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勝手なイメージ

海外ドラマのDVDを借りて自宅で夫と鑑賞している。『SHERLOCK』『GRIMM』をすべて観て、先日はとうとう『エレメンタリー』のラストシーズンまで観た。最近は『MACGYVER』を借りている。子どものころに時々見かけた『冒険野郎マクガイバー』の舞台を現代に移したリブート版だ。

間違えてシーズン3から借りてしまい、夫婦でその責任を押し付けあいながら観たんだけど、まー、面白かった。結局、借りてしまったシーズン3の3巻(1〜6話)はとりあえず観た。それで今度はちゃんとシーズン1から借りて観てるんだけど、早速「あの人がまだ出てない」「この人、シーズン3ではいないよ!死んだの?!」と微妙なネタバレ状態になり、結局「誰がシーズン3から借りてきたんだ!(私)」「なんで気づいて指摘してくれなかったの!(夫)」と責任転嫁をし合いながら第1巻(1・2話)を観た。

鑑賞の時、夫が「黒人ってこういうイメージなの?」と漏らした。私もそれは気になっていた。マクガイバーの友人であるボーザーは、ジャスティン・ハイアーズという黒人男性が演じている。この人が口達者でひょうきんで、明らかにコミックリリーフの役割なのだ。ただ、マクガイバーの相棒であるジャック(演者は白人のジョージ・イーズ)も場面をコミカルに塗り替える役割が多く、このドラマはボーザーとジャックの二人がコミックリリーフを分担し合っているとも言える。

デンゼル・ワシントンはシドニー・ポワチエのアドバイスを参考に、自分の演じたい役が来るまでオファーを待ち、黒人のステレオタイプから逃れて「名優」のイメージを手に入れたという(Wikipediaに寄れば)。黒人男性は今でも「面白い人」というステレオタイプで悩むんだろうか。九州出身というと「お酒に強いんですね」と勝手に烙印を押されるようなものなんだろうか。血液型はO型だというと「大雑把なんですね」と決め付けられるようなものなんだろうか。乙女座だというと「その顔で乙女ですか?」と頭の悪い反論をされ、相手の顔面を蟹座にするようなものだろうか。それとも私と夫が心配するほど、アメリカの黒人男性俳優たちは大して困ってはいないのだろうか。

ワシントンの息子のジョン・デヴィッド・ワシントンは、映画『TENET』で主役を張った。主人公は名前がなく、原語では protagonist (主人公)、日本語では「名もなき男」と訳されていて、アメリカ人のCIA職員という設定しかないので、クリストファー・ノーランにとって人種や出自民族のこだわりはなかったんだろう。この映画でのジョン・デヴィッドは無茶苦茶シリアスでひたすらカッコよかった。お父さんと同じ「名優」のイメージを早々に手に入れて、なんか凄いぞ。ちなみに『TENET』は2回観てもちっとも分かんなくて、初見の夫に「○○○は△△△とXXXなんだね」と一番重要なポイントを教えてもらう体たらくであった。

まあとにかく『MACGYVER』は観ますよ。我慢しきれなくなった夫がググっちゃって、「ジャックはシーズン3でXXXXXらしいじゃん!」という一番言ってはいけないネタバレを言いやがって、喧嘩になりましたけどね。

見出し画像は、CBS(アメリカ)の番組公式サイトより。

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