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年中休業うつらうつら日記(2024年2月22日~3月1日)

24年2月22日

せいうちくんがどうしても仕事があったのと私の通院で、夕方になってからの出発。
Gくんが家まで迎えに来てくれて、とにかく早く東京圏内を脱出しようと、鳥目で夜の運転が苦手なGくんに替わってせいうちくんがガンガン運転する。
とりあえず埼玉県の羽生市を通って、「いっぺんにスケートと将棋のことを思い出した!」と叫ぶ。
Gくんはどっちかと言えば将棋の方を思い出すそうだ。「はにゅう」と読むようだけど。

今夜の宿地は「道の駅よしおか」。
出発が遅かったので温泉にぎりぎりセーフ。
サウナも露天風呂もあり、いい温泉だった。
晩ごはんは途中のスーパーで買ったお寿司類。
せいうちくんはなぜか「豆苗」のパックを買って葉っぱと茎の部分をかじっていた。
あとベーコンの塊とか。
どうしてこの人はできてる料理を買わずに「素材」を買ってしまうのだろうか。
お湯を沸かして持って行った梅昆布茶を飲めたのが嬉しい。

私が温泉に望むものは露天風呂、中には複数の浴槽、できればサウナがあって、そのあとどぼんと浸かれる水風呂があること。
よしおか温泉はそのすべてを満たしていたので、二重丸であった。
Gくんの晩ごはんは怖い。
焼きそば買ってるから「ふーん、Gくんも焼きそば好きなんだ。私も目がないが」と思っていたら、一緒に買った食パン6枚切りの1枚に焼きそばを乗せて半分に折って食べ始めた。
そりゃまあ、焼きそばパンってのは世の中にあるし、何なら私も好きだが、自分で作って食べる人は初めて見たよ。

Gくんの感想では、「ソースを余計にかけてしまった。焼きそばはやっぱりソースを炒めるから美味いんだな」とのことで、家でしょっちゅう焼きそばを作ってくれるせいうちくんも、「そうなんだよ、焼きそばはソースを炒めた香ばしさが美味しさの秘密で、後で足したソースは美味しくならないんだよ」と力説。
炭水化物×炭水化物にビールまで飲んで、Gくんの腹が出ているのは仕方ないだろう。
たぶん私の腹も糖分とでんぷん質でできている。
明日はあちこち行こうと、早寝する。
車中泊の早寝は本当にハンパなく、早い時は20時ぐらいから寝てしまう。
他に娯楽がないからね。

私は腰と足にシップを貼ったり鎮痛ジェルを塗ってもらったりしてけっこう一時的にはお尻や足をむき出しにしているので、心配りの人Gくんはその間散歩に行ったり運転席に座って前方を見てくれたりする。
作業は後部の荷台で行われているもんだから。

そうだ、今日はコーヒーを紙コップ1杯まるっと全部こぼしてしまった。
荷台にはGくんのベッドマットレスが置いてあるので、どうなっているか見るのが怖かった。
どうせなんとかしようのある量ではなかったので、ほぼ誰も気にしないで寝た。

我々夫婦は荷物の隙間の幅1メートル内ぐらいの空間に2枚つなげて2人入れるようにした寝袋(5℃にしか耐えない)に持参のシングルの羽根布団をかけて抱き合って寝る。
私は大変優秀な発熱体なので、せいうちくんは全然寒くないそうだ。
とはいえ、上着を着こんでマフラー巻いて寝てるけどね。
Gくんは今回初めての試みとしてドライバーズシートを完全に後ろにリクライニングして平たくし、「なんだ、これで寝られるじゃないか」と-15℃の寒さまで耐える寝袋にくるまって寝た。

24年2月23日

あまりに寝心地がいいので朝はなかなか布団から出られないが、今日はカルピス工場の見学を予約しているので、それまでの時間を朝カラして過ごすことになっている。
中学生の団体が来たせいか、予定より早く2時間ほどで追い出された。
今日のGくんは「太田裕美シバリ」であった。

