンジャパンのFacebook

GIFアニメーションの使い方がうまい。海外と同じコンテンツを使っているので、海外のデザイナーが動いているからのクオリティ。

Twitter

510,000ものフォロワーを抱えている。

プロフィールは、Legendary notebooks

流しているコンテンツは、FacebookやYouTubeと大きく変わらずです。


ストーリーを体感してもらうオフラインイベント

自分が知らなかったのは、モレスキンにカフェがあること。※海外のみ

日本でのイベント

名入れワークショップは頻繁に開催されているようです。

伊藤屋とのコラボレーションは、新作発表を目的に行われています。

共感を呼ぶためには、リアルな場の力は強い。

ブランドの世界観を伝え、ユーザー同士の繋がりをつくるのが店舗の役割。

モレスキン愛好家が書籍を出版

モレスキンを愛用している人たちが、モレスキンを生活を豊かにしてくれるツールとして書籍を書いています。

書籍が代表的ですが、ネットでもモレスキン活用方法を公開することが、一種のステータスになっているのか、ユーザーの皆さんがマイモレスキンを公開しています。

ユーザーの発信から、モレスキン=クリエイターというイメージを形成→明確なポジション確立ができている強さです。

法人専用サービス

かなりユニークだと感じたのは、法人専用のサービスがあること。

法人専用モレスキンをつくるサービスのようで、ネスレやナイキなどの名だたる企業が活用しています。

確かに、社員は自社のログやメッセージが入ったモレスキンをもらえたら嬉しいかも!

まとめ

モレスキンのマーケティングは何が優れているのか?

①ブランドストーリーを描く→ブランドストーリーはSNSのチャネルで伝える工夫を怠らない

②コラボレーションからストーリーを強化(おそらく営業をすごい頑張っている)

③ユーザーの志向に合わせてブランドを拡張→シリーズを拡張して、そのシリーズごとに理想の使い方を示す

100円でも買える、下手したら無料で貰えるノートに、ストーリー性という付加価値をつけて、ブランドを築いているモレスキン。

消費財のブランディング、マーケティングのヒントは盛りだくさんでした。

本日のマーケティングトレースは以上です。