執筆時の環境
・OS：macOS Catalina ver.10.15.5 
・アプリケーション： PowerPoint ver.16.38
・ライセンス：Microsoft 365 サブスクリプション

Windows版では容易に変更できるテーマフォント（デフォルトフォント）ですが、Mac版では設定することができません。アプリケーションから設定することができないので、テーマフォントの設定を記述したXMLファイルを特定のフォルダに保存し、ユーザー定義として読み込ませる必要があります。

1. テーマフォント設定ファイルの作成

適当なエディタを開き、まずは下記コードをコピペしてください。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<a:fontScheme xmlns:a="http://schemas.openxmlformats.org/drawingml/2006/main" name="Noto Sans CJK JP">
 <a:majorFont><a:latin typeface="見出しフォント（英数字）"/><a:ea typeface="見出しフォント（日本語）"/><a:cs typeface=""/></a:majorFont>
 <a:minorFont><a:latin typeface="本文フォント（英数字）"/><a:ea typeface="本文フォント（日本語）"/><a:cs typeface=""/></a:minorFont>
</a:fontScheme>

typeface="" に使用したいフォント名を入力します。
私の場合は「Noto Sans CJK JP」を愛用しているので、下記のように設定しています。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<a:fontScheme xmlns:a="http://schemas.openxmlformats.org/drawingml/2006/main" name="Noto Sans CJK JP">
 <a:majorFont><a:latin typeface="Noto Sans CJK JP Bold"/><a:ea typeface="Noto Sans CJK JP Bold"/><a:cs typeface=""/></a:majorFont>
 <a:minorFont><a:latin typeface="Noto Sans CJK JP Regular"/><a:ea typeface="Noto Sans CJK JP Regular"/><a:cs typeface=""/></a:minorFont>
</a:fontScheme>設定

設定できたら、わかりやすい名前を付けてデスクトップなどに保存します。（※拡張子はXMLで）

例）Noto Sans CJK JP.xml

2. テーマフォント設定ファイルの移動

テーマフォントファイルを下記に移動します。

/Users/【ユーザー名】/Library/Group Containers/UBF8T346G9.Office/User Content.localized/Themes.localized/Theme Fonts/

ちなみにLibraryは非表示フォルダです。見つからない場合はショートカット「⌘ + ⇧ + .（Command + Shift + ドット）」で表示⇔非表示を切り替えることができます。

3. PowerPointを開いて確認

スライドマスター ＞ フォント の中から選択できるようになります。

なぜMac版はこんなに面倒なのだろう……。

【余談】Noto Sans CJK JP を使用している理由

・WindowsとMacを併用している。（会社はWinで自宅はMacです）
・環境が変わっても同じフォントを使いたい。
・できるだけ美しくクセのないフォントを使いたい。
・ウェイト（太さ）が充実したフォントを使いたい。
・商用・非商用に関わらず無料で利用できるフォントがいい。

これだけの条件を満たすフォントは他にありません。PowerPointのような多くの人・環境で編集されるテーマフォントとしては理想的です。ありがたや。

ちなみにこのフォントはGoogleとAdobeの共同開発でして、各社から複数のサービスを通じて提供されているんですが、どこからダウンロードするかによってフォントの名称や仕様が変わるというややこしい事情があります。

具体的には「Noto Sans」「Noto Sans JP」「Noto Sans Japanese」「源ノ角ゴシック」「源ノ角ゴシック CJK」といった名称で分かれていますが、書体デザインは一緒でもフォントとしては別物。Notoシリーズと源ノ角シリーズではウェイトの名称が異なるし、Noto Sans JP では7種類あるウェイトが6種類に減っていたりします。印刷時に文字化けするものもあったりして……検証の結果「Noto Sans CJK JP」に落ち着きました。

「Noto Sans CJK JP」は以下よりDLできます。

現場からは以上です。