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通勤経路で自分を保つ

毎日出勤しているが、私は行きと帰りで別の経路を使っている。

もちろん会社から交通費として出される経路は片方だけだ。帰りも行きと同じ電車を使えば支給された額でカバーできる。しかし、できれば帰りは別の電車を使い、別の駅で降りて帰りたい。

その理由は、駅から家までの道の雰囲気にある。幅の広い、まっすぐな道。朝は明るくて清々しいのだが、帰りは人通りが少なく物寂しい。道沿いの店も少ない。防犯上、というよりは、なんだかつまらないのだ。賑わいのない街並みは、私にとってはただの「背景」にしか見えない。薄暗い道が私の気持ちも暗くする。

帰りに使っている経路は、電車の乗り換えもあり、人の流れを感じられる。いろいろな人が行き交って、活気がある。駅から家までの道にも商店が多く、見ていて飽きない。私はたぶん、根が寂しがり屋なのだと思う。

行きと帰りの経路を変えることで、私は自分のバランスを保っている。毎日数百円の出費は痛いけれど、それが健やかな日々を過ごすことにつながるのなら、それでいいと思っている。だから無駄遣いでもない。

何年も社会人をやってきて、自分がどんなことで気分や体調をこわすか分かってきたし、それを保つ大切さも感じるようになった。月3,000円の交通費で、私は自分の機嫌をとっているのだ。

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