そしてカルピス工場に行く。
入口に飾ってある1分の1スケールの牛の模型がけっこう大きくて、やはり牛ってデカいんだなぁと全員納得。
こぎれいな建物の中で、生乳に乳酸菌と酵母菌を入れて混ぜ、砂糖を加えて味を調えたら注入装置で中身を詰め、筒形のカバーをかけて熱を加えるとシュリンクしてぴったりラベリングされたカルピスが出来上がる、という工程を教えてもらい、実際に工場が稼働している様子を2階の3方の窓から見せてもらった。
カルピスボトルをたくさんラインに流しているうちに6本ずつの列になって行くようにコンベアが動いていて、段ボールの上に6本×4本、計24本が入ったところで段ボールを組み立てる。
そのあとは横向きに流れていた段ボール箱が下のローラーによって90度向きを変え、細い列になって段ボール積み込み作業の工程に行くようだ。
すべての工程にチェック機能があり、不良品はラインから自動的に取り除かれる。
工場って面白いなぁ。
せいうちくんも、日頃作ってるものがでかくて重いので、こんなにコンパクトな工場は見たことがないらしく、ひどく感心していた。

それからお待ちかねの試飲タイム。
イスとテーブルのある部屋に案内され、渡されたカードの番号に従って座る。
我々は7番テーブルに3人で座った。
どうやらお客さんのグループごとに席を分けているらしい。
テーブルの上にはカルピス原液のポーションと「カルピスはここまで、水はここまで入れましょう」とラインが引いてあるプラスチックのカップがある。
前に友達から「カルピス買ったらついてきたので」ともらったことがあるやつだ。
1回に飲みたいカルピスの量としては小さいので、あまり使ってはいない。
作りたてのカルピスは美味い!と言いたかったが、スーパーで売ってるやつとおんなじ味だった。
おみやげにカルピスウォーター500mlペットボトルを1本ずつもらい(計量ラインつきカップはお持ち帰りできなかった)、なんだかお得な見学会だった。
カルピスって明治時代ごろからあるんだってさ。滋養強壮にいいんだって。
1970年代に特徴的なデザインで人目を惹いていた「カルピスをストローで飲む、首の長い黒人女性」が差別とかなんちゃらのあおりを食らってデザイン替えされてしまったのは残念だった。
非常に優れたデザインだったものだから。

それでもやはりカルピスが猛烈に飲みたくなり、次に寄った巨大イオンで「白桃カルピス」(季節物で、東京ではまだ売ってない)を3本買いこむ。
レジでイオンアプリを見せると30円引きだそうだから、あわててその場で入れた。
ついでにWAONカードで支払いをしているGくんにお会計を頼んで後で清算すれば彼のポイントが増えるんだ、と気づいた時にはもうそれぞれの買い物をしてしまっていた。
次からはそうしよう。

道々、地学に興味があり造詣が深いらしいGくんから「河岸段丘」についての説明を受けたが、さっぱり頭に入ってこなかった。
だんだん河岸が削れて、川の水位が下がるとそこにまた段ができるのかと思っていたら、なんと地表が隆起するので、そこで川の高さが上がり、水没した部分はもう浸食を受けないので段々のままなんだそうだ。
勉強になるなぁ。

途中で「ぐるぐる大帝国」といういろんなものの中古品を売買している大きな店舗を見つけ、Gくんはこういうのを素通りできないから、せいうちくんを車に残して入ってみた。
私はコミックス売り場に釘付けだ。
何か安いセットがあったら買おうと思って探したが、思えばあんまり買いすぎて、今特に欲しいものはないのだった。
それに、そういうとこで欲しいマンガのセットに巡り合うなんて奇跡に近いからね。
Gくんもほぼ手ぶらで戻ってきたが、彼のことだから何かしら買ってしまっているかもしれない。
ただ、ベッドキットが来たら敷こうかと思っていたマット類が意外と高い、とぶつくさ言っていた。

続いては「岩宿博物館」というところに行った。
我々、小さな博物館や資料館がわりと好きなのだ。
でも、あまりにも黒曜石などを薄く割った矢じりとかばっかりあるから、少し飽きた。

夜の泊地は中山盆地。
ここの温泉もよかった。今まででサイコーだったかもしれない。
何しろサウナのあとで入る水風呂がキンキンに冷たいのだ。
水風呂を愛する私は、サウナに1回しか入ってないのにそこらの浴槽に入るたび、この水風呂に戻ってきていたよ。
たっぷりゆっくり入っていたら髪を乾かす時間も入れてなんと2時間もかかっていた。

