大野 睦仁

カッコいい言葉や、映える取組に惑わされないように。 思い込むことに、決めつけることに慎…

大野 睦仁

カッコいい言葉や、映える取組に惑わされないように。 思い込むことに、決めつけることに慎重でありますように。 近著『「結びつき」の強いクラスをつくる50のアイデア』(ナツメ社) 『6ステップでつくる!本気で考える道徳授業』(明治図書) 学習者主体の教室づくり、授業づくりを模索中。

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    校内研修を、教科研究中心から職場づくり中心へ。

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    教室で実践した道徳授業。

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言葉を探す

書きたいことは、きっとたくさんあるのに。 書きたいと思う気持ちは、もっとたくさんあるのに。 それでも、なかなか言葉が見つからない。 それでも、なんとか言葉を見つけたい。 それは、 言葉を探すことで、自分に近づいて、自分のことと向き合うことができそうだから。 言葉を探すことで、自分から離れて、自分のことを客観的に向き合うことができそうだから。 続けてみる。

    • 校内研修(学校研究)のススメ方〜その1

      今日(5月1日)が今年度初の研究全体会だった。 ボクは、今年度、研究(研修)部長という立場ではなく、研究(研修)部の後方支援というか、ブレインスタッフ的な役割を担っている。*札幌は、研修部とは言わずに、研究部というので、こんな回りくどい表現に。 学校研究(校内研修)に「これが正解だ!」というのは、もちろんない。 でも、今年度の勤務校の研究(研修)体制は、ボクが「学校研究って、こんなふうになっていけばいいな」と思う形に限りなく近い。 そんな今年度の第1回研究全体会が、今日だっ

      • 大切な人を想う日に~「満月の夕」

        29年前の今日のあの時間、ボクは病院のベッドの中にいた。 移植靱帯の手術を終えた後だった。 病室の朝は早いので、 ボクは、一度起きても、朝食の時間まで、 また寝るということが日課だった。 29年前の今日もそうだった。 今でそうだが、 ボクは、ラジオを聞きながら寝ることが習慣となっている。 だから、29年前の今日も朝に一度起きて、 もう一度寝るためにラジオをイヤフォン越しに聞いた。 ラジオでは、「神戸の方で大きな地震がありました」という臨時ニュースがちょうど

        • 掲示物一つとっても、未だにぐちゃぐちゃ考えてる

          掲示物は、子どもたち自身が(あるいは周囲が)優劣をつけてしまうから、やめたがいいという考えがある。確かにそうかもしれない。でも、優劣がつく場面は他にもある。ということは、そういうことも全部止めるということなのだろうか。実は中休みだって、子どもたちは優劣を感じている場合だってある。 そもそも結果だけに、子どもたちも、大人たちも、目を向けているから優劣をつけることが起きてしまうとは考えられないだろうか。優劣がつくから掲示をやめるからこそ、その子らしさや、そこに至る過程、その子の

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          「ふつう」について子どもたちと考えた道徳授業。

          道徳の教科書の教材「コスモスの花」と、絵本「すきっていわなきゃだめ?」をコラボさせて授業をした。 授業が終わった後、自主学習で、この授業に関することを書いてきた子たちがいた。 中には数ページにわたって書いてくる子もいて、その子のノートを紹介した学級通信のボクのコメント。 他にもっと届けなければならない言葉があったと思うのだけれど、それが見つからない。まだまだだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 道徳「コスモスの花」から考えてくれたことだと思います。 「ふつ

          「ふつう」について子どもたちと考えた道徳授業。

          【お近くの方、ぜひお会いできれば…】

          久しぶりのnoteは、告知から。 安定的に日々を過ごすためにも、 言葉にすることに向き合っていかなくては…。 note、なんとか、また、書き始めたい。 (*現段階で確定している企画のみ)  9月22日(金)     横浜市立緑小学校    飛び込み授業&校内研修  9月22日(金)    【残席5】道徳学習会(横浜市内)   18:00~20:00    9月23日(土)    【残席15】「M′S リフレクション vol.2」(横浜市内)  9月30日(土)   

          【お近くの方、ぜひお会いできれば…】

          こうすべきだ…なんて言えない。

          「こんな場面ではどうすべきか」という問いの正解は、きっとない。すべきことも、してはいけないことも、ほとんどの場合が「時と場合による」。「時と場合による」と言ってしまうのは思考停止だという見方もあるけれど、知れば知るほど、経験を重ねれば重ねるほど、「時と場合による」だと思っている。 もちろん子どもたちを明らかに傷つけそうなことはしないということは正解かもしれない。でも、そう思っていても、傷つけてしまうことはあるし、強い言葉(怒鳴るとかということじゃなくて)が必要な場面もきっと

          こうすべきだ…なんて言えない。

          小さな主語で語る~子どもたちとの向き合い方#1

          「子どもたちがこんなことを言ってたんですよね」 「子どもたちから出た課題で学習を進めた」 「クラスの子たちが気に入っていました」 「クラスの子たちがやりたいことを優先した」 どの言葉も、ボクにとっては「大きな主語」だ。 「子どもたち」って、誰のこと?クラス全員がってこと? 全員がこんなことを言っていたの? 全員がその課題を出していたの? 「クラスの子」って、誰のこと?クラス全員がってこと? 全員が気に入っていたの? 全員がそれをやりたいって言ってたの? もちろん本当に全

