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【世界酒場放浪記#9】インドでお酒が飲めたり飲めなかったり、飲めても飲まなかったり

インドは、何度行っても分からないし、なんなら行けば行くほど分からなくなる不思議な国。

よくこれからインドに行く友人にアドバイスを求められるのですが、
「日本の価値観を突き通そうとすると、ボッコボコにされるよ」
という話はよくしています。何もかもうまくいかず不満と怒りだけがたまる日々。つらいです。インド嫌いな人はきっとここでつまずいていると思われる。
でも、こちらの常識やこだわりを捨てて、インドの流れに身をまかせてみるとアラ不思議。驚くようなミラクルが起きたりもするんです。
インドでの摩訶不思議な体験を聞いても、「ああ、インドならあり得るかもね」と、インドに行ったことがある人なら皆声をそろえるはず。私もしばしば理解不能な状況に遭遇しました。

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そんなインドのなかなかユニークなお酒事情の話です。

まず前提として、国としては飲酒は合法。
ただし、人口の大半を占めるヒンドゥー教やイスラム教では好まれていないので、コソコソ飲むことになります。それでも呑兵衛はたくさんいます。

お酒が飲める年齢は州によって異なります。デリーは25歳、ムンバイは21歳だったかな。

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さらに、エリアによって禁酒だったりするのですが、これがなかなかトリッキー。
州としてNGなのは、西部のグジャラート州や東部のビハール州など4州ほど。グジャラート州は外国人なら公認のリカーショップで購入可ですが。

合法な州でも、エリアによって飲めたり飲めなかったりするから、これがまたややこしい。
飲めないのは、だいたいは聖地系。
例えば、
多くの遺跡や寺院が残されている南部の街「ハンピ」は、街全体が聖域なのでお酒と肉は手に入りません。
インドを代表する風景が広がる「バラナシ」も、聖なる川であるガンジス川から500m以内でのお酒の販売は禁止されています。
ヒンドゥー教7大聖地のひとつに数えられる「ハリドワール」やヨガの聖地で修行僧が多い「リシケシ」も酒肉はNGです。

「とはいえ、インドだし、どうせどこかで売ってるんでしょ?」
と高をくくっていましたが、これが意外ときちんと守られているんですよね。
バラナシは観光地なのでがんばれば外国人は飲めましたが、それ以外は見かけなかったな。

あ、リシケシの場合は少しだけ北に歩くと森の中に隠れエリアがあって、そこのレストランではお酒が飲めるというのは意外と知られていないかも。
それでも大っぴらにはしていないようで、
合言葉は「アップルジュースください」。
こう言うと新聞紙に包まれた瓶ビールがこそっと登場。飲んでる間は瓶はテーブルの足元に隠すように言われます。

あとは、幹線道路から500m以内も酒販業者の営業が禁じられているのだそう。

あとあと、合法の場所でも、独立記念日などの特定の祝祭日は「ドライデー(禁酒日)」なるものになったりします。炎天下で一日中歩き疲れて「夕食に冷たいビール飲むどー!」と入ったレストランでドライデーを告げられた時の悲しさよ。。(下の写真は色かけ祭「ホーリー」の様子)

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ちなみに、デリーやムンバイの若者エリアや大きな観光地を除いては、女性がお酒を飲むなんて言語道断といった空気がただよっています。
酒屋で並んでいたり、バーで飲んでいたりすると、ゴミを見るような目つきで見られることも。なので、ローカルエリアでは「飲めても飲まない」というレアカードを使う夜もありました。宿のお母さんに嫌われたら大変だもの。

それでも、あの常夏の地でビールを飲まないなんて至難の業。カレーもビールに合いますしね♡

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