見出し画像

VIを組み立てながら企業ロゴを作った30日間にやったことをまとめた記事

はじめに

VIを任せていただいた、ヴィアゲートさん(ヴィアゲート株式会社)の企業ロゴを作成した時に対応したことまとめです。
スタート時のデザインストーリーを残しておくことでいつか来るリデザインのお役にたてれば幸いです。

対応の流れ

1/16 下崎さんから連絡がくる

ヴィアゲート代表下崎さん

「いっぱいあるんですが、なんか手伝ってもらえないでしょうか」

1/17 とりあえず打ち合わせして状況を確認

とりあえず打ち合わせる図

打ち合わせで確認したこと

  • 立ち上げスケジュール、開発状況の確認

  • デザイン周りで必要なもの、あるもの、ないものを確認

  • やってほしいこと、期待する結果などすり合わせ

分かったこと

  • 会社説明資料があり、ミッション・バリュー、社名が決まっている状態。

  • サービス、ポイ活アプリ「エモミル」の開発はすでに着手しており、5月にテストマーケを開始したい。

  • デザイン周りはすべて未着手。

なるほど。急がねば!

燃えたぎる図

作業開始

まずヒアリングした内容からテストマーケまでに必要な制作物を整理

  • 必須・企業ロゴ

  • 必須・サービスイメージ

  • 必須・企業サイト・サービスサイト

その他、多分すぐに必要だと思うので作っておくもの

  • ブランドガイドライン(サイト作成時に必要)

  • 名刺(営業用)

  • リモート背景(営業用&面接&社内会議用)

スピードを出すためにしたこと1

会社説明資料を共有してもらい、ミッションやバリュー、作っているサービスを把握し、話を引き出すための質問をスプレットシートで用意。
0から企業理念をヒアリングするよりも叩きがあるので時間が短縮できる。

ヒアリング用スプレットシート

1/20 ヒアリング

創業メンバー全員と顔合わせ。
マインドアイデンティティについてスプレットシートに書き込みながら根掘り葉掘り聞き出して、全員のマインドを言語化、キーワード化する。

スピードを出すためにしたこと2

ヒアリングした内容を付箋で可視化。
次の打ち合わせで話が戻ったり発散しないよう、方向性とゴールはある程度定めておく。

会社のイメージ・サービスのイメージ

1/27 ブランドデザインについての方向性を決めていく

Miroで作った付箋を動かして、前回出たキーワードをグループ化、優先的なキーワードを拾い、デザインで伝えたいイメージの方向まで落とし込む。

スピードを出すためにしたこと3

競合になりそうな企業のロゴを調べ、差別化を念頭に比較できるようにしておく。出てきたイメージの具体的なサンプルを用意。色やフォントについてもサンプルから絞り込めるように準備。

イメージサンプル

1/27 制作指示書作成&発注先を選定

お財布事情とスピードを考え、ココナラさんでコーポレートロゴが得意&今回依頼したいテイストがポートフォリオに乗っているクリエイターさんを探して依頼。(Miroの絞り込んだイメージとテキストの指示で依頼可能)
ココナラ https://coconala.com/ 

テキスト発注指示

2/3 初稿ロゴデザイン確認

デザイナーさんからもらった初稿を創業メンバーと確認しながら方向性を絞っていく。
第二校、第三校、第四校・・(略)・Slack&打ち合わせで絞った形から、こうしたらよいのではという案を試しつつ消していく調整作業。

何案も作ってくれたデザイナーさんに感謝

並行してブランドを想起する色の選定を行い、ブランドデザインを固める→ロゴの色にも反映。

ブランドカラー選定時資料

ついに完成

ヴィアゲートさんのミッションである、
「価値ある情報により、誰もが閃き、合理的に意思決定できる社会基盤を
構築する」を表現したロゴになりました。
シンボルマークは「閃」をベースに、門が開き、奥から日が昇る様子を表しています。

