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みらいのあたりまえの物語

結論

地球外少年少女」を観た。おもしろかったので是非観てほしい。以上。

作品鑑賞の前に書いた、磯監督のインタビューに対する所感は次の通り。作品を観ると、インタビューで語っている監督の思想が作品に強く反映されていることが感じられる。

作品そのものの評価は個々人に委ねるとして、今回は作品の周辺の感想を書き連ねる。以下、ネタバレも含む。

ぼくたち(わたしたち)が世界を救う物語

子供たちがトラブルに巻き込まれ、いつの間にか世界の危機に直面する展開が好きだ。物語の中心に子供たちがいて、大人も登場するがあくまで補助にまわる立ち位置で話が進行する。今作もそんな作品である。

同じような作品として、例えば、映像作品ではなくゲームの事例を挙げると、「ロックマンエグゼ」シリーズも同じように世界の危機を子供たちが救う話だと思う。他の作品も挙げればキリがないし、たくさんの名作があるので、ここで詳細には立ち入らない。あえて一例挙げたのは、近未来をうまく描いている点もなんとなく共通していると感じたためである。

現実世界では、小学生や中学生が世界を背負うことはほとんどないし、簡単に解決できるほど世界の問題は単純ではない。それでも、未来に希望を託す意味では、子供が中心にあって、ぼくたち(わたしたち)が世界を救う物語であることが、作品が扱うテーマと一致して重要であるように感じた。

身近で過酷な宇宙生活

作品公開の直前にテレビでメイキング特番が放送されていた。第一話と第六話の制作に密着し、磯監督に加えて制作・監督助手の寺田和生氏や多くのスタッフにもスポットを当てた映像でよかった。製作現場の様子から、様々なことに挑戦するクリエイティブな雰囲気が伝わってきた。

メイキングの中で、この作品では商業宇宙の時代がはじまることで広がる、未来の身近な宇宙を描いていることが語られている。布を使ったシェルターのような柔らかい素材が多用される表現で、新しい宇宙生活の一例を示している。

このような、これまでにないビジュアルを追求しつつ、映画「Gravity(邦題:ゼロ・グラビティ)」とも並ぶような宇宙の過酷さも同時に描いてる点もこの作品の魅力である。緩急のバランスと情報密度の濃さ、それでいて一貫して子供が楽しめるエンターテイメントなのである。

余談だが、私はメイキングは作品鑑賞後に観る派である。製作現場の様子というのは往々にしてネタバレしやすいので、鑑賞前だと安心した気持ちで観られない。

最後に繰り返しになるが、この作品はおもしろいので皆さんぜひ観てほしい。これが未来予測となるかはわからないが、少なくとも未来の可能性に前向きになるエネルギーを与えてくれる。


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