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今は亡き?5万分の1

「5万分の1」と言えば地図、と浮かぶのは50代以上かもしれない。
かつては、大きい書店なら間違いなく奥まったところに地図のコーナーがあって、「5万分の1」は、横に広い引き出しに地域別に収められていた。
僕は「5万分の1」を眺めるのが楽しかった。
行ったことのない町の成り立ちを、役所、警察、消防署などいろいろな地図記号で理解して、等高線で起伏を想像した。

高校生の時、まとめ買いをしたことが一度ある。
ほとんど衝動的に宣言して、ひとりで歩いて伊豆半島を一周することになったから。
半島一周というからには、可能な限り海岸線に沿いを歩くべきだと思って海岸線を含む「5万分の1」を買い揃えた。「5万分の1」と共に7日間で踏破した。

今はGooglemap。
地図記号なんか覚える必要もない。
スマホの位置情報をオンにしておけばいいし、コンパスのアプリだってある。

だから、旅先での方向感覚という、僕の数少ない秀でた能力を活かす機会も無くなった。

地図が眺めているだけで楽しかった時は、だいぶ昔のことになってしまった。

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