          小さな主語で語る~子どもたちとの向き合い方#1

          #1-「正解」の前に、「最適解」からスタートする

          取組だけを聞いて、見て、 活動だけを聞いて、見て、 「それがいいですよね」「そうすべきですよね」と評価して、それを自分の足元にも、今直ぐ持ち込もうとすることには慎重でありたい。 その取組は、 その活動は、 本来あるべき姿、これから目指すべき姿かもしれない。 ボクらが求めている「正解」かもしれない。 でも、 ずっと管理的な学級運営をされてきた学級や、不安定な状態の子どもたち多い学級で、今直ぐそうすることが「正解」なのか。 同じ学年に経験の浅い先生がいる時に、今直ぐそうするこ

          #1-「正解」の前に、「最適解」からスタートする

          校内研修を職場づくりにつなげるための条件を考えたい。

          校内研修の光と影 今、あるコミュニティに参加している。 校内研修を職場づくりの視点から見直したい。校内研修をもっと機能させたいという人たちが集まっているコミュニティ。 その中で実験的(ラボ)に、校内研修づくりと職場づくりをやってみようとしている。 そのコミュニティでも話をさせてもらったが、多くの学校では、今の校内研修が制度疲労を起こしていると言えるだろう。そして、働き方改革と結びつけられて、非難されるターゲットにもなっている。 でも、これから求められてくる職場づくり(職

          校内研修を職場づくりにつなげるための条件を考えたい。

          学級が不安定になる兆候について思うあれこれのことと、ボクの決意。

          学級が不安定になっていく兆候。例えば、給食準備。特にふざけている子がいるわけではないのに、いつもより時間がかかるようになったり、配膳と食事の時のルールとなっている身支度がいつの間にかルーズになっていたり、配膳されたものに対して、個人的なやりとりで、増やしたり減らそうとしたりする。 こんな兆候が見えた時、そのままにしていたら間違いなく不安定になる。でも、まだ「兆候」なのだから、この後が大事。もう一度「なぜ」そうすることになっているのか。「なぜ」そうしてはいけないのか。「なぜ」

          学級が不安定になる兆候について思うあれこれのことと、ボクの決意。

          何も分かっていなかった自分~今でも大切にしているコト

          もうずいぶん前のことだ。 札幌市が主催する障害のあるお子さんと通常学級に通うお子さんとの統合キャンプに企画段階から携わっていたことがある。 そのキャンプを実施するにあたって、京都・丹後に視察に行った。 そこには、ボクたちがめざしたい統合キャンプがあり、ボクがめざしたい組織キャンプがあった。感動した。もっと学びたいと思った。 その時できたつながりを伝に、視察が終わって札幌に戻った後、再び、大阪、京都に向かって、自主的に一人で、別のキャンプにスタッフとしてかかわらせてもらっ

          何も分かっていなかった自分~今でも大切にしているコト

          「目指すべきところを共有する前に」~校内研修づくり #2

          先日校内研修に関わるある研修を受けた。 その中で、「労働時間が短い人ほど、学び、成⻑できているという実感は低い」というデータから、教師の「学び」を充実させることと、教師の「働き方」を改善することを同時に実現させることの難しさに触れられていた。 逆に、労働時間が短く、かつ、学べている人。つまり「働き方と学びが両立している人」たちが他の人と違うところはどこか?というデータも提示されていて、その一つが「目指すべきところがしっかり共有されている」ということだった。 これは、ボク自

          「目指すべきところを共有する前に」~校内研修づくり #2

          「研修日の回数を増やす」~校内研修づくり #1

          校内研修。「どこから手を付けますか」と聞かれたら、まずは年間の研修日の回数を増やしたい。数が多ければ、その分「日常」になり、数が少ないと、その分「非日常」になる。研修の日常化を目指しているならば、まずは研修日をできるだけ確保すること。一カ月1時間1回なら、一カ月30分で2回の方がずっといい。 ただし、これは簡単にはいかない。研修に対する校内のムードがマイナスな感じであったら、研修日を増やすことに対して反対の声も起きやすい。また年間の日程を調整したり、決めたりする教務主任や管

          「研修日の回数を増やす」~校内研修づくり #1

          自分の教室だけで完結しないよう…。

          新年度がスタートしている。 単学級のところでなければ、学年で、どこまで足並みを揃えて、どこまでそれぞれのクラスらしさを出すかということを、多くのところで、悩みながら検討しているはずだ。 あるいは、「学校スタンダード」と呼ばれるような、学校全体で足並みを揃えましょう。という動きもあって、これは、批判的な捉え方をされていることが多いのではないだろうか。 だから、「学校の足並みを揃えよう」なんて言うと、カッコ悪い…みたいなに言われたり、思われたりするだろうけれど、本当にそうかな

          自分の教室だけで完結しないよう…。

          「ココ」で、また4月から走り始める。

          学校に来ただけで先生に抱きしめられる子どもがいた。 朝、教室に入る前に保健室に来て、こっそり軽食を食べ、笑顔になって教室に行く子どもがいた。 家に帰っても、ゴミだらけの部屋で生活し、同じ服を何日も続けてきていることを知ったクラスの保護者からこっそり服をもらっている子どもがいた。 家に帰ると、何が起きたのか、わからないくらい、信じられない姿になっている親を見た子どもがいた。 一生懸命に、今の自分のできる精一杯のことをやってはいるけれど、なかなかうまく学級経営ができない先

          「ココ」で、また4月から走り始める。