2019年の自選五首

 noteには小説とかエッセイとか書こうかなと思っていて、書きかけの下書きがあるんだけど、とりあえず短歌のことを真っ先に出してみる。

 Twitterで #2019年の自選五首を呟く というハッシュタグがあったので、自分が結社誌に投稿した詠草を見直していた。私の自選は次の五首。

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太陽と土の思い出の味がする平飼い卵のぶっかけごはん(『水甕』2019年1月号)
丸餅が膨らんできた 俺たちにシペ・トテックなんか要らない(同2019年5月号)
選択をさせられていく安楽死とか男の姓を名乗ることとか(同2019年6月号)
巨岩群のごとく母らは立ち寝するマッコウクジラの海中保育(同2019年8月号)
二進法知らないままに恋人はスマホゲームのスコアを上げる(同2019年10月号)

 シペ・トテックの歌は結社の歌会では非常に不評だったけど、選者は結社誌には採用してくださった(この号の選歌担当は春日いづみさん)。

 最後の二進法の歌は、アラン・チューリングへの挽歌より。本当は「恋人」ではなく「我が夫(つま)」なんだけど、「我が夫」ではこの歌が古びると思って表記しなかった。

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