みずなが ともよ

地域小学校へ通う9才重症心身障害児。 11才ギフテッドホームスクール長女。 全ての子ど…

みずなが ともよ

地域小学校へ通う9才重症心身障害児。 11才ギフテッドホームスクール長女。 全ての子どもたちが肯定される社会。 自由な発想で生きること。身体状態にとらわれない生き方。 音好きでたまにDJ。 学生時代はカリフォルニア。 今は大阪人。ビールが好き。 最近は女子大生になりました。

マガジン

  • 水永の脳内メモ

    重度障害児を育てる親として、重度障害児者を支援する法人の代表として、自身の脳内整理のための日記。

  • 不完全ないのち、私、そして社会。

    • 4本

    在宅医療児、重症心身障害児リオナが生きていくのか生かされていくのか。支援の本当の意味とは。改めて考えるきっかけをつくっていく。

最近の記事

障害を〈文化〉として捉えること、〈個性〉として捉えること、の違い

「障害は個性である」という見方をする人がいる中で、私自身釈然としない部分があった。〈障害と子どもたちの生きるかたち:浜田寿美男〉の本の中に、「個性というのはあくまで個人の特性にかかわることで、そこからは人どうしが生きる、その共同的な生き方が見えてきません。」と言い、文化とは人びとの生きるかたちのことで、人それぞれが背負った生きる条件に応じで生きていくしかない人たちが作りあげる文化であることを言っている。 重度重複障害児者のAT(Assistive Technology)

    • 全ての命が肯定される一歩を

      8年前の1月21日。リオナが生まれた。 新生児仮死で生まれた彼女は大きな病院のNICUへ搬送され、重度の低酸素脳症から重度脳性麻痺となった。 今でこそ、彼女の障害も医療的ケアも受け入れ、毎日それが彼女の当たり前なのだと思えるが、生まれてからの半年はどうやって彼女と社会から消えるかということばかりを考えていた。 NICUに毎日通いながら先の見えない我が子の未来。 生きている意味のない私とリオナ。 ここから飛び降りたらいけるかな?いや、そこは退院してから電車かな。 と、ずーっ

      • 腕頭動脈オペ

        喉頭気管分離のオペをしてから1ヶ月が過ぎた。 オペ後のリオナを見るのは辛く、正直受け入れるまで少し時間が必要であった。 新たに加わるケアの手技を習得して退院かと思っていたら、次から次へとトラブルが出てきた。 その中でも、ある程度予測はしていた首から入る筋緊張で反り返るカニューレトラブル。 総合的に見てベストな長さのカニューレでCTで確認すると、カニューレの先端が腕頭動脈の前にある状態。 腕頭動脈を縛るオペをしなければいけないのは一目瞭然だった。 私としては喉頭気管分離の

        • 重度障害児の意思決定

          カチカチ山のタヌキのピンチに目を離せないリオナ。 状態は少しずつ落ち着き、ネーザルハイフローに行ったり来たり。 新年早々呼吸状態が悪くなり救急搬送し、2週間近くPICUで治療。 健康な人であればなんてことない風邪も、リオナは肺炎になり重症化する。 コロナ禍ということもあり、PICUの面会はゼロ。 家族の誰にも会わずに1日過ごす経験なんてしたことのないリオナ。ましてや、自身で意思表示しても普段関わったことのない人たちには伝わらない。 先日PICUから出てきて小児病棟での付き

        障害を〈文化〉として捉えること、〈個性〉として捉えること、の違い

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        • 水永の脳内メモ
          1本
          ¥555
        • 不完全ないのち、私、そして社会。
          4本

        記事

          ドキドキの1年生中間報告

          2021年が終わる。 変化の大きな1年だった。 医療的ケアもある重度障害のリオナが地域の小学校へ通う日々は、ドタバタで、その間体調不良や入院もあり、健康な子どものように元気に通えて当たり前という訳ではなかった。 1学期の懇談では担任からは 「どうしたらいいですか?」と、想定内の話をされ、支援担や教頭のおかげでなんとか1学期を過ごすことができたという感じであった。 30人以上生徒が居る教室に、みんなよりは大きなリオナの座位保持椅子。そしてカットテーブル。 リオナが欠席の時

          ドキドキの1年生中間報告

          4回目を迎えるイベントの意義

          2021年11月6日(土)10時から開催の「第4回HCKプロジェクト 重度障害児のための最新デジタルツール講習会&体験会」 詳しくはこちらから↓↓ 私が書きたいのは、今回のイベントの内容についてとかではなく、4回目を迎えるにあたって、なぜ自分がこのイベントをしたいと思ったのかである。 「ただ生きているだけ」と思い込み、希望もなければ自分の人生が終わったとまで思っていたのは今から約7年前。 生まれてきた次女は低酸素脳症となり、重度脳性麻痺の医療的ケア児となった。 涼緒奈

          4回目を迎えるイベントの意義

          長女の生き方の手段を増やすために

          昨年の10月から不登校になった長女は現在、たくさんの大人たちに助けてもらって生活している。 不登校になって多くの保護者が不安となるのは勉強面。 私もそこをどうするかを一番考えた。 彼女が楽しいと思える学習塾のオンライン授業を受けることで何とかなったものの、知識ばかりが増え、実生活に落とし込むためにホームスクールですることに、私の限界が見えていた。 そんな中たどり着いたのがちょっと変わった塾。 塾長はその子に合わせてその子の深めたいこと、必要なことを学ばせてくれる。 長

