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年中休業うつらうつら日記(2024年2月17日~2月22日)

PCの入れ替えのため、3月いっぱいでホームページ「おひるね倶楽部」を閉じようと思います。今、そちらから「note」に来てくださっている方は、どうぞ「note」をお気に入りに登録し、そちらから「年中休業うつらうつら日記」にお入りください。お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。

24年2月17日

昨夜の定例金曜ZOOM飲み会は、くたびれていたので長老とGくんとSくんしかいない最初のターンで帰らせてもらった。
Sくんに、「最近、つきあいが悪いなぁ」と言われたが、「春はあけぼの」のせいか、なんだか眠くてしょうがないのだ。

そこでGくんからこっぴどく叱られた。
先週の日記を読んだ彼は、「連休を1日残して車中泊を早めに切り上げてよかったね」とせいうちくんと語り合っていた描写が気に食わないらしい。
「なにが『1日残しておいてよかったね』だ。サラリーマンはそんなに休めないんだろうと思って最終日前に帰ったが、つまりその日もヒマではあって、2泊3日だったが3泊4日にもできたんじゃないか。次の連休は積極的に3泊4日でいくぞ!」というのだった。

いや、ちょっと待ってよ。
無職の私やあなたは旅の翌日は休息日にできるが、せいうちくんは会社に行かないといけないんだよ。
間に1日休憩したくなるのもしょうがないじゃないか。

てなわけで次回の車中泊についてもめながら、やはりリアシートを両方倒して平たくして斜めになって寝たGくんの寝心地はイマイチだったらしく、前から買おうと思っていたキャラバン用のベッドキットを買うことになった。
ちゃんということ聞いてPayPay会員のカードを探し出し、クーポンや割引をできるだけあれこれ入手し、安く買おうという試みだ。
明日の日曜に買うのがお得なのだそうで、準備万端にして待っている。

ついに今日は整形外科をサボった。
だって、ここ3週間というもの、1日おきに膝の傷の消毒に通ってたんだもん。
「土曜にまた来て。そしたら濡らさないようにすればお風呂に入ってもいいかもしれない」と言われ、もう自分で勝手にゲンタマイシン塗って防水のバンドエイドみたいなの貼って、入っちゃった。
上がって傷口を乾かして、またゲンタマイシン塗って軽くバンドエイド貼っておく。
もうこれで治ると信じよう。

次に膝と腰の痛みでシップもらいに行く時、「なんでこなかったの?」と気まずい思いをするような気もするが、相手だって大勢診てるんだ、いちいち咎め立てはすまい。

さすがに少し「相棒」に飽きてきたので、「呪術廻戦」の続きを観ることにした。
テレビを観ているとすぐに眠くなってしまうため、起きたらものすごく話が飛んでいた。
「どうなったの?」とせいうちくんに聞いたら、
「頭の上で富士山が噴火しているみたいな化け物と戦って、宿儺に変わって、虎杖は心臓を取られた」と言う。
ああ、それは漏瑚との戦いだね。
結局、五条先生がやっつけてくれるやつだ。
「今度、京都姉妹校対決をやるらしい」
なるほど、死んだはずの虎杖、再デビューして東堂葵に会う回だ。
東堂と虎杖の友情は好きだなぁ。

そんなふうにのんびり過ごして、灰原薬の「応天の門」に三大書人の一人、橘逸勢(たちばなの・はやなり)の書が出てきたのを読んだら猛烈におかざき真理の「阿・吽」が読みたくなった。
大河の影響もあってか、今私の中では平安時代ブームが来てる。



24年2月18日

朝起きたらもう昼だった。
休日によくある光景。
Gくんから「車中泊で行く先に『宇宙よりも遠い場所』というアニメの聖地があるらしいから、見ておくとよろしい」とお下知があったので、「相棒」も「呪術廻戦」もほったらかして4人娘が南極に行こうとするアニメを観始める。
最近のアニメはいろんな手法があって面白いね。
人物の枠線を引いたうえで色塗りの時に白いラインを内側に入れるって、初めて見たかも。

なんとか3話近くまで観たところでタイムアップ。
息子が夜中に来るのに備えて昼寝しなくっちゃ。
Gくんに「3話まで観ました」とメッセージ打ったら、「そんなに観てどうする。わしは1話しか観とらん」との答えが。

