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生きているうちにやるべき・知るべきデジタルのいろいろ

みなさんこんにちは。フリーライターのつじです。

今回は、フリーランスの方向けのハックでもなく、私に関することではない、それでも皆さんにとって大切なことになるだろうお話しです。

先日、私の自ブログのサーバーがダウンしてアクセス不可状態になり、広告収入やアフィリエイト収入の窓口がストップ。実はこの事案が起きたのは、サーバー管理者だった友人が逝去して引き継ぎができずにいたことにあります。

この出来事から、今後ご両親や友人、ビジネスパートナーが亡くなって私と同じような経験をするような方が増えると感じ、どこかで皆さんのお役に立てればと思いnoteにすることにしました。

不謹慎な言い方になってしまい恐縮ですが、人はいつこの世を去るか分かりません。ですが、今回はあなたが世界からいなくなった時に事件が起きないよう、事前に行った方が良いと感じたことを紹介します。

※今回はIT用語が多く飛び交いますが、事の重大さを分かっていただくには「IT用語を知らない方にも理解いただく」ことも大切です。各用語の意味が分からずにいる方は、お手数ですがIT用語辞典で調べながら読んでいただけたら幸いです。
IT用語辞典はこちら

私が経験したこと

今回、私が始めて経験したことは私の予測よりもより早くやってきました。

私は自身で運営しているブログがあり、WordPressで作られています。サーバーはエックスサーバー、ドメインはお名前.comを使用しているのですが、ある日の朝自分のブログにアクセスしたら403 Forbidden(以下、403エラー)というアクセス制限のエラー画面が表示されていました。

画面を見てすぐは何が起きたのか全く分からず。ブログの記事や画像などを投稿する管理画面も同じく403エラー。お名前.com というドメインを購入して管理しているサイト(〇〇.comとか△△.jpがドメイン)を見ても異常なし。すぐサーバー(作成したWebサイトの情報を配信するためのもの)に不具合が生じたと察した私は、利用中のX Serverにアクセスし、私のサイトのサーバーの購入データを見ることにしました。

購入したサーバーの情報が見れない

多くのWebサイトはIDとパスワードを入力して自分の情報を閲覧するシステムになっていますが、私のブログのサーバーは友人が用意してくれたものでした。

しかし、友人は2021年11月に病で逝去。ご遺族の方にPCやスマホのロックを解除するパスワードを託してこの世を去ったものの、ご遺族はPCがスマホにあまり詳しくなかったため、デジタル関連の情報は引き出せない言われていました。

こういう時、ブラウザ(いわゆるChromeやSafariなど)が自動で保存してくれたパスワードをご遺族や故人のPC・スマホを所有している人が見て私に情報を共有してくれれば、一瞬で解決するのですが…。

それができないとなると、X Serverのサイトの問い合わせフォームにて以下を全て聞き出さないとなりません。

・復帰させたいサイトのアドレス
・復帰させるためのログイン情報(ID・パスワードは再設定)

小さくても収益を生んでいる、且つ、皆さんに共有しているWebサイトがアクセスできないとなると、私の信頼にも影響する。1秒でも早く復帰させたい思いで問い合わせたところ「利用者側でパスワードを再設定できない場合は郵便経由で情報の変更手続きを行う必要がある」と言われ、私は白目状態。

運良くログイン情報と紐づいているメールアドレスにきたメールを確認できる方が故人の友人にいたため、情報を共有してもらい、解決しました。もし、郵送手配を行う事態になっている、且つ仕事で管理しているサイトだったら信頼も失い大変なことになっていたでしょう。

復帰作業中に思うことがたくさんあった

2022年5月11日現在、サイトは無事復帰しましたが、私の中で学んだことや思うことがたくさんありました。今回起きたことはサーバートラブルでしたが、数年後、情報の持ち主が亡くなり色々なものにアクセスできず、困ることたくさんの場所で発生すると思います。

ここからが本題です。いま、大丈夫なうちにキチンと知ってほしい。例えお金にならなかったとしても、どんなに小さな情報も財産。その財産である情報を整理すること。

そして遺された人がやるべきことや知っておくべきことをお伝えしていきます。

私たちが亡くなる前に残している情報たちのこと

私たちはPCやスマートフォンなどの電子機器を所有し、その電子機器の中にはさまざまな情報を入れて持ち歩いています。

▼私たちが持ち歩いている情報たち
・SNSやアプリのログイン情報(LINE、Facebook、Twitter、インスタなど)
・クレカ、ネットバンク、ECサイト(Amazonや楽天)の注文履歴・個人情報
・月額有料制コンテンツのログイン情報・個人情報
・メールを確認するためのログイン情報
・ブログやnoteなどのコンテンツ
・仕事で所有しているデータ、誰かに送るはずのファイル など

列挙していくとキリがありませんが、私たちはこれらの情報を常に残して日々を過ごしています。自分が亡くなっても情報はしっかりと残りますし多くの人がアクセスできてしまうのです。

もし自分が亡くなった時に遺族がPCやスマホのロックを解除できなかったら?これらの情報の保管方法を共有していなかったら?