休憩処に行ったらGくんがいて、「せいうちさんはさっき車に戻ったぞ。オレはもう1回風呂に入ろうかな」と言っていた。
その後、車の中を晩ごはん仕様(宴会仕様、とも言う)にしつらえていたら、Gくんからメッセージが。
「もろもろ、終わったか?」
これは、私が腰や足をシップと鎮痛ジェルで手当てしてもらうプロセスでGくんが車外に追い出されてしまう件への確認だと思う。
半ケツで、足はむき出しだもんなぁ。

「ごはん食べてからやるから、とりあえず戻っておいでよ」と返すと、「今やってるのかと思った。ここはあったかいからのう」と。
確かにこの寒空に風呂上がりの人を追い出すのはいかにも無情だ。
急いでシップ等の手当てを済ませ、「もういいよ」と返事したらたちまち帰ってきた。

なぜか敷地内に華やかなライトアップされたコーナーがあり、昼間のうちにそこの「ハートのマーク」から我々の顔が見えるようにGくんに撮影してもらった。
しかし、夜は無理。
Gくんに、「ライトアップされとるぞ。もう1回、ハートの写真、撮りに行くか?w」とからかわれた。
寒くて寒くて、無理!

とにかくここは寒いんだ。
めったなことでは「寒い」と弱音を吐かない私が、タバコを吸いに喫煙所に行っただけでもう手の先の感覚がなくなり、「しまった、歯ブラシセットを持ってくるんだった!」と後悔しながらトイレだけは済ませて車に戻る。
「もう、今日は歯を磨かない。こんな寒い中にもう一度出るのは無理」と言ったらGくんもせいうちくんも深々と同意してくれた。

相変わらず豆苗や厚揚げを食べながら(なぜ素材ばかり買う!)せいうちくんはGくんと、「もっと数学や量子物理学を勉強したい。これからの生活に役に立つわけではないが、学生時代にし残したことのような気がする」と熱い議論を交わしていた。
私に言わせれば、あまりに本質が理解できない頃に詰め込み教育をされたせいうちくんは学問の本質がわかっておらず、それが今になって噴き出しているんだと思う。
勉強は、癖になるからあまりしないのが吉、と信じてる私には2人の話が理解できない。
積分で面積が測れたからって、どうしろって言うんだ。
歴史の話の方がまだトンデモの部分が多くて面白いぐらいだ。

車内がたいそう寒くなってきたので寝ることにしたが、寝袋と布団を広げて、2人で入ってしまえばお互いの体温でかなりあったかくなるところ、ここでせいうちくんからクレームが入る。
「キミがiPad Proでマンガ読もうとうつぶせになると、その分、寝袋と掛け布団に隙間があいて寒いんだよね。まあいいけど」
いいなら言うな。
あとでたっぷり温めてやるから。
自分自身、長いこと腕を布団の外に出しておくのは至難の業で、わりとすぐに引っ込めてせいうちくんに抱き着いて眠りに落ちた。

24年2月24日

また朝カラをして(これをやんないと、たいていの施設はまだ閉まっているのだ)、今日はせいうちくんに最近芽生えた古墳欲をふんだんに満たしてもらおうとの計画。
朝ごはんにはファミマのハムサンドとツナ&玉子サンド、そしてカフェラテにアップルシナモンシュガーと決めているんだが、今朝はカラオケでソフトドリンク飲み放題についてきたソフトクリームをたくさん食べたので、そのへんの定例メニューは昼に持ち越し。

古墳があれば登り、資料館があれば入り(赤城資料館は底冷えがして寒かったが、なかなか力が入っていた)、そしてメインとなるのは「ぐんま天文台」。
広くて立派な施設で、展示も優れているのに、お客さんは我々を入れても10人いなかったと思う。
11時になると何となくサンダーバード2号的なドームが開いて、望遠鏡を使って昼間でもこと座のベガを観られるらしい。
そこで案内のおにーさんからクイズ。
「この平たいドーム、これから開くわけですが、どう開くと思いますか?天井部分が持ち上がって一辺を残してぱかっと後ろに開く、と思う方は?」
私は何となくこれだ!と思い手を挙げた。せいうちくんも挙げている。
「では、この壁と天井の形を保ったまま横にスライドしていくと思う人は?」
Gくんはこっち派らしい。
そして正解は、「横にずれる」のであった。
開いたドームのへりに近寄ると、うん、確かにレールが敷いてある。
この上を滑ってスライドするわけだね。

