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#90 サボりもタメになる!長続きする組織の秘訣は〝仕事7割〟説

先日の読売新聞の記事です。タイトルは「働かない蟻の価値は」
働き蟻っていますよね。でも、一定数さぼってるありがいる、そんな話を聞いたことがある人多いのではないかと思います。さぼっている蟻は、ずっとさぼっていると僕は思っていたのですが、どうやら違うようなのです。

記事を紹介させていただきます。

サブタイトルは「緊急事態に出勤する待機要員」いろいろとちょっと割愛しますが…

「北海道大学の長谷川准教授が日本全国にいるシワクシケアリを観察したところ、全体の2割程度の働き蟻で仕事をしている素振りが見られなかった。さらに、コンピュータを使って、働き蟻が一斉に働くコロニーと、働かない蟻が一定程度いるコロニーを比較すると、働かない蟻がいる方がやや長く存続することがわかったという。一斉に働くと、短期的には仕事の効率は良いが、やがて皆疲れて動けなくなる。卵の世話など中断できない仕事が滞ってコロニー全体の維持に影響する。働かない蟻がいれば、疲れて休んでいる蟻に変わって働ける。長谷川さんは働かない蟻は緊急事態に出動する待機要員と推測。目先の効率だけを追い求めすぎると、その集団は早く滅ぶと指摘する」

読売新聞から一部抜粋

つまり、ずっとさぼっているわけではなかったんです。
あくまでも研究結果に基づく推測です。
2割程度、働いていない蟻がいた。でも、働き蟻たちがバタバタ倒れて疲れてしまい仕事が滞ったときに、この待機要員が出動していたと、そういうことらしいのです。

だから、彼は組織に対しては一定数、こういう人は必要なんだということを言っています。
さらに「仕事は7割で」というサブタイトルで無駄学という本も書かれている、東京大学先端科学技術研究センターの西成教授の解説が載っています。

「7割くらいの力やメンバーで取り組み予定の間にはゆとりをもうける、という仕事術」を提唱。「仮に、病欠などが相次いだとしても、残り3割のメンバーでカバーできる。この3割は短期的には無駄に見えても、長期的な計画を立てたり、詰まってしまった予定を解消したりするのに使える」

読売新聞より一部抜粋

全員が全員、フルパワー・フルスイングで臨んでいると、誰か1人欠けてしまうと、そのプロジェクトや組織が成り立たなくなってしまう可能性が非常に大きい。でも余剰人員というか、力にゆとりを持たせておけば、何かあったときに、通常通りの対応ができる。

いつか必ずくる一大事のために

報道も、全員が全員もちろん、フルパワーでやっているわけではありません。僕が今、担当しているのは土曜日と日曜日の夕方のニュースで、平日は何をしているかというと、企画のVTR用のリサーチをしたり、ロケハンに行ったり、もしくはそういった情報をいっぱい持ってるPR会社の子たちと会って情報交換をしたり、そういった活動をしていて、いわゆるその日のオンエアに直結する仕事をしているわけではありません。

そして、リモートも活用していますので、家にいることもだいぶ多くなりました。

ただし、安倍元総理が銃撃されたとき、あれは平日金曜日でしたが、僕は午後から夜の、たしか23時ぐらいまで特別番組の対応をしていました。そして、安倍元総理の国葬も、あれは確か火曜日だったと思いますが、僕は月曜日と火曜日が休みなので、番組の対応をしました。

平日のチームだけだと、とてもではないけれど、回せないんですね。平日は平日でフルスイングでやっていますので。一方で、土曜日と日曜日、何か大きな災害があったときは、駆けつけてくれます。

これがもし、全員が全員、フルスイングでやっていたら、とてもじゃないけどもまわりませんよね。

その昔、僕はニューヨーク支局に4年間いたのですが、ぶっちゃけると毎日毎日、何かオンエアに直結する取材仕事があるわけではないんですね。やはり日本の報道番組ですので、日本国内で起きていることが、トッププライオリティ。もちろん大統領選挙ですとか、ものすごく大きな災害が海外で発生した場合、あと今回のケースでいうとウクライナの戦争ですね、ロシアによる軍事侵攻、このような大きなニュースが発生した場合はもちろん海外支局がフルスイングになるのですが、平時においては毎日そんなにやることがあるのかといえば、そうでもありません。

ただし、何か大きな事態が発生したときは、もちろんそのときはフルスイングで対応しなければいけません。

ニューヨーク赴任中にハイチで大地震がありました。このときは3週間ぐらい現場に行っていました。食べるものがろくになく、 3、4キロ痩せて帰ってきました。そして、その翌月にはバンクーバーオリンピック。
一説には数十万人が亡くなったと言われているハイチの大地震から帰ってきた数日後には冬の祭典、バンクーバーオリンピック。本当に世の中ってのは…なんて思いながら取材していましたけれども、あのときは2ヶ月間、ほぼフルスイングで仕事をしていました。

ただしそれが終わってみると、またのんびりと、というかせかせか仕事しなくていい日々が始まるわけです。

ただ、2011年3月11日の東日本大震災の際は、もうとてもではないけれども東京にいる人間では間に合わない、ということで、世界中に散らばっている特派員が呼び戻されました。

だから、組織というもの、そして仕事は、7割ほどの力で、というのはこれはなんとなくその通りだなと思いました。

普段の日常のワーク、そういったものは7割程度の力でやっておかないともたない。もちろん、本気出すときはありますよ。大きなプロジェクトであったり、これぞという一大事。それはもう120%の力を出してやらなくてはいけないと僕自身も思っていますし、そうしているのですが、そのときのために普段は7割程度、3割ぐらい心のゆとり、そういったものがあった方が自分自身とても健やかに生きていける。

皆様の仕事っぷり。家でもそう、会社でもそう。いかがでしょうか。
今一度見直してみる機会かもしれません。

(voicy 2022年10月15日配信)

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