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2023/04/21観察記録&カタツムリ食オサムシ幼虫解説



飼育下のセアカオサムシ卵は未だ孵化せず。
しかし確実に成長している。
孵化は明日頃だろうか。


先日孵化したセアカオサムシ1齢幼虫は、近所で採集したイモムシを入れておいた所、いつのまにか食べていた。

2023/04/21 午前撮影
2023/04/21 午後撮影

午前と午後の画像を比べると、腹部が膨らみ、節が伸びている様子が分かる。
クロナガオサムシ幼虫に非常に近い体型で、セアカオサムシも成虫幼虫共に昆虫類を専門に捕食するオサムシであろう事が予想される。


ちなみに、カタツムリ専食であるマイマイカブリやオオルリオサムシ、ツシマカブリモドキ幼虫もそれぞれかなり似たような体型で、それに加えて大型だ。
それらの幼虫がカタツムリを捕食しようとした際、抵抗するカタツムリの殻内に引き摺り込まれ、防御のために分泌される粘液で溺れて死んでしまう例も多数報告されているため、少しでもそれに抵抗できるように大型化したのかもしれない。

ヒメマイマイカブリ2齢幼虫
キタマイマイカブリ1齢幼虫
ツシマカブリモドキ1齢幼虫

また、尾端にあるトゲは非常に鋭く、外敵に襲われた際の抵抗にも使われる。指に刺されば流血する事すらある。

カタツムリを捕食するオオルリオサムシ幼虫。
尾端を出すとカタツムリを
邪悪にしたかのような姿になる。

これらの幼虫はカタツムリを捕食対象として利用しつつ、その殻を外敵から身を守るシェルターとしても使う。
その際に尾端に鋭いトゲを備えておく事で、外敵を追い払う事に有利に働いていると思われる。
殻内に潜って捕食をしている時に他の幼虫が同じカタツムリに食らいつこうとすると、トゲを激しく振り回して抵抗する様子が観察できる。
襲ってくる相手が幼虫そのものではなく、餌のカタツムリを狙う同種である場合もあり、その際もトゲが防衛に活用される。競合相手を追い払う事にも繋がっているのは合理的だ。
尚、その様子を観察しようとすると『噛みつかれた幼虫』もしくは『トゲを刺された幼虫』のどちらかが怪我を負い、脱皮不全に繋がる場合もあるので、幼虫の多頭飼育も含めて推奨はしない。



帰宅時、近所にてエゾカタビロオサムシが一度に3個体も見つかった。以下画像は全て別個体。
この近辺では年に1度見れるか否かというレア度だったので、非常に驚いた。
大量発生でもあったのだろうか。

カタビロオサムシの仲間は樹上や草上を登り、芋虫や毛虫等の鱗翅目幼虫を専食する種なので、それらの大量発生が起きた条件の年や翌年にはよく見られるようになる。

また、より登攀性とうはんせいの高いクロカタビロオサムシはサクラ等の街路樹に発生する毛虫も餌にするため、都会で見られる事もあると聞く。

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