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「マクドナルド サントリー黒烏龍茶を解禁」というニュースの裏側を読み解く-人の心理特性を活かしたマーケティングについて-

特定保健用食品のドリンクの導入は初めて:マクドナルド サントリー黒烏龍茶を解禁というニュースが盛り上がっています。

このニュース、ただのメニュー追加じゃないか!?と考えがちですが、少し掘り下げて考えると面白いマーケティングについての学びを得ることができます。

マクドナルドは、なぜ黒烏龍茶をメニューに加えたのでしょうか?

健康メニュー×ビッグマック=売上拡大!?

アメリカの大学で、メニューにヘルシーな品物を加えると、ビッグマックの売上が驚異的に伸びたという研究レポートがあるようです。

スタンフォードの自分を変える教室 スタンフォードシリーズに書かれている内容です。

下記は引用です。

これはニューヨーク市立大学バルーク校のマーケティング研究者たちが行なった数々の研究から得られた結論です。マクドナルドのメニューにヘルシーな品物を加えたとたん、ビッグマックの売上が驚異的に伸びたというレポートに、研究者たちは興味をそそられました。

ヘルシーサラダありメニューVSジャンキーフードのみメニューABテスト

本に書かれている内容を図解すると、上記のようなテストをし、ヘルシーサラダありメニューでは、消費者が最も太りそうなメニュー、つまり、サラダをサイドメニューから選ぶ→メニューの中から最も太りそうな食べ物を選ぶ確率が高くなるということです。

スタンフォードの自分を変える教室 スタンフォードシリーズには、人の行動心理特性について下記の記載があります。

人は目標にふさわしい行動を取る機会が訪れただけでいい気分になってしまい、実際に目標を達成したような満足感を覚えてしまうのです。そうしてヘルシーなものを選ぶという決心はどこかへ吹き飛び、まだ満たされていない欲求-目先の楽しみ-が最優先になってしまいます。

ユーザーの心理特性を読み解き、最適なプロダクトミックスを

マクドナルドの健康メニューは失敗続きと言われていますが、この黒烏龍茶をメニューに導入したのは、ユーザーの心理特性を分析した上で、メインメニューの売上拡大ができる!と考えての意思決定だと思います。

今までのアボカドバーガーみたいなのとは意図がそもそも違う。

人の心理特性を読み解き、最適なプロダクトミックスを考えることが、成功するマーケティング施策につながるのです。

マクドナルドには、消費財のマーケティングヒントが盛り沢山!

下記の記事も、人の心理特性を読み解き、プロダクトミックスを工夫して成功したマーケティングキャンペーンのすごく良い事例です。

なぜ「チキンタツタ」の復活に、「チキンタルタ」も同時発売したか
マクドナルドが実践する「広めていただく」マーケティング【第3回】

ソーシャルでの拡散を意図的に起こすために、チキンタツタの復活にとどまらず「ライバルを同時に登場させよう」と考え、タルタルソースのかかった「チキンタルタ」という商品を同時に展開した。

マクドナルドの再生は、マーケティング力に支えられており、その中で培われたノウハウから学ぶことは多いですね!

人の心理特性を活かしたマーケティングを考える参考書

下記の本は、人の心理特性を活かしたマーケティング手法、人の無意識に働きかけるコミュニケーション戦略を考える上で参考になります。

インビジブル・インフルエンス 決断させる力

もうモノは売らない

「欲しい」の本質~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方

日常から、ユーザーの無意識を考える習慣を身に付けていきたいですね!