なるほど、これから東京やフリーマントル、南極が舞台になるから、駅舎や街並みを見て聖地巡礼をするには第1話を観れば十分なのか。
では寝よう。

その前にお鍋作って食べて、お風呂入って、息子用のカレーを作る。
そうこうしているうちに17時。
せいうちくんは0時過ぎてやってくるヤツを5時間寝ただけで受け止めきれるんだろうか。

ところが、業務に関しては割と早め早めのせいうちくん、23時に目覚ましかけてた。
おかげで今日は無理かと思っていた大河ドラマを観られたよ。
あの時代にポロがあったのか、あれはイギリス発祥じゃないのか、と騒いでいたら、番組あとの紹介コーナーでペルシャあたりから伝わってきてイギリスより早く始めていた、と知る。
それにしちゃあポロスティックとかあまりにイギリス寄りだと思うんだが。

0時半に息子がやってきた。
非常に機嫌がよく、「久しぶりじゃ~ん!」と抱き着いてきて満面の笑み。
どうやら少し飲んできて酔っぱらってるらしい。
酔った息子は非常に珍しい。
下北沢のお店に大勢の後輩芸人たちが来てくれて、楽しい夜だったみたいだ。

「そんな楽しい時になんだけど」とせいうちくんは前に妹さんから来た10枚の手書きの手紙と、自分が書いたA4用紙40枚近いワードの文章を息子に読んでもらう。

前々から、「お父さんの、両親に対する、特におばあちゃんに対するネガティブな気持ちはいっぺんちゃんと文章にしてみたらどうだろう。おばあちゃんに手紙で説明する気持ちで」とアドバイスされていたので、今回、妹さん宛というやや斜めの方向ではあるが、初めて事実と自分の気持ちを文章にまとめてみたので息子にも読んでほしい、と。

まず妹さんからの手紙を読みながら、「これは文章うまいね。謝ってるようで、謝ってない。手練れだ」などと論評していた。

「『死になさい』と言われても仕方ありません」と反省してみせる妹さんに、息子は驚いて、
「お父さん、『死になさい』なんて言ったの?」
せ「死んでください、とは言ったね。電話であんまりひどくののしられたもんだから」
息子「僕は一生言えないなぁ、そんな言葉」
私「あなた、これまでの人生で言ったことないの?」
息子「いや、ある。お母さんに無茶苦茶言った」
私「そうでしょ。何度『死ね、クソブタ!』って言われたかわかんないよ。反抗期だったんだろうから許すけど。お父さんはそういう時期がなかったから、今頃言っちゃうんだろうね」
息子「いやー、やっぱり反抗期は必要だね」

妹さんが私への暴言の数々を「子供がけんかして『おまえのかーちゃん、でべそ!』と関係ないかーちゃんが出てきてしまうように、兄への怒りをうさこさんにぶつけてしまいました」と謝るくだりで、息子は私に向き直り、
「お母さん、こういうこと言われたら許しちゃうんでしょ」と看破していた。
うん、私は基本、相手が謝ったら許すし、人間関係の再構築を考え始めるよ。
せいうちくんの返事の中では、「子供のケンカのように他愛ないものだった、という言い訳は、幼児わいせつを『いたずら』と言うようなもの。本当に反省しているとは思えない」と厳しい態度だった。

「お母さんの性格まで読み切って、わかって書いてるんだから、恐ろしい手紙だよ」と言いながら、自分自身の結婚を「親戚の間で又聞きでは寂しい。息子くんから直接聞きたかった」というくだりでは、「僕から言うわけないじゃん!」と独り言を漏らしていた。
自分とカノジョを侮辱されたこと自体はせいうちくんの手紙を読むまで忘れていたらしいが、結婚の報告をする関係じゃないだろう、という思いは残ったままのようだ。

カレーを食べながら読んでいたので、途中で「これは飯が喉を通らなくなる。重たい事態だ」と音を上げていた。
それでも全部読み切って、「これから仲良くなれるかどうかはまさにお父さんが書いたように相手を信頼できるかどうかだね。おばあちゃん相手はもう時間切れだろうけど」と言っていた。
「力作だ。すごいものを読ませてもらった」とパンパンと拍手し、せいうちくんの両手を握って健闘をたたえる息子だった。

