ビジネスには2+1の視点が必要なんだ

ある会社で正社員をしつつ、2年弱ほど他の会社の業務委託のお仕事もやっていた。このたび、そのお仕事が終了した。

社員である会社は感謝と礼儀と成長と貢献を意識して働くことが大前提で、あとは働き方も自由、発想も自由、やりかたも生産性の高さとWhyが通っていれば自由。目の前の利益ではなく、長期的にどうあるべきかを考えて行動する。役割としては、売上のかなりの部分を私の担務が担っている。

実のない仕事をしている暇はないし、実のある仕事がない時期でも実のある仕事をより質を上げつつ、スムーズに、幸せに進めるための仕組みを考える時間に当てなければならない(この時間がなかなか捻出できない問題もあるが)。

業務委託先の会社は、某大企業2社の関連企業(子会社ではない、ところがある意味キモ)であり、その下請け企業(会社自体はおそらくそれを認めたがっていないが、実際はそう)。目の前の数字と利益を追うあまり、短期的にミッションが変わり、でも、上の企業からのミッションが降りてこないと動けないので、妙なタイムラグが生まれる。

その間社員は「穴をほっては自分でまた埋める」、いわゆる「囚人の穴掘り」みたいなことを強いられる。仕事をしているふりをしなければという理由で。

その会社で担っていたのは、どうやっても利益が出るとは思えない「本の感想サイト」のお仕事(実際利益を出そうとして結局失敗して担当者がオマエがダメだと言われたシーンをこの2年でたくさん見た気がします。そんなのいろいろな事考えても無理なのにね。これもまた囚人の穴掘り仕事💦)。

個人的には「お金は稼げないけれど、ここにしかないコンテンツ、長期的にみて、その企業のイメージアップに、ひいては社会・文化的にも貢献できるという結果つながる」(のかもしれない)といった意義を感じてコミットさせてもらうことにしたのが、ちょうど2年前ごろのことでした。

本職ではお金を生み出す仕事、副業ではあえてお金を生み出さない仕事、を選んだといってもいいでしょう。それはあえて、です。

目の前のお金を追わなければならない状況(そういう理念では働いていないけれど、どうしてもそうなる時間が長くならざるを得ない)だけに身をおいていると、お金ではないところの価値を軽視するという「洗脳」をされてしまう。それが怖かったのです。実際、今も怖い。

でも結果、副業のほうは究極いえば「利益を生み出さないところに人を置けない」という理由からでの、契約終了。担当者1人での管理運用の道を選ぶことにしたそう。

もともと、その契約を継続するかどうかは、いろいろ理由があってもうそろそろ辞めたいなと思っていたところもあるので、個人的にはとてもありがたいタイミングではありました。

しかし、コンテンツビジネスを1人で回すのは事故のもと、広がりを自ら閉ざすことにならないし、そもそも何かの担当者を1人に絞ることの危険(1人が倒れれば、そのサイトは止まる、ってことですね)等々、いまいちよい選択肢とはいえないよなぁと思いつつ、ふと思いました。

そっか、もうすぐ年度末、目の前の数字をあげるなら「経費を抑えて数字を増やす」がベスト、という日本の会社に蔓延する思想(特にここの親会社にはこの思想が強いと思われます)からすると、まあ、当然の結果なんだろうなぁと。

物事、なんでも2つの側面からみたほうがいいよなと思いますが、ビジネス上で起こる現象というのは、プラスもう1つの側面が必要なのかもしれない。

今回のことだと、「利益を生み出さないところに人はおけない」という側面が1つ。

もう1つの側面としては、文化にあわないものの排除。私自身、おかしいことはおかしい、と指摘し、整理して前に進めるという性質から、このサイトの創始者のあまりの横暴を指摘し、もっと上からのお立場を進言してご隠居お勧めしたり(実際に立場上はご隠居なさりました。院政はしいていましたが)、直上司のお客様への失礼な振る舞いを叱咤したり、浅はかな知識による業務の運用を是正させたりと、社員であればやらないことを臆せずやってきたこと。社員であれば反逆者ですから、降格とか左遷とかあったかもしれません。業務委託とはいえ、関わっている以上嫌なものは嫌なので、遠慮なく指摘しましたが、これは私の中でよしとする文化や思想とあわなかったというだけのことですね。

そして3つ目は、こうした2つの上に君臨している思想ってなんだろうということ。組織に従順に従い、(見せかけであっても)利益を生み出すことをよしとする、大きな企業にありがちな思想。会社の中で起こること、業務の内容、そこの会社の中の人の振る舞いや質など、すべてはそこに起因するように思うのです。100%ではありません。2:8の法則でいえば、80%は。

ビジネスでは2+1の視点で現象や物事を考えること。

それは、本業のほうでお客様と接する上でとても大切なポイントになるように思っていますし、実際にもうその視点が大いに役立っています。

週1回ほど、本が好きだから、本の仕事しておきたいから、くらいの気持ちで本の感想サイトに関わり始めただけだったにかかわらず、思いの外の収穫があったなあと、思わず思いを書き留めてしまった平成最後の節分の午後でございました。

#ビジネス #二元論


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