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「作家の時間」を公開してみた

去年から本格的に取り組んでいる「作家の時間」。
従来の国語の「書く」学習に多くの課題を感じで取り組み始めた。
子どもたちが書きたいことを書くことを通して、自立的な学習者になることと書く力を育むことを目指す授業。その「作家の時間」を市内の公の研究会で初めて見てもらった。

一緒に研究をしているメンバー(僕をいれて4名)は全員が同じ授業をしているわけではない。
僕ら共通のテーマを立てることで共同研究をしている。
僕らのテーマは
「つくり手を育てる授業づくり」
学びを子どもたちの手に委ねていくことを目指している。
それを実現するために
・選択肢があること
・ペースの違いを認めていくこと
・教師の個別の関わり(カンファランス)があること
の3つを共通のキーワードとしてきた。

これまでは、テーマとキーワードのイメージをすり合わせるために、市内でテーマに関わるような実践をしている先生の授業を見てきたり、対話を重ねてきたりした。

そして、今回からさらにイメージの共通認識を高めるためにメンバーがそれぞれ授業をしていくフェーズに入った。
その1発目として僕の1年1組での「作家の時間」を公開した。

正直、不安もあった。
今まで、僕の言葉や子どもたちの作品で「作家の時間」について説明してきた。
しかし、どこまで伝わっているのか、実際の授業を見てどう感じるのかわからなかったからだ。

そして授業が始まった。
ミニレッスンは「かくことをかんがえる」ことについてのルーブリックを子どもたちとつくった。
書くことに慣れてきた子どもたちだが、思いついたことを思いつくままに書いている。
そこで、書き始める前に簡単なメモをつくることを教えたかった。そのためのルーブリックをつくってみた。

子どもたちの目の前でメモの作り方を実演。僕の考えていることを説明しながら手本を見せる。
主人公の設定を作ること。物語の構成を簡単に書くこと。
それらを子どもとやりとりしながら見せていった。

ミニレッスンを10分ほどで終えて、そこから30分はひたすらに書く時間。見にきてくれたメンバーも子どもたちの作品に質問をしていく。

最後に3人ほどの作品を共有して授業を終えた。

その後の協議会。ドキドキだった。
しかし、3人の評価はとても好印象だった。
嬉しかった言葉を記録にまとめておきたい。
・子どもがどんな紙を使うか選んでいる。そこから選択が始まっている。
・メモの話がハマって、意欲的に取り組んでいる子がいた。
・中学校の教師からすると評価の問題をどうすればいいのか?って思っていたけど、これだけ見る時間があれば子どもの実態がつかめる。
・この実践だったら、どのクラスでもできそう。
・体育や図工の時間に近いように感じた。作文の授業でそれをやっていると伝えれば他の先生も受け入れやすいかも。
・いつもいい話を聞けたから疑ってきたけど、子どもの姿でいいなって思わさせられた。
・学習を投げ出している子どもがいない。
・10人いたら10人の段階がある。みんなを一斉にあげようとすると難しいけど、一人ひとりが一歩進める実践なのではないか。
・去年1年生で作文の授業をやっていたのだが、正直きつかった。これをやれていれば良かったと思う。どうしても、教科書の単元でやると書くことが限定されてしまう。書けない子は書きたいとも思っていないし、書き上げた子も終わったという開放感しかなかった。そういうのが書くのを苦手にしちゃうんだなと思った。
・自分の中の世界を書き出して、それが受け入れられることにこの実践の価値があると思った。
・継続した活動のおかげで、今回のミニレッスンはハマるということが起こるのがいい。一斉の指導がみんなに毎回ハマるわけではないから。
・文字に書けないだけで、頭では考えられたり、口では話せたりする子もいる。そこと文字に書くというところにあるギャップはなんなのだろう?
・子ども同士のカンファランスもできたらいい。
・子どもの姿を他の人に見てもらって、その成果を実感してもらいたい。話だけだと食わず嫌い状態な感じになる。
・子どもの見取りのロードマップとかできるといい。子どもがどんな状況だったら、どんな手立てがあるのかが知りたい。

などなど、とても嬉しいフィードバックをいただきました。
ただ、課題としては僕らの研究を市内にどのように広めていけばいいのか。
ハウツーだけでは、コケるのは目に見えている。
だからこそ、研究発表を来てくれた先生のマインドを揺さぶるようなものにしていきたい。そのためには何をしていけばいいのだろうか。

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