晴れた空に月こそおぼろに見えるものの、星なんか全然見えない。
Gくんは「金星が見えるか?いや、太陽に近すぎるな」などとぶつぶつ言っていた。
20センチの、横から見るタイプの反射望遠鏡をのぞかせてもらうと、おおお、確かに星がくっきりと見える。
現在は故障中だが、もうひとつの150センチ望遠鏡なら土星の輪のカッシーニ間隙まで見えるそうだ。
20センチ望遠鏡では両側に取っ手のついたスープカップのようにしか見えないのをのぞいたことがある。
夜もやっている観測会なので、また来ようかと相談したが、ちょっと距離が厳しいのでやめにしておいた。

せいうちくんは案内のおにーさんにしきりに「こちらでは何を研究されてるんですか?」と聞きたがり、相手が「まあ、観光案内が主な仕事です」って言ってるのに重ねて「でも、皆さんそれぞれ、テーマがあって研究してるんじゃないんですか?」と尋ねて、「いや、観光が主です」と言わせてしまった。
あとで意外と気ぃ使いのGくんから、「イヤそうだったじゃないか。『観光案内です』なんて何度も言わせてやるなよ」と注意を受けていた。
天文学者がみんな新星を発見して名前つけられるわけじゃないんだよ、せいうちくん。

せいうちくんは本当は天文学者になりたかったらしく(Gくんに「さだまさしかよ」とからかわれていたが)、物心ついた頃には家系に法律家が多いという理由だけで法律の道を歩むことが決まっていたので、今でも天文には憧れがあるという。
いかんよなぁ、子供の進路を親が勝手に決めちゃあ。
それに、私だってもし世の中にいろんな仕事があると知っていたら、「血液検査技師」になりたかったかも、と思うことがある。
数学とか理科とか超えなきゃいけない壁がたくさんあるが、何となく血沈を測ったり試験管を順番に並べてラベル貼るのは好きな作業のように思えるのだ。
結局何もしないで今日まで来ちゃったけどね。

天文台から、「かみつけの里博物館」に行く。
ここも立派な展示物が多く、他の博物館や資料館のように石の破片と復元されたツボばかりが並んでいるということもなかった。
縄文人以前のことまで考えに入れた、立派な研究の成果が見られた。
その間にもせいうちくんは古墳を見つけちゃあ車を止めて走っていき、私は足が痛いのでお留守番だ。
細い山道に急にデカい車来たら移動させなきゃいけないし。


Gくんと2人、古墳の中腹にある石室入り口で、どうもボランティアおじいさんらしき人から説明を受けていたようだ。
中にも入って見られたらしい。
そして何より、低い古墳の階段を登って上に立つ2人の写真は貴重だ。
人の墓を踏むなよ、とちょっとだけ思ったけどね。丘なんだから、しょうがないよね。

せいうちくんは豆苗をほぼ食い尽くし、「これは持って帰って水につけておけば3回ぐらいは再生する」ときつく言っておいたにもかかわらず、家に帰ったらいつの間にか捨ててしまっていたらしい。
人が育てていたカイワレ大根を酒のつまみに食っちゃうし、なに、前世は草食動物かなんかなの?

