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#50 あえてハードル下げて!元ニューヨーカーの英語学習法

小学生の時に4年間イギリスに住んでいました。そしてフジテレビのアナウンサーになってから9年後にニューヨーク特派員になり4年間アメリカに行っていました。合計8年間、英語圏で暮らしていたのですが、そこまで英語ができるかといわれたら、日常生活を送る分には問題ないのですが、仕事となると、ちょっと自分の不正確さが心配になって、同僚のスタッフによく聞いたりしていました。

その私が語学学習法を語るなんてと思いますが…

英語であったり他の外国語でもいいのですが、とっつきにくさをどうやって下げていくか、そんな話ができればなあと思っています。

英語が母国語でない者同士だと楽しい

アメリカって移民であったり、移住であったり、他国から来てる人がすごく多いんですよね。だから英語が純粋な母国語ではない人もたくさんいて、もちろんそれは僕も含まれるんですけれども、あえて母国語が英語じゃない人との付き合いを増やしていくと、語学のハードルがぐっと下がるんですね。

ボキャブラリーとか、例えば文法的なものであったりとか、そういったもののレベルが一緒だとすごく気が楽なんです。これは、成長はしません。成長はしませんが、ハードル、そのとっつきにくさがぐっと落ちるんですね。そして何より楽しい。

英語が母国語の人と食事や仕事なり何なりで話をしていると、もう途中から集中力が途切れちゃって、何言ってるかよくわからなくなって、結局曖昧な返事に終始しちゃったりします。

アメリカの方々は、これはあくまでも印象なんですが、一つの質問に対し10ぐらい何か答えが返ってくるから、とりあえず一つ球投げておけば、あとは会話が続く、という状況になります。確かにすごく集中すれば勉強にはなると思うんですが、ずっとそれを続けてると、僕なんて自分に甘い人間なので、もうすぐ心折れちゃうんですよね。

そういうときはあえてハードルを下げる。

自分と語彙力、ボキャブラリーが同じぐらいの人と会話をしてみる。お互い一生懸命、必死に伝えようとしますよね。その場で調べたりする、そういった学びもあります。何より、楽しい。これが一番。楽しまないと絶対に身につきませんから。

だからあえてハードルを下げる、これも一つの手だと思います。

「危機」に直面すれば絶対に覚える

NY支局は中南米も取材エリアになるので、行くことがすごく多かったです。
旅行でも行きました。スペイン語を使う国が多いのですが、全然わからないんです。それをどうやって学んでいくか。

やっぱり自分の好きなもの関心があるものじゃないと覚えないんですよ。
例えばレストランに行きました。まったく英語通じないんですよ。英語なんて、みんな多少できるんじゃないか。しかも、中南米というぐらいだから、通じるんじゃないかと思っていたのですが、全く通じないんですよね。

ペルーに行ったとき、レストランでとにかく僕はビールが飲みたかったんです。ビアーとかビア!とか言っても全然通じない。ビアグラスもっているふりをして、プシューとか言って飲んだる真似しても全く通じなくて、最後は「もうこっち来い」みたいな感じで厨房に連れて行かれました。「どれだ?」という感じで聞かれて、探すとビアサーバーがあったので指を刺して「これだ!」と。そしたら「セルベッサ」だと。10年以上昔の話ですが、やっぱり覚えてますよ。自分が欲するもの、とにかく欲しいもの、この単語を覚えないと通じないんですもん。ビールがセルベッサ。全然違いますよね。通じるわけがありません。

真夏の南米にいったとき、今度は水がほしい。これまた「ウォーター」が全然通じない。だってビールがセルベッサですからね。今でこそ、こんなスマホで自動翻訳だったりその場で調べたりできるけれども、当時、10数年前なんですけれども、そんな機能なかったんですよ。しかも、アメリカで使ってるスマホを中南米に持って行っているから、外で使うとデータ料金とか凄まじいことになるので、そう簡単にやすやすと使えない。

また同じです。露天のひとが「どれだ?」と冷蔵庫をあけたので「これだ!」と。アグアというそうです

あとは数はどうすりゃいいのか。

当然、ワンツースリー通じません。指で出すしかないんですけれども、例えば2本指出しますよね。すると現地の人が「ドス」っていうわけです。さらに教えてくれました。ウノ、ドス、トレス。これが1 2 3なんですね。ちなみに僕は3までしか覚えられなかったんですけれども。なぜならそこまで言えるとたいてい事足りるんです。

ウノさえわかっていれば、ウノを5回言えば5本くれるんです(笑)

だから、ものすごくハードルを下げた語学学習法ですけが、とにかく自分が欲すること、楽しい分野から始める。これが一番。絶対覚えます。

まったく言葉が通じない軍人と心がつながった瞬間

ちなみにこれはまったくもって余談になりますが、ハイチで30万人以上が亡くなる、もしくは行方不明になった大地震がありました。ハイチは島国で隣にドミニカという国があります。取材で発災直後のハイチに行ったのですが、何日も飲まず食わずのような生活を送っていたので、精神ともにだいぶくたびれちゃって、1回引き上げようということでドミニカに行きました。車で何時間も何時間もかかるのですが、国境近くでトイレに行きたくなっちゃって。

あそこってもはや英語でもフランス語でもスペイン語でもなくて、現地の言葉があって、まったくもって何にも通じないんですね。笑顔しか通じない。で、国境線近くになって軍隊の人たちがたくさんいたから、ここならトイレがあるんじゃないかと思ったわけです。

車から降りていろいろと探したのだけれど見当たらない。で、軍人さんたちが「あいつ何やってんだ」みたいな顔で見ているわけです。警戒しているわけではなくて、興味を持っているんです。そもそも日本人を見たのがおそらく初めてだったのではないか。するとしばらく僕を見ていた軍人のひとりが、「ピュー」と口笛を僕に向かってふいて身振り交えながら「こっちに来い」と言うわけですよ(たぶんそう言っていた)。で、近づいてみると、彼が股間に指を当てて、左右にに揺らしながら「シューシュー」と言いました。つまり「お前、おしっこしたいのか?」とジェスチャー交えて聞くわけです(たぶん)。

よくわかったな、と。そんなに僕はソワソワしていたのかな、と。で、そうだ、そうだ、と答えたら軍の中のトイレを案内してくれました。

究極的にはですね、言葉が通じなくてもどうにかなる。いざ、生命の危機、本当にやばいときは身振り手振りでどうにかなります。そのぐらいの感覚でぶつかっていけば、いろんな単語も覚えていきます。

どんな外国語でもいいんですが、それらとどうやって向き合っていくと覚えていけるのか。どうやって楽しんで学べるか。そんなお話ができたらな、と思い自分の体験談をお話させていただきました。

あんまり中身がない話で申し訳ございませんでした。

(voicy 2022年7月4日配信)

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