定年退職後の夫と謎の女たち
私の夫は66歳、メタボで短足、スタイル悪く、服装のセンスなし、靴だけはREGALを履く。
頭はハゲで白髪。
近年は老化が進み、どこからどう見ても、おじいさん。
元銀行員、その後銀行関連会社で数年働いた。
今はゴルフ場のコース管理に週3日アルバイトをしている。
そんな夫だが、頻繁に飲み会に行く。
銀行員時代もその後の会社員時代も本人は飲めないのに、飲み会が多かった。
定年退職後は、高校時代の友達や幼なじみ、大学の友達、銀行の同期の友達、いろんな男友達の飲み会に行くようになった。
しかし、銀行時代から謎の女たちとランチに行ったり飲みに行ったりもしている。
今日もそんな謎の女たちとの飲み会がある。
不思議だ。
夫は、決してカッコよくないから、恋愛対象ではないに決まっているので心配はしていない。
もし、恋愛対象として女たちとご飯に行っているのなら、それはそれで、ガンバレや。良かったじゃん!って感じだけど。
【謎の女その1、元銀行員で国際線パイロットと結婚した女】
彼女は夫が支店長の時の行員で、当時、彼女は二人の男性と付き合っており、二人から同時にプロポーズされて悩んでいた。
そういう時、なぜか恋愛経験に乏しそうな夫に人々は相談をするのだ。
そして夫は彼女に言った。
「どっちと結婚しても後悔するよ。自分で決めるしかないよ。」
確かに。
彼女は国際線パイロットを選んだ。
結婚してからも彼女は福岡に来るたびに夫に連絡してきて、ランチに行ったりしている。
お土産をもらったり、プレゼントをもらったりしている。
不思議だ。
【謎の女その2、元会社員の時の部下で都会的なサッカー好き】
彼女は今日の飲み会の相手の一人。
今、福岡に来ているらしい。元々は東京の人。
(福岡の人は関東地方に住む人はとりあえず東京の人という)
夫が彼女の上司だった時に、
彼女は
「明日サッカーの試合に行くので休みまーす。」
と言って、夫は
「いいよ。」
と唖然としながらも許可した。
銀行時代ならめちゃくちゃ怒鳴っていただろうと思うけど。
社風が全然違う所で夫は銀行とは違うそんなゆる〜い感じの会社が新鮮で気に入っていた。
彼女から時にライブハウスに知り合いが出るからと誘われたり、ご自分も劇団に入られていて劇団の公演に誘われたりしていた。
彼女からもプレゼントやお土産をもらってくる。
夫がウォーキング好きなので、彼女からのプレゼントは夫の名前の刺繍入りタオル。そんなタオルが数枚ある。
【謎の女たちその3 ウォーキング仲間の若い女性たち】
来月にまたそんな若い女性たち(娘と同じ歳くらいの若い女性たち)と泊まりのウォーキングイベントに参加するらしい。
若い男性たちもいるのだろうけれど。
退職前の会社の人たちなのだけど、退職後もこんなおじいさんとウォーキングイベントに参加するって、不思議だ。
20キロ歩くらしい。
とりあえず、私は2日間自由なので嬉しい。
夫が会社員時代にスーツをクリーニングに出す前にポケットの中を出していると、小さなメモがよく出てきていた。
「いつもありがとうございます。
また、誘ってくださいね。」
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