「今夜は最後の夜だからぱあっと飲もう、明日に酒が残っても、飲まない私が運転はするから。そして、お互い好きな人と、どういうデートをしたか告白しあおう!」という提案はGくんにあっさり却下された。
まあ、お互い何となく知ってるもんなぁ。

トイレからの帰りに私はまた転んだが、今回は膝にシップをしてたのが幸いしてか、打ち身だけで済んだ。
これでまた来週、整形外科に行くのいやだよ。
「あなた、毎週毎週なにやってるんですか?」って呆れられちゃう。
もっとも、転びそうだからこそ来ている人ばっかりだし、いくら気が若くても今年、前期高齢者になるんだから、せいぜい上手に転んで骨折は避けよう。

24年2月25日

朝の5時に起き出して、布団類を片づけて道の駅を出る。
さすがのGくんもどこかへ寄るとかいろんな道を通りたいとかは言い出さず、ほとんどせいうちくんの運転で大きい道をまっすぐ通ってまっすぐ我が家へと帰った。
1時間半ぐらいで家に着き、布団と寝袋をはじめとする自分たちの荷物とゴミを1袋持ち帰る。
Gくんはそのまま埼玉の自分ちへと向かった。
道がまだすいていたらしく、1時間ほどで帰れたと連絡があった。

こちらはこちらで旅装を全部解き、洗濯すべきものは洗濯機に放り込み、夜は雨だが明日は晴れの予報を信じてお風呂に入り、夜のうちにベランダに干した。
布団類はとりあえず小部屋の床暖房の上に広げて乾燥をこころみる。
荷物の小物を全部元の場所に戻して、いつものようにあっという間に旅の痕跡はなくなった。

恐れていた通り、予約したのや注文したマンガが山と届いており、ポストに入りきらない分は宅配ボックスに行くわけだが、なんとボックスを8つも占領していた。
これからもっと長い旅に出ることがあったら、その前からマンガの注文は控えるとか、なにか工夫をしなくては。

ほとんど私が買ってるマンガで、せいうちくんのは2冊しかなかった。
「月華国奇医伝」既刊11巻が面白かったので大人買いしたひむか透留の別作、「シノビ四重奏(カルテット)」全8巻と、社会問題としてをのひなおの「明日、私は誰かのカノジョ」に興味があるのと同じ方向で読みたかった中村淳彦×小田原愛「東京貧困女子」既刊10巻、それに前から欲しかった染谷みのるの「刷ったもんだ!」既刊11巻がまとめて届いてしまったのだ。(タイトルからして印刷業界の話と思われる)
その他にも待ってる新巻がたくさん来て嬉しい。

特に、大好きな雑誌「ハルタ」は執筆陣に無理をかけない珍しいものなので、1回のページ数が非常に少なかったり描けない時は載らなかったりする。
そんな中でコミックスにまとまるのを待っているので、当然どれも時間がかかる。
こないだからわりとどかどかやってくるサイクルに入っていて嬉しい。
丸山薫の「司書正」なんて、2巻が出るのを1年も待ったからなぁ。
入江亜季の「北北西に曇と往け」の第7巻、長藏ヒロコの「煙と蜜」第5巻とか、続いてやってきている。
しかし、そんな中でも鉄壁に遅い森薫の「乙嫁語り」はなかなか出ないね。

雑誌は違うが、「寄生獣」を描いた岩明均の「ヒストリエ」を今、待っているんだが、これがまた全然出ないんだ。
この人はこのペースでマンガ家として喰っていけるのか?と他人事ながら心配になる。
でも、もう「寄生獣」の印税で一生喰うには困らないんだろう。
そういう人が納得いくまでゆっくり描いた作品を待つのもまた楽しい。
長蔵ヒロコの「煙と蜜」もずーっと待ってる。
ジャンプ系の「チェーンソーマン」とか「呪術廻戦」の進みの速さが信じられないほどだ。
そういう人が納得いくまでゆっくり描いた作品を待つのもまた楽しい。

せいうちくんは軽く掃除をした後で、日常の買い物に向かう。
今夜はステーキ、明日の晩は豚バラと白菜のミルフィーユ鍋、その翌日は普通の鶏鍋、その後は鍋の汁を使って2回雑炊を作る予定。
「ベッドが広くていいね。車中泊も楽しいけど、やっぱりこうして自分ちに戻ってくるとホッとするよ」とぐんにゃりしながら相変わらずの「相棒」。
やっとミッチー相棒を観終わり、今日から最初に戻って初代薫ちゃんの「相棒」だ。

