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洗練されたコメディとステージング、コメディエンヌたちの活躍がすばらしい『ガイズ&ドールズ』

『ガイズ&ドールズ』@帝国劇場行ってきました。

確か以前紫吹淳さんスカイで宝塚バージョン観ているはずですが、画像として目に浮かぶのは、大地真央スカイ、黒木瞳サラ、剣幸ネイサン。これは写真でしか観てないはずなのに、おそらくショーやイベントごとでナンバーも聴いていたからなのか、なんか知ってる気になっていた作品です。

今回は、演出にマイケル・アーデンということで、それだけで期待膨らんでいたのですが、私としては大当たり。日本の最近ミュージカルコメディ演出している人なら、おそらく下品になってしまうと思われるタイプの作品ですが、そこを上品に、かつ楽しくちゃんと魅せてくれている。ブロードウェイの古典的な作品だけれども、古臭さを残さず洗練したコメディで、観たあとのなんだろう、爽快感が心地よかったのです。

今回、子どもがお世話になっている酒井航さんチェック!?もあって、アンサンブルさんをずっといつも以上におっかけていた(久しぶり、この観方)のですが、エイマン・フォーリーさんの振付がとてもかっこいい。ダンサーさんは大変そうですが、ずーっとアンサンブルのダンスを観ていてもまったく飽きない。ギャングのダンスは宝塚の男役群舞を彷彿とさせるかっこよさだし、ハバナのシーンも宝塚の黒塗り系のショーを思い出させる華やかさ。

今回は井上芳雄スカイ、明日海りおサラ、浦井健治ネイサン、望海風斗アデレイドでしたが、アデレイドの圧勝。華やかだし歌も聴き応えあるし、ド派手でちょっと下品さもある役なのにかわいいし。くしゃみも自然だし😂宝塚時代みたことがある気になっていたけれど、みてなかったかな。来年『ドリームガールズ』のディーナやるみたいですが、かなり見応えがありそうです。

ナイスリー・ナイスリー・ジョンソンの田代万里生くんも弾けていて相当楽しそう。デビュー当時のクラッシック畑のおぼっちゃま(失礼!)から想像できないほどの歌の自由さなどなど、観ているこっちが楽しくなりました。「Sit Down, You're Rockin' The Boat」、マリオくんでまた聴きたい。

そして、特筆すべきは林アキラさんと未沙のえるさん。アキラさんといえば、私のなかで未だにレ・ミゼラブルの司教様ですが、あの司教様に匹敵するくらい愛に溢れたナンバーがあります。サラの後見人という役だけに、包み込むようなナンバーかつ歌声が心に染みた…。

さらに未沙のえるさんは、私がいちばん宝塚が好きだったころの花組組長さん。コメディエンヌっぷりは今回も健在でなんだか感慨深く。救世軍の将軍という凛々しさと真面目さと、でもすべての間が面白いという。宝塚ではナイスリーされてたんですねー。

今回、装置もかなり興味深いです。帝劇の盆と3階建のけっこう忠実に建物再現するパターンのセットでしたが、このパターンでよくありがちな、ガラガラと大きなおとで舞台転換というダッサイやつではなく、非常にスマート。舞台転換の滑らかさも見どころかも。

一度聞いたら忘れない、「I’VE NEVER BEEN IN LOVE BEFORE」「LUCK BE A LADY」はじめ、どのナンバーも素敵な曲だらけ。次観に行くまでに、サウンドトラック聴き込んで起きたいと思います。次は7月観劇予定!


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