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地方がイノベーションを起こせるのか?〜IoTの“辺境(フロンティア)”〜

こんにちは!Webマーケティングチームの山崎です。
静岡を飛び出して岐阜県は大垣市に行ってまいりました!!

今回の目的は、【岐阜イノベーション工房】によるシンポジウム
「IoTの“辺境(フロンティア)” 」に参加するためです。

岐阜イノベーション工房とは
イノベーション創出に挑戦するための風土を岐阜県内に醸成することを目的に、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]が2018年度より主催する取り組みです。

詳しくはこちら↓

なぜこのイベントに参加したか?

私たちの静岡のような地方都市こそ、コンパクトに地場の企業同士が横に繋がって、イノベーションを起こせないか!

と思い、この【岐阜イノベーション工房】の事例から地方発イノベーションのヒントが得られればと思いました。

どんなイベントか?

IoTを切り口に、現在進行形のイノベーション事例を3名のプロフェッショナルからのプレゼンテーションとディスカッションにより、バズワードとして安易に使われてしまう「イノベーション」や「IoT」について、深掘りしていました。

第1部 講演「イノベーションをマネジメントする」
小林茂氏(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授)

「イノベーション」と「IoT」という言葉が使われてきた歴史を紐解きながら、イノベーションを起し、社会にインパクトを与えるために必要な考え方を富士フィルムや任天堂を事例にして、分かりやすく解説していただきました。
特に大事なポイントは以下3点とのこと、
① 既存事業の深化と新規事業の探索の同時進行
② 他分野の既存技術の水平思考(軸ずらし)
③ バリデーション(正しいプロダクトを作っているかという顧客視点)

第2部 講演「誰でも表現者になれる世界
菊川裕也氏(株式会社no new folk studio 代表)

LED×モーションセンサー×Bluetoothで、音楽に合わせて光ったり、足のステップで電子メロディを奏でることが可能なスマートフットウェアOrphe(オルフェ)の誕生ストーリーとこれからの展開を聞くことができました。

また、今後新規展開予定のランニングに特化したORPHE TRACKについても紹介。これはインソール内のセンサーにより自分の走り方の癖を分析でき、怪我のしにくい理想のフォームの改善提案やアプリと連動したトレーニング管理ができます。

また、そこで得られた走りのビッグデータは、三菱UFJ信託銀行が実施する「情報信託プラットフォーム(通称:情報銀行)」で活用され、データが利用されたデータの提供ユーザーに還元する、つまりORPHE TRACKを履いて走れば走るほど稼ぐことができる仕組みを実証実験中とのことです。

ランニングや歩行データの活用について、今後どのように進むのでしょうか。注目ですね!

個人的には、ミュージシャンの顔も持つ菊川さんの
「身近な日用品を楽器にすることができ、誰でも気軽に表現者になれる世界を実現したい」
という想いに胸が熱くなりました。

第3部 講演「アート×ブロックチェーンの可能性
施井泰平氏(スタートバーン株式会社 代表)

施井さんのスタートバーン社はブロックチェーンを活用した「アートブロックチェーンネットワーク」に接続するサービスStartbahn.orgを提供しています。

Startbahn.orgは、あなたとアートをつなげるウェブサービスです。
アート作品の登録・売買機能を提供すると同時に、ブロックチェーンの技術を用いた「改ざんや紛失することなく、永遠に作品の価値が残る」作品証明書発行・来歴証明が可能なサービスとなっています。

私たち一般的庶民になじみが薄かったアート作品がブロックチェーン技術と融合すると以下のことが可能になるというのです。
① 改ざんや紛失のない作品証明書発行・来歴証明
② アート投資の民主化
③ 権利の分割所有

また強く印象に残ったお話しとしては、
「アートの世界でもデジタルコンテンツがリアルな作品よりも高く価値が出ているものがある」とのことでした。
具体的には、何千万円クラスのアート作品でも買ったらUSBスティック1本渡されるだけのものもあるといいます。
私なら、そんな大きな買い物したのに、なんか寂しいなーと思ってしまうのですが、よく考えたら身近にもスマホゲームのガチャに何万円もつぎ込んでいる友人がいるので、根本的に同じ話なのでしょうね。

また逆説的にこうも言われていました。
「ブロックチェーンはデジタルに実存を与えるもの」だと。
たとえ話として、従来TVゲームの中のレアアイテムはそのゲームのセーブデータが消えてしまったらもうなくなってしまいますし、もちろん他タイトルではそのアイテムは使えません。
これがブロックチェーンで繋がると、デジタル上のアイテムの存在が証明され、横断的に利用できるようになるとのことです。

第4部 議論「地方発イノベーションは生まれるのか?

パネルディスカッションの議題の一つとして、図々しくも私が聞きたかった質問をぶつけてみました。すると…

その町(地元)でしか生まれないものを創造し、その地をメッカにしてしまえ!

との痛烈な議論が!実例として、鳥取砂丘がポケモンGOのメッカとなっており、ポケモンGOが出る前のゲームタイトル「イングレス」で知もとで盛り上がり、ポケモンGOで一気に火が付いたとのこと。

さらに、地方においては
「メンタリティの形成」
が鍵になる。
と、確かに首都圏に対し比べてしまったり、前例踏襲型という思考停止を起こしてしまったり、メンタルからイノベーションを起こしていかなけれならず、それこそ企業の枠を超えて「新結合」する必要があると私自身も強く感じました。

最後に 山﨑個人の考察「これからの静岡」

今回のシンポジウムのタイトルにもある「辺境」とは、
イノベーションを既存事業と切り離した独立の存在として位置づけず、上記のデザインのように既存の周りに衛星的に拡張していき、他の業界業種とも結合する可能性を持つことを表していました。

その概念の通り、静岡の思考・行動・プロダクトをアップデートし、かつ企業・行政・学校・個人が横にリンクし合い、目的地を共有(シェア)することが静岡発イノベーションを生むヒントになるのではと感じました。

アップデート・リンク・シェア
がキーワードになるかと思います!

まずは、静岡のマーケティングリテラシーの向上に、私ができることから行動に移したいと思います。

P.S. 樽見鉄道のローカル線の旅を妄想し、岐阜や名古屋の夜のネオンに後ろ髪を引かれながら静岡に帰りました。

Webマーケティングチーム 山﨑


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