しかし、そもそも画面の両端が切れている昔のテレビサイズだし、画面に出てくるPCモニタは例の後部がでかいブラウン管タイプで、イマドキ感ほとんどなし。
驚いたことに警察署内全面喫煙可で、右京さんまでタバコを吸うのだ。
まだ若い右京さんは少しコミカルで嫌味なヤツで、今後の精神的深さのようなものがまだ出てこないただの変人である。

薫ちゃんはいわゆる「脳筋バカ」で、明らかに証拠が友人を指していても「こいつはそんなヤツじゃない!」と非合理的にかばう。
キャラも最初は単純だったんだなぁ。
そもそも2時間スペシャルとして短発で作ったらしく、それが人気あったので第2作を作ろと思ったようだ。
2作目はかなり真面目に作っており、現在の「ヒマか?」の課長とか伊丹刑事たちとの連携も取れているようだ。
生瀬勝久や渡辺典子がゲスト出演しており、事件もなかなか複雑。
この瞬間にシリーズ化が決まったんだろう。

お風呂でゆっくり温めたものの、寒いところで酷使した膝の痛みが両方ともに発生した。
シップを貼って鎮痛ジェル塗って痛み止めのんで、なんとかしのいでいる。
まだまだ車中泊の楽しみがわかってないのかもしれないが、とにかく車中で寝るのが最高に楽しい。
普段より断然よく眠れる。
掛け布団も寝袋もじっとりと湿って車内もそこらじゅう結露してるところを見ると、3人で発生させる水蒸気量は大変なものだろう。

あと、今回Gくんが魔法瓶を持ってきてくれて、夜、ガスコンロとやかんで沸かしたお湯をとっておけるようになったため、昼間にそれぞれ粉を溶くタイプの好きな飲料が飲める。
Gくんとせいうちくんは主にコーヒーだったようだが、私は何といっても梅昆布茶。
蓋つきのサーモボトルに入れてちびちび飲む。
なのになぜかファミマのカフェラテも買っちゃうんだよなぁ。
淹れたてのコーヒー類を売るコンビニはいくらでもあるが、アップルシナモンシュガーをはじめとする4種のスパイスシュガーを置いているのはファミマだけだと思う。
ファミマのサンドイッチが好きなのもあって、毎朝「ファミマがあった!停めて!」と叫んでいたよ。
優雅なる朝ごはんはファミマから。

それに、車中泊の食事は基本、冷たい(というか、常温)。
道の駅に電子レンジが置いてあるのはまだ見たことがないうえ、たいていコンビニからは離れているので、お弁当やナポリタン、焼きそばなどを買っても温かいのを食べることができない。(待てよ、これまでに1か所か2か所、コンビニ併設の道の駅もあった気がしてきた)

お弁当が冷たいのを寒い車内で食べるのはつらいので、たいていお寿司類かおにぎり、サンドイッチを買うが、今回最終日に「赤いきつね」のビッグサイズに「タラの芽」の天ぷらを入れて食べたら温かくて美味しかった。
せいうちくんは毎晩自分のサーモカップでゲル状の味噌汁の素を溶いて温かく美味しい晩ごはんを食べていた。

その日の晩ごはんは、巨大イオンで買ったカップきつねうどん。
んでやる。
「3月のライオン」の川本家受験期秘伝の「甘やかしうどん」みたいだね。

私が食べたいのは「天ぷらうどん」なのだ。
しかしどのメーカーも申し合わせたように「たぬきそば」と「きつねうどん」のカップ麺しか売らない。
今回、抵抗の一環として買ったてんぷらを放り込んでみたわけだが、やっぱり天ぷらうどんの方がうまい!
楽しかったので、次の機会を心待ちにして、今週も頑張ろう。

車中泊計画、始めてよかった。
来週ごろにはベッドキットがついてもっと快適になってるはずなんだが…Gくん、すべておまかせで申し訳ない。
「手伝いに行こうか?」と聞いたら、「いい、いい、自分でやれる」と自信ありそうだったので、よろしく。

