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来年のウディコンに出る、のかもしれない

2023年8月19日、第15回ウディコンの順位が発表され、閉幕を迎えた。
応募作品数は60作品、一般投票者数は347人とのこと。前回の投票者数320人から増加しているようで、ウディコンを陰ながら応援する身としては嬉しいことであった。

私は今年のウディコンも一プレイヤーとして楽しんだ。
DLしてプレイした作品はクリアできていないものを含めて15作品ほど。
そのうち、クリアもしくはある程度遊んで評価できると判断した8作品に投票とコメントをした。

しかし、プレイしながら、自分は良きプレイヤーではないな、と思う場面が何度もあった。
結局自分は、人の作品を遊ぶよりは、自分で作ってなんらかの評価を受ける側に回りたいんだ、と思ってしまった。考えてみれば、自分も参加していた時の方が、他の人の作品も素直に楽しめていた気がする。

作品を残せることは奇跡みたいなものだと思う。
そのチャンスは実は人生には数えるほどしか残されていない。
二十代の頃はそんなことは思わなかった。
自分にはたくさんの時間がまだあり、多くの可能性があるようにも思っていたし、楽観的に自分の才能に期待して、ほとんどろくな作品を完成させられなかった。

それから十数年があっという間に過ぎた。
心に秘めていたいくつかの作品は、ほとんど形にできないまま時間が過ぎてゆき、とがった感性の先端は少し丸みを帯びてしまった。
今の私は、二十代の自分が山の高さの測り方と登り方を誤っていたことを、ほんの少しだけ理解している。

同時に、今の自分は、過去の自分よりも何かを作れる状態であることも知っている。
感性も体力も減衰したが、技術と経験は前よりも持っている。

私はフリーゲームの愛好者ではない。
正直、有料ゲームの方が普通に面白いと思っている。
だが、このウディコンという場がなければ、そこに作品を出せていなければ、自分はまだ一歩も進めていなかったはずだ。
だからウディコンは恩人である。行き詰まっていたタイミングでウディコンを知れたことは、縁であった。

有料ゲームでは出会えないような、他作者様の良き作品にも出会えた。
個人的に特に印象の強いものをいくつか挙げさせていただく。

『キャンディリミット』で、ニ時間のゲームでドラマが作れることを知った。
『Defence Saviors』で、タワーディフェンスというゲームジャンルを知った。
 (※ここでタワーディフェンスを知らなかったら、大好きなキングダムラッシュシリーズなどもやることはなかっただろう)
『冒険者35歳」で、人生の儚さと愛を知った。
『すっぽんクエスト』のあまりの演出力に驚愕した。
『エディの人間大砲』では、良い映画を見たような喜びを感じた。
『独立理想国家アヴァロン』で受けた衝撃は今も忘れられない。
『ビャッコーギャモン』のデザイン力と完成度に尻込みした。(※サムネイルの絵はビャッコーギャモンのファンアートだよ)

これらの作品を例に挙げながら、作品を完成させて残すことのなんと素晴らしいことか、とつくづく思う。
これらの作品は、私の心の中に座して、はっきりと場所を作っている。
作品が心に残るかどうかはその時のタイミングやシチュエーションにも左右されるものだが、そういう点でも縁があったのだと思う。

良きものを作って残すことができれば、それは誰かの心の中で生き続ける可能性がある。これは作品を残したものだけに可能性があることだ。

たぶん私は来年のウディコンに出ると思う。
第15回ウディコンを経て、数年ぶりにもう一度出たいという気持ちが高まった。

今はアダムの絵付き小説を少なくとも三章まで描き切ることが最大の命題で(秋か冬までは絶対にかかる)、その先に取り組みたいことはたくさんあるが、このウディコンというものには強い悔いがあって、なんというか、「負けっぱなしじゃいられないぜ」と思う気持ちがあるのだ。

ウディコンには若い作者、プレイヤーも実はけっこういるのではないかと思えたことも、発奮材料であった。
ファミコンにフーフー息をかけていた世代の私が作るものが、物心着く頃からネットもスマホもありボカロを聴いて育った世代の方たちにどう思われるのだろう。

どんな作品を作るかはわからないが、きっとかなり短く、その代わりちゃんと完成したものを出す。

もしこれを読んでいる方の中に来年のウディコンに参加予定の人もいらっしゃるのなら、お互い完成させて、またお会いできますように!!

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