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エクストリーム親不孝してるかもしれない話

あけましておめでとうございます。正月で3キロ太りました。
フェイスブックでは意識の高い投稿に殴られ、ツイッターでは炎上し、2018年第4クオーターの僕の心はすっかり荒れ果ててしまいました。
でも、今は2019年。だから気持ちを切り替えていきたい、だからできるだけ意識の低いことを書きたい、そう思い筆を取りました。

さてこの話は女人禁制です。
ポリティカルコレクトネスが声高に叫ばれる昨今ですから「女人禁制とは何事か!」というお声があることも重々承知です。その上であえて僕はこの話を女人禁制とさせていただきたい。
いいですか、この話は女人禁制です。

女人はお帰りください。


女人はお帰りください。


女人はお帰りください。


女人はお帰りください。


いいですか?女人はお帰りください。


もう警告しましたよ?


最終通告です。女人はお帰りください。




はじめます。
「お宝」の話です。

みなさんにとっての「お宝」とはなんでしょうか?

大事なお友達?
大好きな家族?
大切な人からもらったプレゼント?

いいですね、素晴らしいですね、それは宝物ですね。

この年始に妻を連れて実家へ帰った時の事です。

実家には妹夫婦やいとこも来ており、とても賑やかな空気の中で食事をし、お酒を飲み、こたつに入ってテレビを見ながら過ごしておりました。
なんてことないお正月の風景です。

ゆっくりの昼食が終わり、妹夫婦が早めに帰ってやや弛緩した空気が流れる午後3時過ぎ。
こたつで寝ていた我々を見た母親が
「夕飯の時間まで上のあんたの部屋で寝てたら?」
と提案してきました。

今は物置になっている元僕の部屋は、妹夫婦が泊まりに来るということで親が綺麗に片付けてくれていたのです。

それで眠い目でのそのそと二階に上がり元僕の部屋に入ると、以前の物置状態が嘘かのように綺麗に片付いている。
それを見て安心した僕は、うたた寝の続きをしようと布団に入りました。

その直後でしょうか。妻が
「ヤバいものある?」
と、冗談半分で聞いてきました。

別に僕にとってそれは隠すことでもないので
「あーはいはい、ヤバいものね。それは◯◯の下の◯◯の中にね…」
と目線を動かすも、

無い。

◯◯の下の◯◯が跡形もなく無い。

「ヤバいものが…無い…!?」

目を丸くする妻。

一応ここで歴史的経緯を説明しておくと、僕が育った家族の中では、僕のお宝の存在とその所在は半ば公然の秘密です。
僕としては
「まー知られてはいるだろうけど、みんなそこをわざわざつつかないし、それはまあ家族といえども空気読んでね、いきましょうや」
というスタンスであり、父も母も妹も、まあ薄々というかバッチリ知ってるだろうという感じなのです。直接聞いた訳ではありませんが、もうなんというか「家族はみんな知ってる感」があるんです。僕のお宝には。

そもそもそのお宝も、大学生くらいの頃には「誰か後輩に引き継がないとな…」と思っていたくらいのものだったのが、時間という手からこぼれ落ちる砂つぶを、たかが砂つぶと侮り続けて早15年…なんとなくここまで来てしまっただけのものなのです。あの頃「ねぇ、お宝いる?」と声をかけた彼は、今これを読んでくれているのかな、どうかな。

もちろん秘密のお宝ですから詳細は内緒ですが、秘密の中では比較的緩めの秘密で、詳細知られたら人生終わる!みたいなものでは全く無く、割と普通な感じのものです。伝わりますかねこのニュアンス。もし分からなければ、辛そうで辛くないちょっと辛いラー油の辛さくらいと思ってください。大体それで合ってます。

そんな秘伝のラー油がダンボール丸々二箱分消えていた訳ですから驚きです。

これを片付けたのは父親なのか母親なのか。
完全に廃棄されているのか、はたまた丸々保存されたまま家のどこかに眠っているのか。何も分かりません。

ただ願わくば、捨てられることなく家のどこかに丸々眠っていればと思うのです。
だって還暦過ぎた親が、三十路を過ぎた息子のお宝を、燃える、燃えない、燃える、燃えない、、と分別する様子は想像したくありませんよね。この歳でのエクストリーム親不孝は避けたいところ。

無いものについていくら考えても仕方がないので、結局妻と
「無いなぁ」
「無いねぇ」
と顔を見合わせた後に昼寝をし、夕飯を食べて帰りました。

さて、消え去ったダンボール二箱分のラー油はどうなったのか。僕から親にその行方を聞くことはできませんし、親の方から言ってくることも無いのでしょう。

でも、多分ですが、捨てずにとってあるはずです。
なんとなく分かります。だって家族ですから。

もし数十年か後に、親が二人とも亡くなって、実家の片付けをしている時にぽっとそれが出てきたら。。ただのラー油であるにも関わらず、もしかしたら僕は少し泣いてしまうかもしれません。
そんなことを考えて感傷的になったお正月でした。

おしまい。

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