ただ、これから解決していかないといけない問題として、車中泊の目的がGくんと我々では違いすぎる気がする。
「おまえらは景色を見ない!少し走ったらどっかの道の駅とか公園とかに停めて、当たりを歩いてみたりするものなんだ。それをおまえらは、目的地を定めたらぴゅーっとそこへ行ってしまう。車中泊中は位置共有は常にオンにしておけ。通ったルートが残るんだぞ。ルートを残さないで、何のための旅行だ!もっともっとこまめにあちこちで停めろ!」というのがGくんの主張。
知らない土地に行って車を走らせ、「おお、こんなところに『キャッツ・アイ』の長女がやっていた『愛花夢(あいかむ)』という喫茶店が!」(実は北条司のキャッツアイじゃなかった。大島やすいちの「バツ&テリー」のバツのお姉さんがやってた喫茶店だった)と驚くぐらいで精いっぱいなのだ。

位置共有するとすごい勢いでスマホの充電が減るから、「瓶に3分の1残ってる時点でもう『ずいぶん飲んでしまった(涙)』となる」私にとってはあの緑のマークが赤くなるのは恐怖そのものなんだ。
だからって充電器ぶら下げて歩くのもナンだしねぇ。
まあ、親しい人でもさらに深く知り合うと新しい発見があるものだから、Gくんという人物の人となりをもっとよく知り、互いの理解を深めたい。
少なくとも酒を飲んでいない時の彼は、とても思慮深い、親切で他人の要望を容れる心の広い人だ。
なんで酒飲むとああなっちゃうのかねぇ…

24年2月26日

普通の1週間が始まって、今日はせいうちくん出社で私はお留守番。
その間に整形外科に行く。
主目的は定期的に膝を診てもらって、シップとジェルをもらうことなんだけど、今回は一応前回の膝の傷が完全にかさぶた化したのを診てもらった。
「うん、もう大丈夫だね!」と言われつつも、膝小僧のその上の位置に新しい小さな傷がたくさんできていたのにはあきれられた。
「転びました。シップ貼っていたので大事に至りませんでした」
「んー、まあ、あんまり転ばないようにね」
とはいえ、ここの患者さんは基本転びがちな人ばっかりだからなぁ。

24年2月27日

今日はせいうちくん1日テレワーク。
私は昼寝をしたりマンガを読んだり、極めて平常な日を過ごした。
夜は鶏鍋を食べ、明日とあさってにごはんを炊いて雑炊を楽しむのがうちの鶏鍋。
ついに「相棒」も最初のスペシャルを2話観て(ここまでがシーズン0)、いよいよ右京さんと薫ちゃんの「相棒」シーズン1が始まる。
私は薫ちゃんのような脳筋直情野郎は嫌いだが、右京さんがまだ嫌味なところがあったりするのが面白い。
紅茶も、まだまだ低い位置からしか注げなかったりする。
この先10シーズンぐらいの間に練習して上手になるのだろうか。

一番期待しているのは、今市子が「萌えの死角」というエッセイマンガの中で描いていた、監察官、大河内さんのゲイ事件である。
悲恋に終わったその恋に、大河内さんは右京さんに問いかける。
「愛したことが罪なのでしょうか」
右京さんが答えて曰く、「愛したことが罪なのではありません。隠したことが罪なのです」。
あー、セリフ思い出すだけで激しく良い回だと想像される。
早くそこまで到達したい。

24年2月28日

青池保子の「エロイカより愛をこめて」トリビュート版を読んだ。
誰も彼もエロイカ愛とエーベルバッハ愛がだだ洩れで、溢れすぎてボーナムくんや部下AやGにもその愛はこぼれている。
私は「エーベルバッハ家のすだれ頭の執事さん」と「少年エロイカに泥棒の手ほどきをした師匠」と「ラヴェンナの古書店主」が大好きだ。
これはもう、言い訳のできない枯れ専なのではと自分で自分が怖い。

そんなエロイカ愛にあふれたトリビュート作品の中で異彩を放つのは浦沢直樹である。
そもそも君は何でこんなところに出てくるのかい?と疑問に思うし、おまけにエロイカファンからカミソリが送られてきても文句が言えないほど不細工な伯爵を描いている。
こういうのを「何でもいっちょ嚙みしたいヤツ」と呼ぶのだろうか。
萩尾望都の線がえらく太くなっていて驚いた。
連載中の「ポーの一族」の続編「青のパンドラ」第1巻でもその傾向は見て取れ、こないだ会った時に萩尾望都大好き元少女のMちゃんが嘆いていたが、今頃さらに泣いているのではあるまいか。