常務をやめて顧問になったこと、しかし今度から「働かない顧問」というごほうび的な地位はなくなり、それなりに働かないと1年か2年で辞めさせられてしまうことなども話した。
「それが正しい社会の在り方だとは思うけど、自分の代で起こるとやっぱり『えっ!?』ってなっちゃうね」と苦笑するせいうちくんに、息子は「人生これからじゃない。お金はあるんでしょ?好きなことして暮らしたらいいよ」と慰めてくれた。

さすがに3時近くなってせいうちくんギブアップ、お風呂を終えた息子と少し話して私より息子がギブアップ。
「眠い」と部屋の隅に布団を敷いて寝てしまった。
明日の朝読めるように「チェーンソーマン」の新巻を持っていってはいたが。
ではおやすみ。明日は学童のお仕事だね。

ちなみに妻のMちゃんは友人と旅行中らしい。
やっぱりそれで寂しくなってこっちに来たんだね。
でも、こっちは不思議なほど寂しくなくなってて、1か月半も会わずにいたとは思わなかった。
沖縄での結婚式を見て、またお正月に泊まりに来てくれた2人の仲睦まじい様子を見て、もう子供を手放した気分になれたのかもしれない。
彼は彼の人生を幸福に生きている。嬉しい。

24年2月19日

4時にベッドに入って、マンガ読んでたら、5時にせいうちくんの目覚まし時計が鳴った。もう起きるのか。
少し仕事をしてから6時半ごろ出る、と言って、
「キミは寝なきゃダメだよ。徹夜はとっても身体にこたえるんだから」と睡眠薬をのませて寝かしつけていった。
それで少しとろとろと眠ったと思ったら、とても悲しい夢をみた。

3歳ぐらいの、立つことはできないが両手両足で這っている状態の娘を病院から施設に連れて帰ろうとしたら、娘が、
「おいていかないで。ドナドナはいやなの。ママ、パパ。さびしいの」と泣いて訴えてきた。

もちろん娘は首も座っていないので這って移動したことはないし、発語したこともない。
それなのにしゃべったのだ。こんな悲しい訴えを。
まさにドナドナの歌の連れていかれる子牛のように。

娘が「まま」としゃべった夢をみたことはあるが、その時は「娘ちゃん、しゃべれるの!すぐにパパに知らせに行こうね!」と抱き上げて家へ急いだ。
目が覚めたら枕がびっしょりと涙でぬれていた。
今回も、枕にぼたぼたと涙が落ちた跡があった。

たまらなくて、会社のせいうちくんに電話をかけた。
「どうしたの?」と驚く彼に、泣きじゃくりながら夢の話をすると、とても気の毒そうに、
「かわいそうに。大変な夢をみちゃったね。でもね、娘は幸せに暮らしているし、そのことでキミが責められる理由は全然ないんだよ。ああ、でもかわいそうだ、そんなに泣いちゃって。大丈夫?大丈夫?」と何度も聞いてくれた。
「あなたに話せたから、もう大丈夫。薬のんで寝るよ」
「うん、10時からしばらく会議はないから、また悲しくなったら電話してね」と終わった。

落ち着こうとしたが、また涙があふれてきた。
息子の寝ているリビングに急ぐ。
彼は廊下をよろけながら走ってくる足音で目が覚めたらしく、
「お母さん!転んじゃうよ!」と言って起き上がっていた。

「娘ちゃんの夢みたの。『帰りたくない。ドナドナはいやなの』って泣いてたんだよ」と息子の枕に顔をうずめて号泣するのを、
「お母さん、タバコでも吸おうよ。ね、キッチンへ行こう」と抱えるようにして私を換気扇の下へ導いた。
「もごもご言っててよくわからなかったんだけど、娘ちゃんの夢をみたんだね?どんな夢?」と聞く彼にもう一度説明すると、タバコを吸いながら背中を撫でてくれた。

