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マーケティングにシステム思考を持ち込み、部分最適を乗り越える

先日に「マーケティングにシステム思考の考え方を持ち込む実験」についてnoteを書きました。

その時に書いたポイントを要約します。

システム思考とは?
物事の関連性や全体像を理解するためのアプローチ
個々の要素だけでなく、その要素間の関係や相互作用を重視します。

システムマップとは?
システム思考を図式化したもので、要素やその関連を視覚的に表現したもの

この2つをマーケティングの世界に入れ込む実験をしています

例えば、システム思考・システムマップを活用してマーケティング戦略を見直すイメージを紹介します。

このシステム図は、いまマーケティングのどの部分を改善すると良いのか…?を考えるときに使うサンプルです。

マーケティングの全体感をシステムマップで整理した図 

箇条書きや、フレームワーク(STPや4P)単体では全体理解・認識合わせがしにくいのですが…システムマップを使うと、関係する要素同士のつながりを可視化して、全体像を見て判断がしやすくなります。

IDEO Uのプログラムからの学び

9月末から受講していたIDEO Uの「Human-Centered Systems Thinking」のプログラムを修了しました。

IDEO Uのプログラムから学んだことを要約します。

1. 部分を改善、ではなく、システム全体を可視化する
問題を点でとらえず、常にシステム全体に立ち返って考えること
2. 特定の人の声だけ聞く、ではなく、システムに関わる人の声を複数集める
システムに関与する複数のステークホルダーの声を集める
3. 単発の打ち手、ではなく、システムがより良く機能する可能性を探る
アイデア(何かしらの打ち手)は、システムをより良く機能させるものと捉える

IDEO Uから学んだシステム思考に関する根底の考え方
ちゃんと修了証明書をもらえました。

前回の記事から1ヶ月ほど学びを進める中で「マーケティング×システム思考」の体系化が自分の中でも進んできたので、皆さんとも共有ができたらと考えています。

マーケティングとシステム思考を組み合わせる意味

最初に、なぜマーケティングをシステム思考で考えることが大切なのかについてです。

一言でまとめると「脱・部分改善」です。

マーケティングの仕事で起こりがちな、「部分改善」を変えるためには、思考プロセスを変える必要があります。

部分改善とは何か?

・広告の費用対効果が悪いから、新しいABテストをしよう
・新規顧客の獲得数が伸び悩んできたから、新たにインセンティブを付与しよう

部分改善の例

では、どうすれば部分改善ではなく全体を捉えられるのでしょうか?

その鍵になるのがシステム思考の活用です。

システム全体を描く→理解する→つくり直す

下記3つのプロセスでシステムと向き合うことで「全体設計」の視点に切り替えることができると考えています。

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