思うに、握力でペンを握ってペン先にほとんど力を入れないで宙に浮かせるようにして描く人は細い線が描けるが、加齢によって握力が鈍ると紙にペンを押しつけてしまうので、どうしても線が太くなる。
私も浮かせて描くタイプだったので、筆圧ゴリゴリのせいうちくんに比べ、Gペンの先が開いたり0.3ミリペンの先がつぶれたりしにくかったものだ。
(逆に、どうしてせいうちくんはこうも画材の消耗が早いのかと不思議に思ってた)
まあ、今でも描き続けているだけでスゴイんだが。

巨匠たちがみんな一定の年齢に届いてしまったせいか、「画業何十周年」の記念本が出るわ出るわ。
萩尾望都もそうだが、松苗あけみや文月今日子、水野英子や大和和記、藤田和日郎、松本零士まで出てくるととても買いきれない。
そもそもあんまり画集を持たない主義なのだ。
1枚絵より、やはりマンガの方が面白いからなんだけどね。
画集的なもので持っているのは、萩尾望都の原画展で売っていたイラスト集を友人からプレゼントされたやつだけかもしれない。
もちろん自炊なんかしないで飾り棚に並べてあるよ。
「北斎漫画」と一緒、ってところがナンだけど。

さて、「エロイカトリビュート本」を読んだからには、ご本尊様を読み返し、皆さんがあれがいいこれがいいと夢の世界に運ばれているのについていかなければ。
全39巻だからなかなか骨の折れる作業だが、楽しいんだから仕方ない。
こういう時、本当にマンガのデータ化をしておいてよかった、としみじみ思う。
この次は市東亮子の「やじきた学園道中記」が読みたいな。(彼女もエロイカトリビュート描いてた)
これはあまりにシリーズが長いので、過去幾度となくせいうちくんから「これ、捨てちゃダメなの?こんなの、また読むの?」と脅されてきた代物だ。
確かにボニータコミックスはあまり通が読む感じがしないけど、読みようによってはソフト百合だとか「キタさんは文句なくカッコいい」なんてせいうちくん的にはわからないのだろう。

24年3月1日

あっという間にもう3月だ。
「一月行く月、二月逃げる月、三月去る月」とこの時期の気ぜわしさを言い表しているが、2月が短いのと、正月がなんだかんだ時間と精神を奪うのと、様々な年中行事が重なるからなんだろう。(正月、節分、ひな祭り…)

最近少しあったかくなってきた気がする。
寒いのは相当大丈夫だが暑いとあっという間にばててしまう私にはつらい季節の到来だ。
車中泊も、寒ければ布団をいっぱい持っていけばいいんだが、暑いからって車の窓を開けっぱなしにするわけにもいかないし、エンジンかけてエアコン入れたりしたら車が持たないし、第一うるさい。
したたる汗との戦いの季節。気が滅入る。
Gくんが後部座席用の小窓に100均で買ったネットを挟み込んで「網戸がわり」と言っていたが、うまいことはまったなぁと感心した。
しかし、メッシュが細かすぎて、タバコを吸っても煙が外になかなか流れていかないほどの網戸なので、涼しいかどうかは大変疑問だ。

ちなみにGくんは自分はタバコをやめていても、他人が車の中でタバコを吸うのを禁止したりしない。
「わしは、ルールがキライなんだ!」のひと言で、小窓を開けてファミマのカフェオレをおともにゆったり喫煙できる。
そろそろ禁煙する、と言い始めてもう半年ほど、息子からさえ「言うばっかりじゃん」と言われるほどの「禁煙サギ」だ。
ただでさえ心肺機能が弱いんだから本当に真面目に取り組まなきゃいけないんだが、家でやめることは可能でも、車中泊中のタバコはうまいんだよなぁ…

うとうとして目が覚めたら時計が7時を指していたので、PC前に座っているせいうちくんに「晩ごはん、どうする?」と声をかけた。
せいうちくんはどこか憐れむような視線で、「今、朝だよ。僕は今から仕事」。がーん。
今から長い長い1日が始まるのか!

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