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サウジアラビア旅行【映画「アラビアのロレンス」】

今回のサウジアラビア旅行では、移動のため、日本の新幹線のような高速鉄道を乗る予定になってました。
「ハマライン高速鉄道」と言って、2大聖地のメッカとメディナを結ぶ鉄道です。

この高速鉄道ができるずっと前、1908年頃に、オスマントルコ帝国がダマスカスとメディナを結ぶ「ヒジャーズ鉄道」を敷設しました。

ヒジャーズ鉄道はメッカまで延伸する予定でした。

イスラム教徒がメッカ巡礼できるように、というのが表向きの理由。オスマン・トルコ帝国がアラビア半島を支配するため、という隠れた目的があったようです。

ところが、第一次世界大戦の時に、オスマン・トルコ帝国と戦っていた「アラビアのロレンス」とアラブ軍がヒジャーズ鉄道を破壊したそうです。その後、ずっと放置されていたようです。

今回の旅程では、ヒジャーズ鉄道の元・駅舎を見たり、ハマライン高速鉄道にも乗ります。

だから旅行に行く前に、映画『アラビアのロレンス』は絶対見ておかなきゃいけないだろう!と思ってました(笑)

映画を見る前は、「アラビアのロレンス」という英国人将校は、アラブ民族と共に戦った英雄なんだろう、と思っていました。

ところが、見終わってみると、英雄というよりも、かなり複雑な人物だとわかりました。

稀代の戦術家でありながら、他人から理解されず、そして自分自身の気持ちも大きく揺れ動く。

戦いが続き、多くの人の命を殺めていくことで、狂気も帯びてくる。

でも最期は、他人を轢かないために、反対に自分が事故で亡くなってしまう…。

約4時間近い超大作、そして、昔の映画の「スケールの大きさ」にも脱帽しました。

砂漠で、初めてアリに出会うシーンは素晴らしかったです。

哲学的な示唆を含んだセリフも多くて、印象的でした。

特に、アラブ民族を率いるファイサル王子が、ダマスカス占領後に英国将軍と交す老練な会話!

それに比べれば、当時のロレンスはまだ20代の若者だっんだと、後で調べてわかりました。

映画の最後に、ちらっと出てくる「サイクス・ピコ協定」。英国の三枚舌政策の一つで、今のイスラエルとパレスチナの問題に続いてしまう元凶の一端。どこの国もそうだけど、欧米諸国も「自国の利」のために動いてる…。

ところで、主役「アラビアのロレンス」を演じたピーター・オトゥールを、ロンドンの劇場で演じているのを見たことがあります。

元・人気男優が老齢で落ち目になり、若い女性に惹かれ、翻弄される物語でした。芝居の名前は忘れてしまったんですが、後に主演映画になった「ヴィーナス」だったのかもしれません。

老いた役だったけど、オトゥール本人はまだまだ魅力溢れるシニアの美男でした。

「若い女性に夢中になる」というより、若い女性の方が「オトゥールに夢中になる」の方があり得るでしょう?と思った記憶があります(笑)

ところで、今回初めて、オトゥールがアイルランド人と知りました。長身なので、ずっと英国人だと思ってんです(苦笑)。

でも確かに、オトゥールという姓はオニールなどのように、アイルランド系の名前でしたね。

名作だと知りながら、長編映画ということもあり、一度も見たことのなかった「アラビアのロレンス」を見る機会ができてよかったです(^o^) 

映画を見た時はまだ、砂漠が美しいという感覚はわからなかったのですが、サウジアラビア旅行後の今はわかります。

もう一度映画も見てみようと思っています。



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