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読書(ネタバレあり)

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「コンタクト」

カール・セーガン原作。上巻が見つからない……。

キーツの詩が載ってて素敵だった。

「耳に響くメロディは美しい。が、耳に聞こえぬメロディはもっと美しい」

数学って宇宙っぽいね。数学は得意ではなかったけど、πのどこまでも果てしなく続いていくとことか、ドキドキする。“超越数”って言うんだよね、かっこいい。

宇宙からの電波をはじめにキャッチした時、(他の研究で電波望遠鏡借りてた)別の研究している科

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「ムーミンパパの手帖」(東宏治 著)

リトルミィのエピソードで、こんなのがある、と著者が紹介してくれた。
ある日、ムーミンが自分のお気に入りの場所を居心地良くするために、蟻(あり)の巣が邪魔になって、ミィに「どうにかして」と頼む。
ミィは蟻たちを残酷な方法で追い払う、というか天国にやってしまうんだけど、それを知ったムーミンは、「なんてヒドイことするんだ、ミィ」って非難する。
でも、ミィは、いたって冷静に、「私がどうやって追い払うか、あ

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トーベ・ヤンソンの娘ソフィアと、ヤンソンの母(ソフィアの祖母)との会話。

祖母の家に泊まったソフィアが、夜、寝る時に、ベッドから、「おばあちゃん、扉はちゃんと閉まってる?」と聞くと、
おばあちゃんは、「あいてるよ。扉はいつでもちゃんと開いてるから、安心しておやすみ」って言うシーンが好き。

もしかしたら、ソフィアの期待してた答えとは違ってたかもしれないけど、子供ってまだ野生動物に近いから、「扉を閉められる」ってのをすごく怖がるから、予想に反して安心したかもしれない。

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枕草子①

清少納言の「枕草子」は大人になってから好きになった。
いろんな方の現代語訳を読んだ。
その中で、名前は思い出せないけど、ある方(男性)の説がけっこういいなぁと思った。
中宮定子が、「春は?(春といえば?)」と、その場に集めた女御たちに問うて、女御たちがそれぞれ「(私は)あけぼの(が好き)。ようよう白くなりゆく……」とか、別の人が、「紫だちたる雲の」とかめいめい思ったことを口に出して、それを清少納言

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枕草子② 「あなたを変える枕草子」(清川 妙著)

28段の「恋しきもの」と、293段はつながっていて、古き良き日々を回想しながら書いてる。
ここに出てくる、伊周(これちか)って男性との懐かしく淡い知的なやりとりは、その背景を知ると切なくなる。
伊周って人は、後にある罪を犯して都を追われるんだけど、、それを知った上で、清少納言が懐かしい日々を愛おしく書いてるのがすごく哀しくて。この文を読んでいる時に、偶然テレビからユーミンの「リフレインが叫んでる」

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