「悲しむこと、ないんだよ。お姉ちゃんは、家にいたら友達もできなかったかもしれない。家で育てたからって、今より良くなったかどうかなんてわからない。ひとつ、はっきりしているのは今のお姉ちゃんは幸せだってことだよ。きちんと面倒見てもらって、お医者さんにも診てもらえて、お姉ちゃんのこと大好きな人たちにやさしくしてもらってるよ。たぶん、昨日お父さんの妹さんから責められた気持ちがよみがえっちゃったんだろうけど、そんなこと気にする必要は全然ないんだよ」とこんこんと慰めてくれた。

私もタバコを吸って少し落ち着いたせいか、娘が施設で仲良しだった女の子の話をしていた。
「下半身が不自由だけど、おしゃべりが上手で、KAT-TUNのファンだったの。娘ちゃんと同じ部屋で、面会に行くと『娘ちゃんはね、おやつの時間が大好きなんだよ』とかいっぱい話してくれた。亀梨くんが好きなんだけど、病棟のテレビは小さい子が見るチャンネルばっかりだから、なかなか亀ちゃんが見られないんだって。高校に入る時、『整肢学園に行くから、娘ちゃんとはお別れなの。そっちの寮に入る。同じ学年のね、Dくんはすごいんだよ。普通の高校に行くんだよ。障碍者学級じゃなくて、都立の普通の高校なんだよ!』って話してくれた。もう会えないのか、と思って亀梨くんの写真集をあげたの。とても喜んでくれてた。Dくんとは今でもFacebookでつながっていて、彼はアメリカの大学に行ったんだよ。今でも、『娘ちゃんの笑顔をよく覚えています』って言ってくれるの」

「そういうお友達ができたのも施設で暮らしたおかげだよ。お母さんだけでも閉じこもりがちなのに、ずっと家にいたらお姉ちゃんはもっと気の毒だったよ。僕ら3人が、『より良く生きよう』と思えるのはお姉ちゃんのおかげなんだから、大丈夫だよ!お姉ちゃんは悲しんだりしてないよ」

こんな語らいを通してなんとか落ち着くことができた。
息子はカレーの残りを食べて仕事に出かけるという。
「お母さん、大丈夫?」
「うん、薬のんで寝るから。ありがとう。早く起こしちゃってごめんね」
「全然。ちょうどいい時間だったよ。楽しいひと時とカレーをありがとう。お父さんにもよろしくね。また会おうね」と言って何度もハグして出かけて行った。

娘を、私を、せいうちくんを肯定してくれる息子。
彼にすべてを預けてもたれかかってしまったらきっと楽しいんだろう。
でもそれでは彼は彼の人生を生きられなくなってしまう。
せいうちくんのお母さんがせいうちくんを事実上失ってしまったように、息子を失いたくはない。
夫婦間に愛情と信頼があるからこそ、息子も老いた親を残して外の世界に出ていけるんだと思う。
娘の幸せも祈るが、息子にも彼自身の家族ができたんだから、そこで新しい幸せを構築してもらいたい。

夕方、せいうちくんはまた鈴懸の「イチゴ大福」を買ってきてくれた。
もう販売期間も終わり近い。
今年はこれで最後だろう。
「呪術廻戦」を観て寝る。

おかざき真理の「阿・吽」の中で、若い空海が師から言われる言葉を息子に伝えた。
「きちんと衣を着るというのは、礼と節をまとうということだ。すべての人間がお前さんの才の大きさをわかるわけではないよ。礼と義は自らと異なる相手に対して必要なのだ」
靴下に穴が開いていても捨てない君の生き方もあろうが、子供たちと接する時にそれでいいわけではないぞ。

やや興奮して「阿・吽」を読み終え、おの秋人の「後宮の検視女官」既刊2巻を読み、ひむか透留の「月華国奇医伝」既刊11巻を読み始める。
最近、こういうラノベのコミカライズ、多いなぁ。
前に友人Nくんに会った時、「『薬屋のひとりごと』はいいよなぁ」と言われたもんだから勢い込んで「倉田三ノ路?ねこクラゲ?どっち?私はねこクラゲなんだけど!」と尋ねたら、困惑したように、
「いや、どっちも知らない.オレが読んでるのはラノベ」と返ってきて、なんか腰が抜けた。

