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研修生が開発!遠野産ブルーベリーを使ったビールができるまで

0.はじめに

こんにちは、遠野醸造4代目研修生の大木です。

遠野での研修期間も残りわずかとなりました。研修の集大成として、初めて自分でビールのレシピを作り、オリジナルビールを醸造しました。

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研修期間中は、ホップ栽培のお手伝いもしています。

1.きっかけ

遠野醸造での研修を踏まえ、どんなビールを造りたいかを考えました。自分が好きなビールか、はやりのスタイルか、これまで遠野醸造で造ったことのないビールかなど、これまで飲んできた何百種類のビールを思い出し、いろいろ考えてみました。

結論は、"遠野でしか醸せないビールを造りたい。"でした。

それは、TAPROOMでビールをお客様に提供する中で、遠野や県内の食材をビールに使うことで、ビールを通じて地域に親しみや愛着を感じてもらえるシーンを何度も目の当たりにしてきたからです。

美味しいビールを通じて、土地やそこに関わる人の顔を伝えたい、そしてファンになってほしい。自分がこれからビールを造る上で、こころがけていきたいことの1歩目にトライしてみようと思いました。

遠野らしさは、遠野の数ある名産の中から、これまで遠野醸造では使ったことのないブルーベリーを使い、遠野の土地の味をビールにのせてみようと考えました。

2.ブルーベリーの収穫

今回、使わせていただいたブルーベリーは、遠野市松崎町にある道の奥ファームさんのブルーベリー。

風光明媚な畑で、ブルーベリーが無農薬で栽培されています。7月後半の早朝、遠野醸造の皆さんとブルーベリーを収穫してきました。遠野も日中は暑くなる季節。朝の7時から作業は始まります。

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1粒ずつ丁寧に、手摘みしていきます。

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品種によって、大粒で甘かったり、小粒でやわらかな酸味があったりします。なにより自分たちで収穫したので、とてもかわいらしいです。

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たくさん採りました!

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(道の奥ファームの安藤社長と、遠野醸造のメンバーと)
ブルーベリー畑から遠野が一望でき、そののどかな風景は収穫作業の疲れも吹き飛ばしてくれます。

3.ビールの醸造

甘みとやわらかな酸味が特徴のブルーベリーは、大麦の香りと甘みをもち、果実のような香りが特徴の「イングリッシュペールエール」というビアスタイルに合わせることにしました。

ブルーベリーの甘みをよく引き出すため、遠野醸造の有賀シェフに指導してもらい、丁寧に100パーセントジャムにし、醸造に使いました。ビールの仕込み日前日。じっくり弱火で、煮詰めていきます。ブルーベリーのさわやかな香りがTAPROOMにどんどん充満していきます。

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ジャムが完成!このままトーストに塗って食べたいくらい、ブルーベリーのうまみが濃厚でつやっつやのジャムになりました。

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いよいよビールの仕込み!

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ブルーベリージャムを入れた麦汁が完成しました!どんな風に発酵していくか…楽しみでもあり、不安でもあります。

4.ビールが完成

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ビールができました!今日、9月9日(水)からTAPROOMで提供開始です!大麦麦芽の香ばしさと甘さ、エール酵母の果実感を、ブルーベリーが優しく際立たせてくれ、飲み終わりに感じるほのかなブルーベリーの酸味が飲み飽きさせないイングリッシュペールエールです。

名前は、ブルーベリーが育った松崎町を冠して、シンプルに「松崎町ベリーエール」と名付けました。

個人的には、大きなグラスで、ゆっくり・のんびり夜のリラックスタイムのお供に飲んでほしいビールです。TAPROOMでは、このビールにペアリングする限定フードメニューもお出しする予定ですの。何が出るかはお楽しみに。

5.おわりに

この場を借りて、道の奥ファームの安藤社長、レシピづくりや醸造に一緒にアイディアを考えてくれた研修生の方々、そしてビール造りの場を与えてくれた遠野醸造に、心から感謝申し上げます。

今回、1からビールを設計する楽しさと難しさを改めて感じました。
自分のイメージしたビールにもっと近づけられるようブルワーとして、よりレベルアップしたいと強く感じています。

このビールを飲んだ方が、遠野により親しみを持ってもらえたら幸いです。ここまで読んでいただきありがとうございます!

◎株式会社道の奥ファーム
道の奥ファームさんのブルーベリーは、オンラインからも購入できます。
https://www.rakuten.co.jp/auc-michinoku-f/
◎この記事を書いた人◎
大木 直都
株式会社遠野醸造 4代目インターン
元公務員。北海道から大好きなビールを学びに遠野市へ。
好きなビアスタイルは、ヴァイツェン
ソロキャンプにビールがあれば、生きていけます。
Facebook:https://www.facebook.com/naoto.ohki


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