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家族で歩く、長くて短い散策路

木漏れ日ゆれる散策路。
小さかった私も家族旅行で来た気がするな。
鳥の声、木々のざわめき、青や緑や赤の沼、土と葉っぱの匂い。
隣にいた妹の、思索にふけったり、無邪気に笑う顔。

妹の顔は覚えているのだけれど、親はどんな顔をしていただろう。


木漏れ日煌めく散策路。
私と夫を小さな2人が先導する。
足取りおぼつかない歩きはじめの弟と、拾った枝を握りしめ自作の歌を口ずさんで歩く兄。
顔を見合わせ2人で笑いあっている。

不意に2人が振り向く。

ママー!松ぼっくり!
マー!
パパー!お水いっぱい!うみ?
パー!

本当だ、松ぼっくりだね。
あれは、うみじゃなくて、みずうみ。

子の笑顔と親の笑顔が絡み合う。

ママ、手つなご。
ダッコー。

私は長男と手をつなぎ、夫は次男を抱っこする。
青い風が吹く森の中を、家族みんなで散歩する。

いつまで一緒に歩いてくれるかな。
できるだけ長く共に旅行したいと願うのは、旅先での親の顔を忘れるような私には贅沢だろうか。

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