マンガばかり読んでるつもりでいたが、ラノベやアニメとの競り合いが激しい今日この頃。
特に老眼がひどくなると、マンガの細かい字を読むのがつらくて、多くのマンガファンがアニメの軍門に下るようだ。
ましてラノベのコミカライズときては、向こうの方が先なんだから礼をもって引き下がろう。
実写版の「ゴールデンカムイ」を観に行かねば、という気持ちに焦る。
どうせなら「ゴジラ -1.0」も観たい。

24年2月20日

今週末も車中泊を入れたのはいいが、前倒しにしすぎて私の通院日にかかってしまうことが判明した。
これはさすがにいかないとまずいし、薬も即日手に入れないといけない。
今んとこGくんに事の次第を伝え、木曜夜出発に変更してくれるように頼んだ。
幸いすぐにOKをもらえた。
明日のうちに荷造りをすませてしまおう。

今日は「相棒」を観ようか「呪術廻戦」を観ようか相談しているうちに、シリーズ4まで観ている「サブカルチャー」についての特集を録画してあるのを観ることになった。
今回は「サブカルチャー地政学」として、「アイドル編」「ロック編」「ポップス編」「ゴシック編」があるようだ。
シリーズ1の時はアメリカの1950年代から10年ごとに区切ってサブカルを語ってきていた。
1960年代になると何となく記憶にあるものや人物が現れ、70年代はもっとその度合いが強くなる。

私が東京に来たのは70年代終わり頃だったが、まだ歩行者天国とか珍しい頃だった。
名古屋でさほどヒッピー文化に触れることもなく、せいぜい水野英子の「ファイヤー!」を読んで夢想する程度で、学生運動とかも無縁だった。
高校で生徒会活動をやってても、「もう卒業してしまった数年前の先輩たちが残した『すかしっ屁』の残り香を嗅ぐ」程度の感覚。
大学の自治会室には「思想的空白地帯」って大書してあったぐらい政治的な話はしない校風で、先輩に連れていかれた早稲田や東大には不思議な字体のタテ看がまだ残っていたのが別世界に思えた。

今度、全部観て、息子にも見せてやろう。
昨日も「新宿で、ガザ地区の空爆に対するデモをやっていたよ」と語っていた。
なぜか世界の平和と歴史の話が好きな、せいうちくんに似たのか、年よりちょっと古い趣味があるみたいだ。
今の若い人もサイモン&ガーファンクルとか普通に知ってるものかなぁ。

24年2月21日

2500円もするのに思わずポチった青池保子「エロイカより愛をこめて」のトリビュート版。
萩尾望都、浦沢直樹をはじめ、錚々たるメンバーが描く少女マンガの大殿堂。
これはさすがにしばらく生本で置いておこう。
普段そういう関連本はあまり買わないので迷っていたんだが、なんといっても執筆陣が豪華。
木原敏江とか市東亮子、酒井美羽、安野モヨコも。
最近読むようになったはるな檸檬にも興味あるなぁ。

で、「買いました!」とFBに写真上げたら、意外なほど強烈な反応があった。
皆さん、やっぱり好きなのね。
私も何回読み返したかわからないよ。既刊39巻を。
「気になってました。よい?買う価値あり?」と聞かれると、好みの問題だからうっかりしたことは言えないが、ここはやはり販促活動をしておきたい。

「誰が描いてもエーベルバッハ少佐はエーベルバッハ少佐であるところにキャラクターの底力と青池保子の確かさを感じました。後悔はありません」と書くしかないじゃないか。
うんと年下のマンガ友達、ミセスAは青池保子を知らないらしいと前に聞いていたが、「エロイカ、未読でも楽しめますか?」と聞かれれば、「いや、やっぱりキャラが身体にしみついていないと難しいと思います。今度お貸ししますから、感想を聞かせてください」とお返事する。
皆さん、ものすごい「クラウス愛」だったりするからなぁ。

口惜しいというか嬉しいというか、「こちらはご存じですか?」とオノ・ナツメの「ACCA13区監察課 10th anniversary book」情報も出され、ついでに松苗あけみの特集本もちらつかされて感心してるうちに(京極夏彦の誘惑がすごかった)、ぽちぽちぽちっとはるか遠くの文月今日子本(清水玲子に抵抗できなかった)にまで手が伸びてしまった。