          長女の生き方の手段を増やすために

          本当の人権教育とは

          長女とリオナは、同じ地域の通っているものの、姉妹で必要な支援も、学校での過ごし方も全く違う。 リオナは常時看護師の介助員がつき、医療的ケアをしながら、本人の体調を見てクラスで過ごしたり、支援級で過ごしたりと、本人のペースで地域の学校で過ごしている。 見るからに障害があり、健康と言われる子どもたちの中でのリオナは、配慮が必要だとよくわかる。 (長女がアンパンマンを置いたのに、「りおちゃん、アンパンチされてるで??」といつものようにチャチャを入れている…) 一方長女は、見

          本当の人権教育とは

          地域公立小学校1年生へのプレゼン

          リオナの通う小学校から、リオナのことを話して欲しいとのことで、1時間使ってリオナのことを話してきました。 パワーポイントでスライドを作るも、言葉を入れても一年生には難しいということもあり、一年生でも理解できるように可視化することに2週間考えた。 どんな風に伝えたらいいか、何を伝えたいのかを仲間たちにアウトプットすることで辿り着いたのは、リオナのことを知ってね、わかってね、こうしてね、という一方的なものではなく、リオナという1人の人間とクラスの子どもたちが同じ人間であり、そ

          地域公立小学校1年生へのプレゼン

          人の最終形態

          人の望む最終形態は、自身の望まない形であることの方が多いはずなのに、人はその日まで自身の最終形態を知ることなく、日々一生懸命生きている。 最近でこそ、最後はどのような形で迎えるか、その日までどう過ごすかと話し合える場が持てたとはいえ、その頃には当事者が判断できる状態でないことも多い。 ましてや、意思疎通の難しい身体状態の人に対しては、予測と周りの利便性でしか判断できないのが現状ではないか。 老人ホームでのんびり優雅に過ごしていた祖母が、本人も想定してない急変に、気がつけ

          長女8歳なりました

          先日8歳になった長女。 昨年の10月から学校へ行くとをやめて、ホームスクールになった長女。 家庭で学習に取り組み、好きなことをとことんする生活。 運動会前頃から学校への嫌悪感を吐露し始めていた長女。 ○行きたくない。 ○誰も自分の言ってることをわかってくれない。 ○授業もつまらない。 ○何でできることを何度もやらされるんだ。 などと、日に日にストレスを抱えているのが見え、癇癪がひどくなり、学校から帰るとリオナの訪問看護師さんに悪態をついたり、リオナに暴言をはいたり、泣

          長女8歳なりました

          こどもたちのこころを育む活動エントリー

          2021年初投稿となります! 今年もみなさまよろしくお願い申し上げます🤲 昨年はコロナ禍のスタートでもあり、集まっての体験会や研修会を実施できない中、私たちできわかクリエイターズは何ができるのかと、模索した半年でもありました。 しかし、重度障害や基礎疾患がある人が外出し辛い状況はコロナ禍以前からあり、今に始まったことではないのです。 オンラインで研修会をやろう!とスタートさせてみて分かった、オンラインだからこそ参加できる人たちがたくさんいること。場所を問わず参加できるこ

          こどもたちのこころを育む活動エントリー

          1年ありがとうございました

          2020年が終わるので、少し振り返りを。 本年は沢山の方々に支えられた1年であり、自身の無意識のうちに植え付けられている思想に常に疑問を抱く作業をする1年でした。 障害や病気があるから仕方がない。 この程度でいいでしょ。 福祉機器のこれでいいでしょ。 それをやっても意味がないでしょ。 お母さんが頑張らなければいけないでしょ。 と、どこまでいっても当事者の気持ちは置いていかれ、親ががんばらなければ、障害や病気のある子どもたちが当たり前とされる機会や物が与えられない。 いい加

          1年ありがとうございました

          第3回HCKプロジェクト

          今年はコロナもあり会場開催を諦め、オンライン開催をしました! 140名を超える参加者に午前は講師陣の講演、午後は重度障害児者が参加できるオンラインイベントをおこないました。 当事者、当事者家族、コメディカル、教育関係、メーカーなど、様々な立場の方が参加してくださり、来年も開催してほしい!!とのお声をいただき大変嬉しくおもっております。 来年はハイブリッド開催を目標に、重度障害児が更に楽しめるイベントを作り上げたいと思います! 参加してくださったみなさま、そしてスタッフ

          第3回HCKプロジェクト

          日常すらない日常

          2月の中旬からリオナのリハビリ入院の付き添い入院を9週間し、その間に緊急事態宣言が出た。 緊急事態宣言があってもなくても、好きな時に、好きな場所に行けるわけではないリオナとの生活が5年。子育て家庭が子どもを遊ばせる場所や、在宅で子どもをどう見るかと試行錯誤しているのを私は傍観して過ごしてい 突然失った日常に戸惑い、みんなが大変であったであろうステイホーム期間。 遊びに行けない。  人に会えない。 収入が減る。 休校中の子どもの3度の食事。 デイサービスに行けなくなった家族

          日常すらない日常

          重度障害児者の生き方を左右する人

          6月13日オンラインイベントをします! 「できわかクリエイターズ」という団体を立ち上げ、その第1回目の研修会です。 「リオナちゃんと関わるには、ボタンスイッチや視線入力などの機器の扱いができなければいけない」と思っている支援者たちがいる。 私はリオナに関わる支援者達全員がスイッチを作れたり、視線入力の設定ができるようになってほしい、と思っているわけではない。 ただ知ってもらい、知識として、重度障害児者の選択肢のひとつに、こんなものがあるということを知るだけ

          重度障害児者の生き方を左右する人