SNSのアカウントは本人の意思のお構いなしに孤独を彷徨うように残りますし、月額有料コンテンツは払いっぱなしのままになってしまうことも。また、あなたが逝去した旨をSNSなどでどこまで伝えて良いかも分からず、そのままになり、葬儀や通夜に行けず哀しい思いをする人も増えるでしょう。

つまり、仕事でPCやスマートフォンを頻繁に使わなかったとしても、電子機器ひとつ所有しているだけで「故人の情報はどれだけ存在してどこまでを遺された人が対応すれば良いのか」分からず困る、という事案はほぼ確実に起きるのです。

遺された人が困らないためには以下のことを行うのが大切だと感じました。

1.所有する電子機器のロック解除パスワードは必ずノートなどの紙で残す
2.SNSアカウントなどのログイン情報にアクセスする方法を明記する
3.各アカウントごとに自分が亡くなった後は残すか消すかを明記する
4.加入中の月額課金制のサービスは別で明記。退会処理を依頼すること
5.遺族や友人に引き継ぎ必要なものは誰に引き継ぎをお願いするか明記すること

概ね上記の作業をやっておけば遺族は困らないと感じます。

私の場合は、ご遺族が故人の情報にアクセスできるスキルがなかったこと。また、管理している情報の状況を把握していなかったことにより不具合が生じました。

そのため、亡くなった人だけではなく周りの人にも一定のスキルが求められるということになります。

遺族となりうる人がやるべきこと・知っておきたいこと

いつどんなことが起きるか分からない世の中は、誰がどの出来事の当事者になるか分かりません。

生きる上でなるべく多くのことに当事者意識を持つのはとても大切なこと。今回の私のように頭を抱える事件が起きないために、一人ひとりが以下の知識を身につけておくべきだと感じました。

・PCやスマートフォンのロック解除方法、基本の操作方法
・インターネットブラウザに記憶されたパスワードを確認する方法
(これがあると数日かかる情報の確認が数分で終えられることもあります)
・世界的に有名なサービスの名称や概要

多くの人が所有するPCやスマートフォンは指紋認証や顔認証ロックで解除できますが、故人の個人情報へのアクセスが必要になるのは死後暫く経ってからの方が多いでしょう。

いざロックを解除しようとしたら開かず何もアクセスできない、情報を残してくれたがアクセスの仕方が分からないという事態に陥らないように、ロック解除の方法や基本の操作方法、情報を確認するスキルを今すぐにでも身につけましょう。

これらの情報はこういった故人の情報にアクセスするとき以外にも日常生活で役に立ちます。自分の日々の生活をより効率良くするためにも覚えておくのがおすすめです。(私みたいに困る人が増えないように今すぐ覚えて実践しましょう)

各ブラウザに保管されたパスワードは以下の方法でいつでも確認できます
Google Chromeの場合 (AndroidスマホやiOS版Chromeもこちら) 
Safari(mac)の場合
Safari(iOS)の場合

また、日頃から周りの人が使用しているSNSやサービス名を知っておくと「あの人はあのサービス使っていたっけ?使っていたとしたら契約を解除せねば」と判断できます。残されたPCやスマートフォンの確認もスムーズになりますよね。

また、スマートフォンの買い替え時に月額課金制のサービスを退会し忘れていて、使用していないのに利用料を支払ったままの方も多くいます。

日頃からご自分の加入サービスの見直しを行いながら、亡くなった人の電子機器管理もしっかり行いましょう。間違っても大切な個人情報を見ず知らずの業者などに引き渡してこじ開けるようなことをしないように。

すべての人が「知らない」「疎い」で済ませて泣き寝入りしないように

今回は私が実際に経験した出来事を通して感じたことや、皆さんに伝えたい情報の取り扱い方やいざという時のために行いたいことなどを紹介しました。

数年後、デジタルの情報を整理しきれずに亡くなった人が増えたり、残された情報の取り扱い方法が分からず、頭を抱える人が増えないように。また、生きていく上で損をしたり困ったりする人が増えないように。 このnoteを読んでくださったすべての人がご自身のSNSや周りの人にシェアしてくださることを私は強く望んでいます。

ITやWebの世界で仕事をしない人も関わるとても大事なことだとご理解いただけたら幸いです。大切なことに目を背けず、みんなで向き合っていきましょう。

それでは、また。

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