この手の本を買うのは星野之宣本でただひたすら「宗像教授vs.稗田礼二郎」の共作を読みたかったのと、山上たつひこ本で「萩尾望都の描くこまわりくん」が読みたかった時ぐらいだった。
これだからうちの家計は「エンゲル係数」より「本ゲル係数」が多いんだ。
せいうちくんは4月からお給料ががくんと下がるので、「後悔のないよう、3月末までに買いたいものは買いなさい」と鷹揚だ。
彼もけっこうAmazonで古本買ってるのは知ってるけどね。

文月今日子って、中学の頃、少女フレンドで「フリージアの恋」と「初恋はトマトの味」を読んだ時、衝撃が走ったんだよね。
ものすごい新人が出てきたものだと。
似たような衝撃を次に感じたのは高校生の時に清原なつのの「花岡ちゃんの夏休み」を読んだ時。

もっとも、多分にメガネでおかっぱの花岡ちゃんのスタイルが私に似通っており、絵柄もやや似ていたので、マンガ仲間から「女史、描いたん?」と聞かれた印象が強かったせいかもしれない。
そのマンガ仲間も10年以上前に死んじゃったなぁ…
よく喫茶店で4、5時間、マンガの話をしたもんだった。
ところで普通の地方県立高校卒で、アニメーターの友人が3人いるってわりとすごくないかい?
美術部ですらなかったのに。
1人は亡くなり、1人は行方が知れなくなり(元夫に聞いても「知らない。もうこのことで連絡しないでくれ」と言われた。(K子ちゃん、なにをしたんだ!)
残る1人は去年名古屋に帰った。
だんだん寂しくなるね。

この年になると、いろいろ用心しないと懐かしくてつい買ってしまうものとか増える。
世間も、オタク世代の年長組がそれなりに購買力があると知っているので商品や企画が絶えない。
そのうちシルバーバトン仕様の杖とか買っちゃうかも。

24年2月22日

心療内科の通院日。このところ気分が滅入る。
せいうちくんが我々の望み通り閑職に回ったと思ったら、会社としてはこれまで年功序列的ご褒美としてあんまりしゃかりきになって働かなくても数年間はまあそこそこお給料あげるよ、という態度だったものが、ドラスティックな体制改変があり、「働かない顧問は去年まで。これからは顧問は働くべし。働かないなら1年たったらおさらばだよ」と言い出したみたいだ。

いや、いいことだとは思うんだよ。
世の中の風通しが良くなるというか、天下るから下なのか、楽だから上なのかよくわかんないところになんか澱んだものがたまるじゃん。
そういうことを少しでも変えていこう、と舵を切るのは素晴らしいと思う。

しかし、それが自分の配偶者の目の前で楽園への扉が閉まるみたいに見えるのはどうしたらいいんだろう。
さすが、結婚式のスピーチで友人代表から「ここ一番の電車には必ず乗り遅れる男」と言われただけのことはある。

そんな憤懣をドクターにぶつけてきたわけだが、
「ご主人本人は、責任という肩の荷が下りて楽になった、って言ってるんでしょう?ずいぶん心持ちも違うし、あなたのためなら固い決意でヒマになってくれると思いますよ、あのご主人は。ま、車中泊、楽しんできてね」と言われたのみ。
いや、けっこう真面目で、サボれないんですよ、あの人は。融通が利かないというか。
相変わらず薬の量が減らせない。
もうせいうちくんが忙しいのはイヤだよ。
ドクターからも「ダンナさんが離れると、奥さんは死にます」と言われてるしなぁ。

落ち込んだままの気持ちで旅に参加するのがいいことかどうかわからないが、たまたま目についてGoogleマップ上にマークしただけのカルピス工場見学の予約を入れてくれ、それまでの待ち時間を過ごすためにカラオケの予約まで入れてくれたGくんの心意気に応えて、楽しい車中泊としたい。
また早い更新になってしまうが、仕方ない。

たまたま連休が続くんで2週間にいっぺん車中泊してる格好になってるが、4月以降どうなるのか。
もうベッドキットも注文しちゃったから、4週間たったら生まれ変わった荷台のキャラバンが見られる。
もちろんその勢いでどこかへ泊まりに行きたい。
春も近い。
今回の旅ではどうやって寝るつもりなのだろうか。



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