千葉サラブレッドセール2022を見てみよう

ご存知のように日本だけでもいくつものサラブレッド販売セールがあり、千葉サラブレッドセールもその一つ。社台がバックアップしておりなかなかの良血馬が揃う。
まぁ本当の目玉馬は出ないものだが、血統や見てくれや2歳時の調教の動きだけで100%判断できないこの世界、掘り出し物だってある。
有名なところとしてはオメガパフュームがこのセール出身。

何とも景気がいい話だ

去年はついに売却率100%、最高価格5億円超(ドーブネ)と盛り上がりを見せた。
今年はどうだろうか?

目玉となる注目馬は以下の通り。

目玉にロードカナロアやハーツ、キズナと言った一線級から青森に行ってしまったスピルバーグ、マインドユアビスケッツといった新顔まで色々と揃えている。
(しかしラヴファンシルの2020は確かにデアリングタクトの甥にあたるが、父スピルバーグというところが絶妙な何とも言えなさ醸し出していて良いな)
この中ではレッドアゲートの2020が面白そう。
母系のシーホーク、スキャンと古く重い血をマンカフェ、カナロアと重ねて現代に通じるスピードを補うイメージだろうか。母も半兄レッドジェニアルも重賞を勝っているのでポテンシャルはありそう。
全姉が1勝も出来てないみたいだし目論見通りに行くかは分からないが、まだ余裕がありそうな身体つきでまずまずのタイムを出しているのは好材料。

上場馬一覧は以下の通り。

上位種牡馬だとカナロア、モーリスが3頭出し。キズナ、ダメジャーは2頭、ドゥラメンテ、ハーツ、オルフェが1頭。
この辺は吟味して漏れたのをセールに出した感じだろうか。だとしても3歳〜古馬になって台頭する逸材であれば、現時点でのふるいはあまり意味がないけど。
次点クラスのHヒューズ、ハービン、ドレフォン、Mアイル、Sヒーローも1〜3頭揃えていて父のバラエティは豊富。
最多はストロングリターン、ノヴェリストの4頭。
このあたりはIボニータ、エイシンF、ジャスタとかを含めて配合時点である程度セールに出すことを意識しているんだろう。
変わり種としてはダノンレジェンド、オーシャンブルー、グランデッツァ。
これらの産駒を買うのはよほどのマニアか慈善事業者くらいではなかろうか。
自分がこの中で買うとしたらダノンレジェンド産駒か。身体は特に凄みはないがバランスは取れているし、動きは現時点では一番見込みがありそうだ。まぁ2勝できれば御の字レベルかもしれないが、繁殖として面白みもあるし。

そしてこのセールはYouTubeで出場馬たちの調教動画が見れる。
一般人にとって、かつては競馬雑誌のPOG特集などで小さな馬体の写真と寸評くらいしか青田買いの手がかりがなかったのに良い時代になったものだ。

上位のタイムを出した馬はこう。

まぁ現時点での2Fのタイムをそこまで細かく気にする必要はないだろう。
2Fとも余裕で10秒台前半で走る馬とかいたらかなりのタマであるかもしれんが。
ただ、あまりに動きが悪い馬は少なくとも早期の活躍を期待できない可能性が高い。

トップ2のフローラルカーヴの20とビジューミニョンの20は併せで走っている。
速いタイムを出しているだけあって両方とも動きは良さげだが、同じくらいのタイムになるように調整しているのだろうか?
血統的、体型的に距離はフロールカーヴ産駒の方が持ちそう。この時期にしっかりと重心を低くしてまっすぐ走っれているのも好印象。すごく遡るとベガと同じ母系に辿り着く。
ビジューミニョンに至ってはかの世界的名母スペシャルに辿り着く。まぁちょっと遡りすぎだが。
リベルタンゴの20とマリンフェスタの20も併走組。映像を見るとそつなく走ってはいるようだが。
まだフレッシュなイスラボニータに最近絶好調のスマートストライク×活力あるアルゼンチン名牝の肌を組み合わせた活きの良いリベルタンゴ20、キズナ×サクラバクシンオー肌でしかもキストゥヘヴンやファイトコマンダー(懐かしっ!)と同じスイーブ〜第五カナディアンガールの末裔、どちらも血統的にも面白みがある。

他にはプレミアステップスの20が好印象。
500kgのダメジャー産駒、まだまだ良くする余地はあるはずなのにゆったりとした走りで好タイムを出している。順調に成長すれば重賞クラスはあるかもしれない。
半兄ドーブネがまずまずの活躍をしているのでそこまでの値段はつかなくても億は超えそう。

おそらくタイム上位と血統的バックボーンが厚い馬が高値で買われるのだろう。
まだ明らかに身体ができていない馬、上手く走れていない馬など様々いるが、そういった馬達がいつか下剋上して大きいところを勝つ可能性がないわけではないのもまた一興。

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