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友だち億人できるかな

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ゾンビの短編集。
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記事一覧

1. ハロウィン(平成30年10月31日)

ゾンビなら誰でもできる、と言われて来たものの、やっぱりガチな人たちは違う。 佐藤大輝は思…

仮
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2. 居酒屋(平成31年2月6日)

エイヒレに七味マヨネーズを少しつけて口に運び、しばらく何かを考えるように咀嚼した後、小さ…

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3. 視聴者(平成30年11月14日)

なんかワイドショーとニュース番組、一斉に「噛みつき」っていう言葉止めたっぽいんだけど、こ…

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4. 倉庫①(平成31年2月20日)

「小畑のじいさん」といえば、この界隈の子供たちの間でその名を知らぬ者はいなかった。自宅の…

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5. ワイドショー(平成30年11月28日)

司会「こんにちはっ!十一月二十八日、『      』の時間です。え~、まずは驚きのニュー…

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6. チェーンソー(平成31年3月6日)

警備報告書 2019年3月6日 むさしのホーム西八王子店様 勤務時間:0時0分~23時5…

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7. 必要至急の外出(平成30年12月12日)

二子玉川駅のホームは一時、騒然となった。 臨時休業や在宅業務の動きも見られ始めてはいたものの、朝のラッシュ時における利用客数の大幅な減少には至らず、むしろ例年を遥かに超える規模のいわゆる「着ぶくれラッシュ」が大きな問題となっていた。例年通りの気温の低下。そして、外出時の感染対策としての重ね着のエスカレート。 噛みつき対策のカーボンファイバー製プロテクターは一躍ヒット、品薄、粗悪な模造品の氾濫という流れから、特に噛まれやすいとされる首と腕だけを守るというスタイリッシュではあ

8. 倉庫②(平成31年3月20日)

月島潤は、暗闇の中で自分の手首を握ってみた。ずいぶん痩せた。ここに立てこもって約三ヶ月。…

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5年前
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9. 田所ちひろ、歩く。(平成30年12月26日)

流血した肩を押さえながら高井戸駅方面からよたよたと歩いてきた中年のサラリーマンは、狭まっ…

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10. ラブリーデイ(平成31年4月3日)

春の匂いに誘われて思わず荷台のドアを開け放ち、たまらなくなった田沢孝宏は野外での自慰行為…

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11. 最強の男(平成31年1月9日)

すずめが一羽、109のてっぺんから滑空しながら下りてきて、一人の男の頭に止まった。彼は渋…

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12. 倉庫③(平成31年4月17日)

正直な所、月島保はこの生活がそこまで嫌いではなかった。不満は腹が減ること、風呂に入れない…

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5年前
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13. シャバの空気(平成31年1月23日)

私は泳げない。三十八年間、温泉に入ったこともない。 一番古い記憶のひとつは、幼稚園の先生…

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14. 初鰹(2019年5月1日)

「おっ……おお、サバっ」 「サバですね、今日は」 「いやぁ、サバだなあ」 「せめて酢があるとねえ…」 「しめサバ?好物だったなあ…」 「『だったなあ…』って…」 「だってもう食べらんないでしょう」 「酢か…」 「酢ですよ」 「…………」 「…………」 「あ!こっちもきた!」 「サバかな?」 「いや、これでかいですよ……っっと!」 「うわあ、でかい!」 「サバだ!」 「りっっぱなサバ!」 「立派なサバでしたっと」 「今日はほんとにサバですね」 「……いっぺん刺身で食べてみますか