見出し画像

房総(3/4) 三間川の沢歩き

腹ごしらえが終わったところで、沢歩きの準備のため、日本野鳥の会の長靴に履き替えました。
この長靴、足首がフィットして、履き心地がよく、それでいてオシャレな長靴なんです。

それから、防虫ネットをかぶり、ヤマビル対策として忌避効果のある「ヤマビルファイター」というスプレーを足元にかけ、軍手をはめて、いざ出陣。

ほどなく三間川と交差するところに来ました。
橋ではなく道路がそのまま続いているので、たぶんこの下に川を流すトンネルがあるはず。
ちょうど川へ降りるための石の階段がありました。
おもわずニンマリ。

だけど、雑草がのび、落ち葉がたまり、湿気ていて、いかにも「ヤマビル」がいそうな感じ。
恐る恐る、でも早足で階段を降りていくと三間川へ降りることができました。

三間川の河川敷に足をおろした途端、ツルン~!!
あっぶね~!
苔で滑ってしまいました。

注意をしながら起き上がると、すぐ左側にありました。
「川廻し」のトンネルが。

横に細長い四角いトンネル。

川の流れをショートカットさせるためとは言え、街中の区画整備事業でもない限り川の流れを整備することはないのに、こんな山の中でわざわざトンネルを掘ってまで川の流れを変えるなんて不自然なんですが。

でも、そのトンネルが風景に調和しているからまた不思議。
素掘りで岩肌が露出しているのも不自然さがないのかもしれません。

今立っているところは、トンネルの上流側なので、トンネルに向かって水は流れています。

こんな山奥の渓流は、岩場で足元が厳しく、流れも早く、素人ではなかなか歩けるようなところではないように思うのですが、ここの三間川は川幅がひろく、川床も平坦で、流れは浅く、簡単に沢歩きができます。

また、川の両岸は崖が露出していたり、背の高い木が緑の壁となって、三間川の水の別世界を作り上げています。
そこに木々からのこぼれ日が差し、神秘的にも感じます。

上流にのぼって、下流の川回しトンネルを眺めてみました。
トンネルの向こう側の緑が鮮やかでした。

足元にはポットホールが。
小さな穴に石ころが入り込み、川の流れで穴の中で石が渦巻くうちに削り合ってまーるく大きな穴になっています。

気持ちいい世界です。

川廻しの入口です。
見上げれば堀りっぱなしになっている岩が崩れそうで崩れない。
堆積岩といって層状に固まってできた岩ですね。

トンネル内部に進入。
天井がまっ平らなトンネルは初めてです。
崩れ落ちてきません。
横の壁には地層がはっきりくっきり露頭しています。
人の手によって掘られたトンネルですね。

出口の下流側から反対側を見てみると、天井の地層が傾斜しているために段々で、幾何学的模様になって見事です。
川の流れもあって、ここを風が通り抜けてます。

下流側は小さな滝になっていました。
滑らぬように慎重に降りてきました。

意外と水の中が滑らず歩きやすいです。
流れがあるので、苔などなく、水辺で日の当たる岩は苔があって滑ってしまいます。

どこまで行っても穏やかな流れです。
川床が平で、幅が広く、浅いため、歩きやすいし、何故かゆったりした気分になれます。

おや?
なんと、脇の山が崩れたのか、倒木や岩が重なり合って、下流には行けそうにないです。
一人だったので岩場を乗り越えたり、ちょっと険しい川岸を歩くのは危険。
残念。
たぶんもう少しで、目的の「開墾場の滝」にたどり着くはずなのに
でも危険を犯すわけにはいかないし、しかたなく来た沢を戻りました。

林道に戻り、三間川の下流に向かい歩きながら横を流れる三間川へ降りることができそうな斜面を探していたら、ありました。
人が踏み込んでいった形跡のあるところが。
案の定、獣道ではないですが、無事三間川に出ることができました。

目的の「開墾場の滝」はもうすぐそこのはず。
気持ちよく沢歩きをしておりました。

ほどなく、すごい景色に出会いました。
いやいやいや。これはこれは。
神秘的というか、幻想的というか、その先に白い鹿でも佇んでいそうな、神聖な空気を感じました。
ひょっとすると、トンネルを見て歩いているより、ここのこの景色が今日一番の収穫かもと思うぐらい、気に入ってしまいました。
左の崖といい、右の木々の壁といい。そして木々からのこぼれ日が崖に差している。
いいタイミングだったかも。
しばらく佇んでいました。

ゆったりとした時間を過ごしたあと、先へ進めていくと、見えてきました。
「開墾場の滝」
ここもでかいトンネルです。
そしてまん丸。
白い崖にぽっかり開いたトンネル。

流れる水の量に比べて大きなトンネル。

吸い込まれるように水が流れ込んでます。
その先には向こうの世界が見えます

トンネルの先は滝になっています。
すごく高い!
下には見事な滝壺ができている。
落ちたら大変。
と言いながら、下へ降りることができないかトンネルの左側の先に出てみました。
数本のロープがくくりつけてあり、下まで垂れ下がっているのでしょう。
一旦は握って降りようとしましたが、足元が悪く、登山の経験もないし、たった一人だから助けもいないので、垂直降下は諦めました。

いやー、これまたすごいトンネルを作ったものです。
トンネルの中から反対側を眺めてみました。
この景色も不思議な光景です。

滝の下から眺めてみると、山の斜面にぽっかり開いたトンネルから、滝となって流れ落ちる水。
何のためにこんなことをするのか、何のためにしたのか。
訳を知らなければこんな光景に驚かされるばかりでしょう。

滝の下へは次の機会に取っておこう。
また来る。絶対に来る。
と、今日のこの沢歩きを感動しながら引き返しました。

?あれ?
どこから降りてきたんだっけ?
こまったぞ!


よければ水の流れの音を聴いてください
5分ほどのこの沢歩きの動画です。

https://youtu.be/zVztzJz6e3Q





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?