シンボル+テキストロゴ/縦版

ヴィアゲートの視覚的な象徴となるロゴやカラーは「誰も」が「可能性を解き放つ意思決定を世の中の当たり前に」というミッションを軸に、「閃き」「可能性」「合理性」「未来」「成長」「情緒」「信頼」といったキーワードを表現しています。

ヴィアゲート株式会社:ブランドガイドライン

2/17 データをデザイナーさんに納品してもらってFIX

ここまでで30日。


ブランドガイドラインは後追いで整えて納品

ブランドガイドライン(一部)

並行してやっていたこと

名刺作成

名刺情報は並行して集めてもらっていたので、情報がすべて揃ったタイミングでデザイナーさんに事前に依頼して作っておいてもらったデザインに反映。紙にはこだわって、テスト印刷する時間がとれました。
印刷データと、発注フローをドキュメントにまとめて納品。
非デザイナーでも印刷手配ができるよう配慮。

名刺サンプル

リモート用背景作成

ロゴが確定したタイミングでリモート用背景も作成
keynoteで作成、非デザイナーも変更・更新できるようにして納品

スライドマスタ/会社資料作成

ブランドガイドを作ってあるのでカラーなどはそのまま使えて便利。
会社資料はベースは作成していただいたものを、スライドマスタを使うとこんな感じになりますよというサンプルとして作成。

スライドデザインテンプレート

サービスイメージ画像作成

まだ開発中ですが至る所でサービスイメージが必要だったので、エモミルのイメージをふんわり作成。(サービス説明用としてメリハリつけた要素で作成)

エモミルサービスイメージ


振り返り

前提として、
関係者が少ない → 意思決定が早い。
ぶれない共通のマインドアイデンティティがある → VIゴールが描きやすい。

という二点があったので、ロゴは30日で完成しました。
MIからだったら厳しかったと思います。

大切にしたこと

スピードと予算とクオリティのバランス

もっと時間や予算をかければもっと良いものができたかもしれませんが、スタートアップで大切にすることは「機会損失をしない」ことだと思ってます。
なので①スピードと②予算と③クオリティをバランス良く作ることを念頭に置いてました。
とはいえ期待値を下回ることは絶対にできないので、クオリティについては妥協せず、デザイナーに修正依頼する前に自分で修正して事前に方向を確認したりして、制作以外の無駄な時間を使わないよう心がけてプロセスを省略したり巻いたりしてスピードを上げてました。

体験を想像する

自分が運用する立場になって考える。
納品したら終わりではなく、たとえばデザイナーがいない状態で新入社員が入った時に名刺発注はどうしたらできるかなどを、持続可能な仕組みも一緒に考えて納品する。


豆知識

日本国内のスタートアップにおけるデザインの活用・運用の実態調査に基づくレポート「Design in Japanese Start-ups 2022」によると、上場前のスタートアップ約150社に所属する経営層の回答をもとに調査した結果、創業時にデザイナーが1人以上在籍していた企業は全体の5分の1に過ぎなかったそうです。また、プレシリーズA(調達時)までのスタートアップでも、デザイナーが2人以上所属する企業は10%にとどまっているとのこと。

自分で対応してみて、スタートアップ時にデザイナーを採用するのは、必要性を理解していても採用ハードルが高いんだろうなと改めて思いました。
スタートアップ時に必要なデザイナーのスキルが幅広すぎるのが課題かなと。

スタートアップ時のデザインどうするべき?

初期投資としてデザイナーを在籍させることが困難な場合は

制作会社に依頼:メリット/全部やってくれる:デメリット/高い
信頼できる個人(デザイナー、ディレクターなど)に依頼:メリット/納期、値段に融通がきく:デメリット/クオリティコントロールが難しい

この二つかなと思いますが、結局スタートアップ時の失敗できないフェーズでは「できるか」「できないか」なので、「この人なら絶対できる!」という人にお任せするのが一番良いのかなと思います。

以上、ヴィアゲート株式会社の企業ロゴを作成した時に対応したことまとめでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?